AO入試。アドミッション・オフィス入試。出願者自身の人物像を学校側の求める学生像であるアドミッション・ポリシーと照らし合わせて合否を決める入試方法。AO入試では、筆記テストでは測りきれない学生の可能性を、書類審査や面接で探ります。多くの大学でAO入試は導入されています。しかし、学力を問わないために、学生の学力低下に拍車がかかった、早く合格した生徒が周囲の受験に悪影響を及ぼす、など様々な弊害が指摘されています(YOMIURI ONLINE)。そのため、AO入試枠を削減したり、撤廃するケースも見られるようです。こうした指摘を受けて文部科学省は、AO受験者の学力把握などを求める通知を大学側に出したそうです。しかし、大学によってはAO入試による学生が成績優秀であるというケースも。それは、3年前にAO入試を導入したお茶の水女子大学だそうです。AO入試の倍率は10倍前後で、一般入試の3倍以上だそうです。書類審査を経て10月下旬に2日間にわたって行われる2次試験は、同大で講義を受けたうえで、受験生同士で議論して論文にまとめ、さらに面接に臨む内容ということです。1~3年の各学年のAO入学者に体験談を聞くと、一様に「過酷でした」と答えるそうです。講義のテーマは「個」「時間」などと抽象的で難しく、それをもとに意見交換、論文執筆と続く濃密な時間を通して、「大学で何が求められているかわかった」と言う感想を述べているようです。2年生も「ここで何を学ぶか定まった」、3年生は「試験の経験が就活にも生きている」などなど。お茶の水女子大学によると、AO入試の合格者は例外なくよく勉強し、成績優秀ということです。ひょっとしたら、AO入試をどう行うかにかかっているのではないかもしれませんね。いかに大学側が工夫するか。もう簡単によい学生を獲得することはできない時代です。
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