昇交点

五藤テレスコープ的天文夜話

マークX物語(3)

2013-01-09 17:48:29 | マークX物語

  Markx_catalog

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第3話 マークXのモデルは合体ロボ

アマチュア天文家の理想望遠鏡を求めて開発会議は継続されました。70年代はアマチュアによる天体写真の揺籃期であり、眼視用はもとより当然のごとく天体写真の撮影に理想的な赤道儀が求められてゆきました。

ある委員から、当時子どもたちに人気のあった合体ロボのような赤道儀ができないだろうか、という意見が出ました。当時の天体望遠鏡は鏡筒と架台が一体化されたものが殆どでしたが、もし赤道儀がばらばらに分解できれば、反射、屈折、カタディオプトリックなどの鏡筒が自由に交換できるようになります。

さらに新しいアイデアも出ました。赤道儀が分解できるということは極軸が単体になることを意味します。実は当時、五藤光学研究所には「ポータブル星野撮影赤道儀」という製品がありました。これはまさに現在で言うポタ赤の原型で、この製品で初めて極軸望遠鏡という概念が生まれたのです。単体の極軸はポタ赤になることを意味しているのです。こうしてカタログの表紙にも採用されたあの分割イラストの概念が完成したのです。(suzu)

画像:上 マークXカタログ 下 ポータブル星野撮影赤道儀の広告