ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

カンパニーマン(ビンチェンゾ)

2007-12-05 | Weblog
ストーリー;「南太平洋」のガイドブックを取り出され検査される場面から始まる。産業スパイとして脳検査を受け試験にパスした男は、ミッション未定のまま飛行機に乗る‥
出演 ;ジェレミー・ノーザム, ルーシー・リュー ,ナイジェル
コメント;監督はあの「CUBE」の人。出だしの白と黒のコンストラクトが強い演出は、「未来世紀ブラジル」を連想させる。話の中身はとあるデジタルデータファイルが一つ。ディスクの受け渡しが鍵となるが、出てくる機械装置は、すべてアナログに演出されているところが面白い。テリー・ギリアムの影響が強く、演出には明らかにヒチコック的要素も入ってきている。「何も知らない男」というコンセプトは「めまい」にも似ているが、ヒチコックがブロンドの美女が対象だったのに対して、この映画では中国系アメリカ人であるルーシー・リューが謎の周辺に出入りする。脚本自体はかなり細密に計算されており、本、タバコ、飲み物の種類、メガネといった小道具が効果的に演出されている。最後はメガネをはずすのでもなくつけるのでもなく、サングラスに変貌するが、そのときこそ映画の最後の秘密が明かされるということになる。
 プレゼン会場のバーでルーシー・リューとジェレミー・ノーザムがはじめて会話をする場面があるが、そのときの会話がはじめて生きてくる瞬間でもある。なぜルーシーは婚約指輪にこだわったのか、その理由も最後には明らか。話の構築も見事だし、大人の会話も最後は生きてくるというところでは脚本は最高。また演出もデータハウスの階段やとてつもないヘリコプターの曲線的な飛行が艶かしさすら感じさせて最高だ。

 ジェレミー・ノーザムは英国俳優だがハリウッド映画にもたまにでてくる。「アミスタッド」ではカソリック信者でもある若き裁判官、「ゴスフォード・パーク」ではイギリスの貴族階級の腐敗を演じるハリウッドスターを演じ、映画中でピアノと歌も披露している(全部ではないが一部は自分自身でピアノも演奏したようだ)。また「エニグマ」では、諜報機関の将校の役を不気味に演じきり、この映画では微妙なさじ加減で三役とそのハザマを生める演技を披露した。ある意味では「エンゼル・ハート」的な演出もあり、それをジェレミー・ノーザムが抑えた演技の使い分けで巧みに演じきったともいえる。ただし相手役のルーシー・リューがいまひとつ。いまどき顔に整形を施さないのは評価できなくはないが、やっぱり相当なブスの部類ではないか。「チャーリーズ・エンジェル」でもよくわからない動きをしていたが、「キル・ビル」でも得たいのしれない中国系日本人を演じてしらーっとなり、この映画では「謎の美女」という設定のようだが、そもそもアップにすると顔の造作が相当につらい上、ハイヒールなしのところでは身長がそれほどないことや足の短さが画面に展開されてつらい。ひとえに脇役が充実しているだけに、もう少し別の女優を起用してほしかったのが難点。ただし十分楽しめる映画だし、大人向け娯楽映画としてそれなりのできばえ。キッチュをめざした特撮はやはり個人的には相当好きだなー

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