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豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

喫煙が老化を促進するメカニズム

2015-10-25 08:30:32 | 研究
喫煙習慣が血中の老化関連分子に影響を与えるという研究結果が、Scientific Reportsに発表されたそうです(財経新聞)。喫煙が様々な疾患や健康障害の危険因子であることは広く知られており、禁煙を推進することは疾病予防の観点から極めて重要であると考えられています。実際、喫煙者の平均寿命は非喫煙者と比較すると10年以上短く、喫煙は老化を促進する一因と言われいますが、喫煙によって老化が促進される詳細な機序についてはこれまで明らかになっていなかったそうです。今回の研究により、喫煙者群では、メタボリックシンドロームになると上昇する線維芽細胞増殖因子「FGF-21」、老化遺伝子として知られている「αクロトー」、関節リウマチや感染症などの疾患で血中濃度が上昇する「インターロイキン」が、非喫煙者群に比べ有意に高値であることが明らかになったそうです。FGF-21は、代謝関連サイトカインとして知られるアディポネクチンと負の相関を持ち、喫煙者でFGF-21が上昇していたことは代謝異常を示唆していると考えられるそうです。一方で、αクロトーは非喫煙者群においてIL-6と正の相関を示したが、喫煙者群ではその相関は認められなかったそうです。αクロトーは抗炎症作用を持つと過去に報告されており、喫煙者でαクロトーとIL-6の相関性がなかったことは、αクロトーの抗炎症作用が喫煙ストレスによって減弱化されている可能性が考えられるそうです。
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