ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

フォーガットン(ジョセフ・ルーベン監督)

2008-01-13 | Weblog
ストーリー;1年ほど前に「クエスト航空」で子供が行方不明になった母親。精神科医にカウンセリングを受けつつも、ある日息子サムの写真やビデオがすべて消去されていることに気づく。それどころかサムの存在自体が否定されていくにつれて、次第に巨大な陰謀が仕組まれていることに気づく。ニューヨーク市を舞台に宇宙人やら国家安全保障局やらがいりみだれてその割には予算はあまりかかっていない映画で、記憶消去などをするわりには、壁紙の下に子供の書いた落書きがそのまま残されているなど矛盾やら粗筋の破綻など「突っ込みどころ満載」のSF映画…。
出演;ジュリアン・ムーア、ゲイリー・シニーズ、ドミニク・ウェスト
コメント;「forgotton」‥ 「忘れ去られて…」とかいう意味になるのだろうか。ジュリアン・ムーアが母親役なのだけれど、どうしてもこの人に母親役って無理があるような気がする。女優だからして当然美人なのだけれどナオミ・ワッツが演じればそれだけでいろいろな「もの」が顔で表現できるのに、ジュリアン・ムーアだといろいろな情報を画面やシナリオで付加してあげないと観客もわけがわからないまま映画を見続けなくてはならないということになる。「ハンニバル」でFBI捜査官などをナオミ・ワッツがやるのにはかえって逆にいろいろ不具合が起きるがああしたサイコ・スリラーなど孤独の陰がつきまとう映画になるとジュリアン・ムーアのほうが適任だと思うが、役者がいくらどんな顔でも表現できるとはいっても、子供の「記憶」をめぐるという錯綜したドラマでの母親役にはキャスティングの前提として、母性愛みたいなものと一種の狂気じみた愛情の両方をいかんなく発揮できる女優という基準が必要になると思う。主役のジュリアン・ムーアにはそうした「ヤヌス」の鏡みたいな矛盾した母親の役って顔からして無理ではないかな、というのが率直な印象。
 で、さらに話の途中から国家安全保障局が顔を出してくるのだが…。通称NSAとよばれる国防総省の情報機関で悪名高いCIAとは扱う分野が多少異なる。CIAがスパイなどを用いる情報機関であるのに対してNSAは、電子機器などを用いたシギントとよばれる情報活動が中心。国家予算は意外なことにCIAよりもNSAの方が多額とされているが電子機器の購入などに相当なお金がいるのかもしれない。だからしていきなり車に体当たりして銃をかまえて…というような情報活動はNSAが出てくるとちょっと不可思議な気持ちになる。シギント活動なので盗聴器などの電子機器が当然粗筋の背後にでてくることになるはずだが…。ただ別にもうおそらくは「宇宙人」と思しき超自然的な存在まで持ち出されると記憶だろうがなんだろうがすべて消去可能なので粗筋としてはほとんど全部破綻しており、楽しめるのはジュリアン・ムーアの精神炸裂状態にある中で冷静な判断力を維持するというキワモノ演技のみということになる。ドミニク・ウェストは「モナリザ・スマイル」に続いて2枚目どころの役回りなのだが、どうしてもこの胡散臭さが気になっていまひとつ役回りに感情の入れ込みができない。「あっち」ではこういうのがいい男になるのだろうか。

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