ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

ミュンヘン(スティーブン・スピルバーグ監督)

2008-01-16 | Weblog
ストーリー;ミュンヘン・オリンピックでパレスチナゲリラ「黒い9月」に対して報復行動を行うモサド。顔が割れていない地味な活動家を選出して、全員モサドを脱退させ、首謀者11人をリストアップ。その報復に望むが、4人の暗殺者たちは自分たちの行動に次第に疑問を持ち始めると同時に、首謀者の暗殺の後にさらに若く、しかも過激なリーダーが現れてくることに恐怖と疑問をいだきはじめる。そしてパレスチナ・ゲリラの報復も同時に進行していき…。
出演;エリック・バナ、ジェフリー・ラッシュ、ダニエル・クレイグ
コメント;南北冷戦の時代から地域間紛争へと時代が変化しつつある中で、一貫して地域紛争を継続しているイスラエルとアラブ地域。「ドキュメンタリーではない」「暴力は暴力」「理解するには共感しなければならない」といったかなり長い断り書きのあとから「ミュンヘン」が始まる。アメリカはもともと親イスラエル政策をとっており、しかも監督自身がユダヤ人であるという微妙な状況のもとで、イスラエルのモサドの活動を描写したこの映画はかなり「政治的な議論」を巻き起こすことは覚悟の上だったと思われる。1972年当時の西ドイツでパレスチナゲリラがイスラエル選手の宿舎を攻撃。宿舎で二人を殺害したあと警察と銃撃戦となり、人質にとられたイスラエルの選手全員が殺害された。映画はこのミュンヘン・オリンピック事件のあと、あくまで「仮想」としてこの事件を起こした「黒い9月」の首謀者11人をリストアップ。モサドの工作員たちの悩みなどを描く。この映画の最中に「ルドルフ・アイヒマン」(元ナチスの将校で戦後アルゼンチンに逃亡していたがモサドによりイスラエルに拉致、後日死刑となる)や「キブツ」といった当時の時代の様相が地味に描写されていく。正直、映画としての出来は失敗だと思った。特に爆弾シーンや回想シーンなどは同様の演出を北野武監督がやっているが、北野監督の演出のほうがはるかに上であろう。見ていてしかも楽しい映画でもないのだが、アカデミー賞候補になった最大の理由は「これまで誰も手がけてこなかったジャンルに挑戦した勇気」に対して、ということだと思う。おそらく実際にこのようなモサドの活動や暗殺行動が行われた可能性は高いが、それと同じくモサドの工作員たちがユダヤ教の教義と自分たちの行為について悩むということもありえたとは思う…。
 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