ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

GIA(マイケル・クリストファー監督)

2007-12-29 | Weblog
ストーリー;1970年代後半から1980年代前半に「ヴォーグ」などの表紙を飾ったトップモデル「ジア・ギャランティ」(GIA)の「天国」と「地獄」、そしてそれを乗り越えた後、「戻る」プロセスを描いたもの。切ない。主役のアンジョリーナ・ジョリーはゴールデン・グローブ主演女優賞を受賞。助演のフェイ・ダナウェイもゴールデン・グローブ賞をこの映画で受賞している。
出演;アンジョリーナ・ジョリー、エリザベス・ミッチェル、マーセデス・ルール
コメント;単なる「成功」と「挫折」にしては(実際の話だけに)切なすぎる。すでにテレビでも放映されている映画ではあるが一部過激な部分もあるのでカットされている可能性が高い。もともとこの手の話では「フィラデルフィア」などがあるが、イデオロギー性が強すぎて観客が引くときもある。この映画は1980年代という時代性もあり、まだ「成功」「失敗」「挫折」がある程度クリアに認識されていたころ。ドラッグ、セックス、同性愛といった話は今ではある程度普遍性もあるが時代を考えると当時26歳のジアが抱え込んでいた「もの」は重く深い。
 

 エイズについての知識も当時はあまり普遍的ではなかっただろうから、当時のジアが最後におかれた状況は想像を絶するものがあるだろう。ただし現実は理想よりも重く苦しい。そのハザマがこの映画ではメッセージ性を強くもって描かれてはいる。ただしそうしたメッセージはもともと「映画」の領域ではないので、アンジョリーナ・ジョリーにとってはあまりプラスに働くことはなかったのかもしれない。ジョリーは1975年生まれなのでまだ29歳。ジアと同様に美貌と演技の才能に恵まれたとんでもない俳優がこの世に存在する。フェイ・ダナウェイやマーセデス・ルールといった大女優にはさまれながらもその輝きが失われないのはそのgiftを感じさせる。当然これからもさまざまな映画で彼女は活躍するのだろう。この映画で彼女の裸身がどうこうというのはどうでもいいことではある。
「現実と自分を切り離して考える」というジアは「しかし自分はどこに置けばいいのだろう」とつぶやき、ドラッグの世界に自分を置くことを選択された。「愛」というものに飢えていた彼女は、男性に対しても一種「不信」を持っていたのかもしれない。弱くても負けても受け入れてくれる場所。実はお金をどう稼ごうとそれはたいしたことではなく、虚像ではない自然なままな自分を受け入れてくれる場所がジアは欲しかっただけなのかもしれない。それはおそらくファッションの世界ではなく、むしろ病気にかかったときに「大学で勉強する‥」といった一言が現れているのかもしれない。重い映画だが(そしてまたそういう映画は実は好きではないが)見て損をする映画ではない。すごい。

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