昨夜から、嵐のような風が吹き、叩き付けるような激しい雨が降り続いた。
もう春一番とは言わないし、夏一番というのも聞いたことがないが、この嵐は確かに夏一番であった。
午後遅くになってパタリと風は止み、雨も上がった。
ふむ・・・
こんな時は、釣りに出よう。
ふと、そう思った。なんだか予感めいたものがあった。
怪物に出会えるのではないか、と。
晩飯後、遅い時間に出かけた。
9時過ぎ、先ずはこのところご無沙汰のポイント「イージーテトラ」から始める。
ここは今年の始め尺が二匹釣れたが、その時海は釣りが難しいほど荒れていた。
あれほどの嵐の後である。あの時のような荒れを期待したが、
1メートル弱、少々波立った凪ぎといったところだった。
しかし、ともあれ投げてみる。
尺ヘッドDにビームスティックを付け、まずは底をスローに引いてみる。
数投目、左テトラ際を通していると、ガツときた。
合わせた途端ドラグがどんどん出る。
あらっ!! ドラグを締めるのを忘れていた。慌てて締める。
ドラグを締めている間、根に潜ったようで引いても動かない。
で、テンションを緩め、少し間を置き、ゆっくりと上げるように引くと重さが着いて来た。
うまくいった。案外の重さ、一気に寄せる。
おっと、28センチ。このポイントでは上出来サイズだ。
案外いいのかも知れないと気分は一気に上昇するのであったが、
その後、さっぱり。
折角の尺ヘッドDだからと、ワインドでやってみるがうんともすんともである。
今のところ、ワインドの効果が実感出来ない。
そのアタリのなさは、魚は釣れたやつしかいなかったのでは、と思われるくらいであった。
勿論、小さいやつは時々掛かるのであるが。
早々に諦め、怪物を狙って本命ポイントへ。
先ずは定番の釣り座。
風は緩やかな追い風、悪くない。
波は1メートル。荒れ気味の凪である。
活性がなくはないのだが、
でかくて23センチ。
前回、取り逃がした大物が食いついた底も狙ってみるが、アタリすらなかった。
この荒れではこんなものかと早々に諦め
さて、新ポイントのテトラへと移動。
釣り座に立って下を見ると、やはり高いなあと思う。でも高いからこそ広範囲を攻められるし、障害物もあまり気にならないという利点もある。
下の海はそう荒れてはいないが、何かいい雰囲気があった。海面がソワソワというか、ザワザワと囁き合っているようで、こちらも胸騒ぎがするのであった。
風は緩い向かい風。飛ばしウキをキャストするに殆ど問題のない風だった。
ここで怪物を狙うために用意した飛ばしウキリグをセットする。
ラインはラパラマルチゲーム0.6号14ポンド、リーダーを3号にし、ジグヘッドはカルティバ、クロスヘッド2gに以前買って使わなかったガルプのブラックバス用ワーム3インチ(8センチ)を付けた。
まずは正面に投げてみる。思った通りしっかり飛んで放物線を描いて下の海面に落ちてゆく。ゆっくり、ほんのゆっくり引いて来る。くるか・・・・・・・
いや、こなかった。
暫く方向を変えやってみるがアタリなし。
で、ジグヘッドとワームを変えてみる。少し小さいやつに。
自作ジグヘッドサイズ2にガルプジギンググラブ2インチ6センチ。テールのクルリと曲がったやつだ。
正面少し左には沈み根が数カ所かたまってあるのだが、根がかり覚悟でそのラインを通してみる。
と、がっつん、と引ったくった。
15メートルをグングン巻き上げる。
23センチ。小さい。
そして次のキャスト。
また来た。
引き寄せ、巻き上げる。
巻き上げにかかると、その重さがよく分かる。
途中、テトラにどでん、どでんと引っ掛かりながら上がって来るのであるが、それにしても重かった。
落ちるなよと祈りながら、えんや、えんやと巻き上げる。
上がって来たやつは思った通りでかかった。
どでんとしたやつだった。
早速、バッグからメジャーを出して測ってみる。
テトラの上で暴れる魚を計測するのは難しい作業である。
足元は丸い曲面であるし、下手すると魚は滑り落ちてしまう。
魚を左手で押さえ、右手でメジャーを添えるのである。
勿論、写真を撮る余裕はなかった。
