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ナチス怒涛の侵略(フランク・キャプラ監督)

2012-05-06 | Weblog
コメント:「素晴らしき哉、人生」「毒薬と老嬢」のフランク・キャプラ監督による一種のプロパガンダ映画。とはいえ、アニメーションや実写フィルムを織り交ぜたその手法はやはりフランク・キャプラ監督ならではのもの。よく歴史の教科書に「マジノ線」というフランスがしいていた防御ラインについて言及があるが、その構造はこの映画をみて初めて知った。またなぜドイツがオランダ、ベルギーそしてノルウェーに侵攻したのかその理由も地図で図解されている。リトアニアの在外交官だった杉原千畝氏が日本のシンドラーとして諸外国ならびに国内でも評価が高いが、なぜそれではドイツがバルト三国とよばれたリトアニアに侵攻したのかその理由までは言及している歴史の教科書は少ない。大英帝国を東側から空爆するためにもスカンジナビア半島に拠点を作る必要があったためだが、第二次世界大戦開始直後のドイツ陸軍の動きは確かに才気あふれるもの。電撃的にフランスなどに侵攻していくその手腕は見事だったが、すでにこのDVDでもうっすら予想がつく展開ではあるが、侵攻はできても治安を維持するのは難しい戦法だった。
 プロパガンダとはいえ、ノルウェーに対する侵攻やデンマークやオランダ、ベルギーなどへの侵攻は不可侵条約などを無視したかなり豪腕の侵略だ。連合国側にはかなり甘い内容となっているが、少なくとも中立を維持しようとしていた国々への侵略の様子はかなりひどい。ポーランドをソビエト連邦と分割統治した歴史も、かつてオーストリアやプロイセンがそうだったごとくポーランド民族にはわすれがたい歴史だろう。とはいえそこまでひどい歴史を刻みつつもEUという壮大な試みが現在なされているところに欧州各国の未来への意気込みを感じる。ギリシアやイタリア、スペインといった国々の財政赤字の問題などはこうした歴史の流れのなかでは大きな問題ではないような気がする。


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