ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

ミリオンダラー・ベイビー(クリント・イーストウッド監督)

2008-01-05 | Weblog
ストーリー;32歳の孤独なウエイトレスは、ある偏屈な、しかし腕の確かなトレーナーにボクシングを教えてくれと頼みに行く‥
出演;クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン
コメント;クリント・イーストウッドは大好きで第1作の「恐怖のメロディ」からほぼ全部みている。この映画もこれまでの多くの作品の一つにすぎないわけだが、正直いってがっかりした部類の作品になる。もっとも観客動員数でも成功した部類の作品だろうし、アカデミー賞の主要4部門を獲得した作品でもある。その意味でのケチをつけようというわけでもない。1992年に同じくアカデミー作品賞を取得した「許されざる者」にはかなり感動したのだが、その直後の「マヂソン郡の橋」をみて呆然とし、最近の作品では「スペース・カウボーイ」や「真夜中のサバナ」「ブラッド」とかなり好調な作品だっただけに、今回の作品は説教的でもあるし、別の意味でのメッセージ性も帯びている作品ではないか‥という疑惑も生まれる。ラストについても賛否両論だろうが、主役についてはかつて「名前のない男」がどうしてうまれてきたのかを推測させるエンディングとはいえるだろう。
 なぜか老境に入ってからのイーストウッドは娘との確執を描く作品が多くなる。「盗聴」でもそうだったが、実の娘とは「真夜中のサバナ」で共演しているから、さほど仲がわるいわけでもなかろう。また実の息子カイル・イーストウッドの名前もエンド・クレジットで確認することができる。
 俳優もうまいし、ドラマとしてもよくできている。演出もすばらしい。しかしもし自分が納得できないことがあるとすれば、アカデミー賞は取得できても、おそらく映画ファンの心は取得できない作品に属するという「疑惑」‥。

 孤独な主人公を描くイーストウッドはあるいは、自らの死をみすえたミッションのようなものを考え出したのかもしれない。宗教色がみられなかった作品の中では珍しくカソリック教会に23年間通う姿を描いている。とはいっても宗教とは一種隔離した距離は置いてはいるが。次回が楽しみではある。ただヒラリー・スワンクの姿は正直言ってイーストウッドの作品ではもう見たくない。

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