昇交点

五藤テレスコープ的天文夜話

国立科学博物館20cm屈折赤道儀

2014-05-19 11:53:51 | 望遠鏡・双眼鏡

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先日ですが、上野の国立科学博物館を訪問しました。目的は下記の記事を見つけたからです。

http://www.kahaku.go.jp/news/2014/04historic_telescope/historic_telescope2014.pdf

この20cm屈折赤道儀は日本で生産された大型望遠鏡では古参の機材ということだけではなく、同館に勤めていた村山定男先生や小山ひさ子先生が長年観測で使っていた愛機でもあったことはご存じの方も多いことでしょう。

この望遠鏡のことは文献で良く知っていたものの、筆者は実機を見ることなく2005年に運用を終えてしまい縁がありませんでしたが、こうして科学博物館で展示されることになりやっと対面することができました。

見て思ったのが、ディテールは違えど、雰囲気は五藤光学研究所製の25cmや20cm(旧型)赤道儀と似ていること。これは両社とも大型屈折望遠鏡のお手本となったカールツアイス社の影響が感じられてとても興味深いです。また望遠鏡のプレートも「NIKKO」や日本光学の「学」が違っていたりと時代を感じさせてくれます。

あらためて望遠鏡の姿を見ると、別の階に展示されている恐竜の化石のような迫力と風格を感じてしまうのは筆者だけなのでしょうか。願わくばこれで天体を見てみたいと思ったのは言うまでもありません。(kon)

画像上:20cm屈折赤道儀全景
画像中:会社のプレート
画像下:重錘式の追尾装置


土星

2014-05-12 10:18:20 | 天体観測

Sat2014_0511

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夜を迎えると、おとめ座で火星が目立っていますが、となりのてんびん座に目を向けると土星も負けずに輝いています。この土星ですが5月11日に衝を迎え観測好機をむかえています。

リングもだいぶ傾きが増し、カッシーニのすきまが良く見えるようになりました。
早速望遠鏡にバローレンズとPCカメラを接続し撮影してみましたが、このところ東京は天候は良いものの、南風が強く、シーイングもなかなか安定しない日が続いています。そのためベストという画像ではありませんが、それでも本体とリングの色の違いやカッシーニのすきまは良くわかるかと思います。

ちなみに筆者はこの土星を1990年から毎年記録していますが、今年で25年分そろいました。あと5年分撮影できると公転一周分になるのでなんとか達成できればと思います。(kon)

画像上:5月11日の土星
画像下:1990年から2014年の土星