認知症の中でも最も症例が多いアルツハイマー病の患者の脳に、真菌の痕跡を発見したとする研究結果が、Scientific Reportsに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。アルツハイマー病患者11人の遺体の全てで、脳組織と脳血管に「数種類の真菌種」の細胞や関連物質が確認されたそうです。一方、これらは、アルツハイマー病にかかっていない対照群には認めなかったというのです。1か月前のNatureに掲載された別の研究結果では、アルツハイマー病の「種」が外科手術によって誤って患者から別の患者へと移植されてしまう危険性も指摘されていたそうです。また、研究者の中には、アルツハイマー病が伝染病なのではないか、あるいは、少なくとも特定の細菌への感染が発症リスクを高めているのではないか、との説を唱える者もいるそうです。これまでの研究で、ウイルスや細菌に由来する遺伝物質がアルツハイマー病患者の脳内で発見されており、ヘルペスや肺炎を引き起こすウイルスが、アルツハイマー病の「病原体」である可能性が示唆されていたそうです。
アルツハイマー病の「主病因」はこれまで、粘着性タンパク質の蓄積によって形成される脳の「アミロイド斑(プラーク)」とされてきたが、プラークを標的とする薬剤の試験は、期待はずれの結果に終わっているそうです。今回の研究結果は、アルツハイマー病の考えられる原因のリストに、新たな仮説を追加するものとのこと。数種類の真菌の痕跡が発見されたことは、アルツハイマー病の臨床症状の進行と重症度が患者によって異なることを説明できるかもしれないということです。一方で研究チームは、真菌感染症がアルツハイマー病の原因ではなく、アルツハイマー病によって免疫力が低下したり、食生活や衛生環境が変化したりした結果である可能性もあるとしています。
アルツハイマー病の「主病因」はこれまで、粘着性タンパク質の蓄積によって形成される脳の「アミロイド斑(プラーク)」とされてきたが、プラークを標的とする薬剤の試験は、期待はずれの結果に終わっているそうです。今回の研究結果は、アルツハイマー病の考えられる原因のリストに、新たな仮説を追加するものとのこと。数種類の真菌の痕跡が発見されたことは、アルツハイマー病の臨床症状の進行と重症度が患者によって異なることを説明できるかもしれないということです。一方で研究チームは、真菌感染症がアルツハイマー病の原因ではなく、アルツハイマー病によって免疫力が低下したり、食生活や衛生環境が変化したりした結果である可能性もあるとしています。