ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

花咲ける騎士道(ジェラール・クラブジック監督)

2007-12-31 | Weblog
ストーリー;大砲が発明されてからルイ15世の仕事は戦争を「鑑賞」すること。プロイセンやイングランドとの戦いが続いていたが、フランス側の軍隊に「端数」がでてしまい、急遽新兵を募集する‥。
出演;ペネロペ・クロス、ヴァンサン・ペレーズ 、エレーヌ・ド・フジェロ
コメント;ペネロペ・クロスがひたすら美しい。洗濯物を干しているシーンなどは日光に輝く女性の笑顔で心も満たされる。「コレリ大尉のマンドリン」ではギリシア人、「バニラ・スカイ」ではスペイン系アメリカ人を演じた彼女はこの映画ではフランス系のジプシーという役割だがフランス語を見事に操る。フランス版時代劇というところで、立ち回りもあれば恋愛もあり、頭を空っぽにしてみるにはちょうどいい感じの映画。ましてペネロペ・クロスの意外な表情も画面で鑑賞できる。これまでみた映画の中では一番輝いているが、西南地域のフランスの日光はやはりハリウッドよりも爽やかなのかもしれないなどとも思った。
 ルイ15世治世のフランスという意外な時代設定でフランスはこの時期に7年戦争に巻き込まれ、植民地を多く失い、絶対王政が崩壊しつつある頃である。ちょうど啓蒙思想が台頭するころだが、市民階級出身でルイ15世から「伯爵夫人」の称号を受けたポンパドゥール夫人も登場する。お城などをたてまくり国費を遣いまくった女性として有名だが、この映画ではちょっと違う側面もみせる。7年戦争はかなり複雑なシステムだが、オーストリア継承戦争の後、マリア・テレジアとフランス(そしてロシア)が組んで、英国やプロイセンと戦った。ただし映画の中では「マリア‥なんとか‥」とぼかされてはいる。おそらくフランス人にはやはりオーストリアに思うところがあるのかもしれない。カツラの様式がちゃんとロココ調になっているので歴史考証もちゃんとされていたりする‥。
それまでブルボン王朝とオーストリアのハプスブルグ王朝とは敵対していただけに外交戦争ともいわれたりする。ただしこの7年戦争はフリードリヒ2世によってプロイセンが勝利することにはなるのだが‥。ブルボン王朝はルイ14世の時代に最盛期をむかえて、その後衰退していきやがてフランス革命の時代となる。ただしルイ14世の孫がスペインのフェリペ5世となるので、ブルボン王朝自体はスペインあるいはイタリア統一前のシチリア、パルマ王国でも続くことは続く。)
映画の中ではおそらくぶどう酒とも思われる液体がよく使用されているが、「アキテーヌ」とは、ボルドーの周辺地。おそらくワインも美味しかろう。さらには映画の中で演奏している楽団はミシシッピからよばれたという設定。1699年にフランスが植民地政策をとり、1763年に英国に割譲された地域で、そのせいか黒人俳優も出演している。ただし啓蒙思想もちゃんとあるので、そのあたりの配慮も若干されている。かなでられる音楽はほとんどパロディだがこの現代的なパロディはやや歴史恋愛映画にはあわない部分もある。

 映画の中で時計が使用されたり、戸籍みたいなものが用意されていることに気づく。そういえば時間という概念はもうこの頃には確かにあったのだ、とも思う。


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