スタチンを使用した者と使用していない者の筋骨格疾患罹患率を比較した研究で、スタチンを使用した場合には様々な筋骨格疾患リスクが上昇することがわかったそうです(QLife Pro)。スタチンが関連している有害事象として報告されているイベントには、筋痛や筋力低下、筋痙攣、横紋筋融解症などがあります。その一方で、スタチンの抗炎症作用は骨関節炎患者に対して利益をもたらすと考えることもあるそうです。そこで、スタチンを使用することによって、関節障害や外傷などを含めた筋骨格系イベントの発生に関係するのかどうかということを明らかにするために、米国軍人と退役軍人、その家族の医療情報を利用しながら研究を行ったそうです。San Antonio地域の軍人とその家族が加入する医療保険の加入者の中で、30~85歳でベースラインの期間とその後の追跡期間の両方で1回は受診しており、ベースライン期間に1回以上薬剤の処方を受けている患者の中で、90日以上のスタチン処方があった患者と、処方がなかった患者を選び出したそうです。
ベースラインの患者特性を利用して、両方の患者に対する傾向スコアマッチングを行うことにより、スコアがマッチする患者を比較。条件を満たしたのは4万6249人で、1万3626人がスタチン使用、3万2623人が非使用であったそうです。ベースラインの患者特性を変数にして、傾向スコアがマッチする患者を使用と非使用から選び、それぞれマッチする患者を同定したそうです。その結果、筋骨格疾患の発生リスクは使用した側が高かったというもの。サブグループの解析では、ベースラインで筋骨格疾患がなかった患者や、スタチンの使用期間が2年以上の患者を選んで比較したが、いずれも使用群のリスク上昇だったそうです。スタチンによる骨格筋細胞への影響が問題なのでしょうか。
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