ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

ヴィドック(ピトフ監督)

2009-01-26 | Weblog
キャスト:ジェラール・ドパルデュー、ギヨーム・カネ、イヨス・サストレ、アンドレ・デュソリエ、エディット・スコブ

評価:☆☆

コメント:前から見たいみたいと思っていたが、近くのレンタルビデオ店には置いておらず、ブックオフでDVDを発見して購入。一気に見終わる。この映画を見る前から「ヴィドック」という私立探偵の先駆けの存在は知っていたが、ここまで神格化されるほどの知名度がフランスにはあったのだと認識。
 内容はミステリーというよりもSFやホラーに近い内容だが、時代設定が1830年の荒れた雰囲気のパリというだけで、なにか胸騒ぎのするような展開だ。
 映画音楽にさまざまなクラシック音楽が用いられているのにも好感がもてる。ただアクション・シーンはまだ「マトリクス」が公開される前ということもあっていまひとつの迫力だ。もし香港映画からアクションシーンを輸入できていたら、もっと面白い作品になったことだろう。
 1830年パリといえば、ルイ18世、シャルル10世の王政復古政策でフランス一般市民の不満が抑圧されていた時代。ドラクロアの「民衆を導く自由の女神」もこの時期がモデルとなっている。ルイ18世は子供がいなかったのでシャルル10世が即位したわけだが、とにかくやることがむちゃくちゃで、亡命貴族への援助資金を法制度化(つまり一般市民の税金は海外の貴族に報酬として与えられる)や議会解散などの勅令を出そうとする。
 映画の中では警察庁長官とその取り巻きがシャルル10世のその意向を聞いて「あと数時間でパリは武装地帯になる…」と絶句する場面がでてくるが、超王党派のシャルル10世の独断専行ぶりがうかがわれる1シーンになっている。映画の中には「カタコンベ」らしき地下道も現れ、さらにガラス工場、プロシア軍の脅威などもさりげなく描写。サービス満点の「客観的描写」の中でうかびあがる「貧困」があるゆえに成立した謎の「失踪事件」と「連続殺人事件」、そして王政復古で腐敗した貴族の「活動」ぶりが描写されていく…。

ストーリー:武器商人ベルモン、科学者の軍に親しい2人が相次いで「雷」にうたれて事故死。警察庁長官は事件性を感じ、かつては警察で働いていた私立探偵ヴィドックに捜査を依頼。しかしヴィドックもまた謎の「仮面の男」によってガラス工場で命を落としてしまう。ヴィドックから伝記の執筆を依頼された作家はヴィドックの足取りをおい、独自の捜査を始めるが…。

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