昨日のニュースは酷暑による**では最高気温**℃とか観測史上最高気温等々の話題で持ちきりでした。地球(日本の場合ですが)はこの通り外出も危険な状況になってきましたが、大接近を迎える火星も気象の話題で持ちきりで大規模な砂嵐が発生中という状況です。砂嵐は収まりつつあるのか模様が再び見えてきているものの、処理した画像とは異なり眼視だとまだまだ淡い感じがしました。こんな風に隣り合う惑星の気象状況を想っていると、以前ブログで紹介した鈴木壽壽子さんの「星のふるさと」を思い出しました。その中の1971年7月31日の火星スケッチはちょうど上の画像の位相とほぼ同じで、ほぼ正面に子午線湾が左端には大シルチスとヘラスが見えます。当時のスケッチにはミツカドコオロギの音をきいていたと風情あるコメントがありましたが、筆者の場合はエアコンの室外機の動作音を聞きながらという感じでした。当時のスケッチと昨夜の画像はほぼ半世紀という時間差がありますが、その間の機材と画像処理技術の向上は著しく、当時とは比べ物にならないくらいの記録をアマチュアでも残すことができるようになりました。しかし、それ故にどうしても表面のディテール抽出に目を奪われがちで、今回の接近を果たして広い視点で楽しめているのかいろいろ考えてしまいます。「星のふるさと」はそういった昨今の天文界の状況において楽しみ方をいろいろ考えさせてくれるのではないかと思いました。(kon)