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 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

46億年の恋(三池崇史監督)

2008-01-20 | Weblog
キャスト;松田龍平、安藤正信、石橋蓮司
ストーリー;ゲイバーで買われた客に暴行され正当防衛の範囲を超えた暴力をふるったため少年院に入所させられた有吉。一方、別の殺人事件で再び少年院にもどってきた香月。「まったく同じことを繰り返すことはできない」とリアルにいってのける少年院所長の高津。高津には以前、香月に妻を暴行され妻が自殺したという経緯があった…。
コメント;70年代風のロケットが少年院の窓から見える。そこから差してくる光が有吉の胸を射抜く。終始暗い画面の中に、ときおり現れる2005年の東京の街並み。そして電気網にひっかかって焼かれてしまうアニメーションの図柄。農作業も洗濯作業もまったく現実をふまえていない特殊な場面なのにそれが洗濯場なんだ…と納得してしまう三池監督の映像美術。「天国か宇宙か」の二者選択をせまられたとき、香月は「天国」を選んでしまう。「亡霊」が出現するもそれが本物の亡霊であるかどうかはわからない。ただし暴力だけにすがってきて有吉に「何か」が発生し、「天国」とよばれるマヤの遺跡にも似た高い遺跡には登らずに、別の世界へ…。「同じ犯罪は二度とできない」として二度とかえってこない過去の時間。1光年離れた世界からだと1年前の地球が見える。そして100光年離れると100年前の地球が見える。しかし見えてもその場所には帰れない。「救い」がないようで「救い」が見られるのは、映画の中の世界はけっして「他人事」ではないという実感と、通常ならば感情移入できるはずのない空間が画面に映し出されてそのまま画面にひきずられるように自分自身もまた時間を過ごしてしまったことであろうか。

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