尺であった。30センチをほんの僅か超えていた。
ジグヘッドを見ると重さに耐えかねたのか伸びていた。
この高さを暴れながら上がって来たのである。無理もない。
思った通り、ここには大物がいた。
しかし、狙っているのはそのレベルではない。もっと強烈な引き、重さ、怪物だ。
次のキャストも続いてヒットした。
24センチ。
その次も。
26センチ。
もう入れ食いであった。
そしてその次。
こいつも重かった。
再び、メジャーを出して計測、29センチ。
先程の尺より幾分小さいものの、全体は体高が高くてこいつの方が形はよかった。
しかし、その次のキャスト、ロッドを振り抜いた瞬間、ラインが切れてルアーは闇に消えちまった。
おそらく、ガイドにラインが絡んだままキャストしたのだろう。
しかし、入れ食いである。ここで釣りを止めるわけにはいかない。
怪物への期待はまだ膨らんだままである。
ラインを組み直し、リグを作り直し、再びキャストを始めた。
しかし、
先程の入れ食い活気は何処へやら、忽然とアタリは消えてしまった。
たった数分しか経っていないというのに。
何者かにばっさりと切り捨てられたかのような理不尽さであり、すでに祭りの後であった。
諦めきれずヒットポイントをしつこくやっても時々当って来るのはフグばかり。
一発でちょん切られるワーム。ああ、勿体ない。
あっ、と思う。
フグなのだ。
そういえば、フグがうろつくポイントでこれまでメバルが釣れたことがない。
フグたちがやって来て海面を支配すると、メバルたちはフグと争ってまでワームに食いつこうとはしないのだ。
極めて遠慮深い、奥ゆかしい性格なんである。
特に、デカメバルともなれば奥ゆかしく用心深い性格故に長生き出来たのである。
ならばと、プラグを投げてみるが、もうメバルたちは引っ込んだまま出て来ようとはしなかった。
諦めた。残念無念。魚がそこにいるのは分かっているのだが、
フグたちはワームが美味かったのか、そこを去る気配がなかった。
平らな場所に戻り、一応計測写真を撮っておこうと改めて尺を測った。
ところが、である。
既に口を開いて堅くなった尺は僅かに尺に届かないのであった。
うっひゃ~~!!!
死後硬直で縮んだのか、見間違いだったのか、
こういうのを「後泣き尺」というのだろうか。
まあ、いいではないか、大した問題じゃない、うむ・・・・
と自分にいい聞かせながら車へと向かったのだった。
釣り始めはどんよりと重く真っ暗な空だったが帰りはすっかり晴れ上がり、頭上には夏の大三角が煌めいていた。
怪物には出会えなかったが、
いつか、きっと。
である。
もう春一番とは言わないし、夏一番というのも聞いたことがないが、この嵐は確かに夏一番であった。
午後遅くになってパタリと風は止み、雨も上がった。
ふむ・・・
こんな時は、釣りに出よう。
ふと、そう思った。なんだか予感めいたものがあった。
怪物に出会えるのではないか、と。
晩飯後、遅い時間に出かけた。
9時過ぎ、先ずはこのところご無沙汰のポイント「イージーテトラ」から始める。
ここは今年の始め尺が二匹釣れたが、その時海は釣りが難しいほど荒れていた。
あれほどの嵐の後である。あの時のような荒れを期待したが、
1メートル弱、少々波立った凪ぎといったところだった。
しかし、ともあれ投げてみる。
尺ヘッドDにビームスティックを付け、まずは底をスローに引いてみる。
数投目、左テトラ際を通していると、ガツときた。
合わせた途端ドラグがどんどん出る。
あらっ!! ドラグを締めるのを忘れていた。慌てて締める。
ドラグを締めている間、根に潜ったようで引いても動かない。
で、テンションを緩め、少し間を置き、ゆっくりと上げるように引くと重さが着いて来た。
うまくいった。案外の重さ、一気に寄せる。
おっと、28センチ。このポイントでは上出来サイズだ。
案外いいのかも知れないと気分は一気に上昇するのであったが、
その後、さっぱり。
折角の尺ヘッドDだからと、ワインドでやってみるがうんともすんともである。
今のところ、ワインドの効果が実感出来ない。
そのアタリのなさは、魚は釣れたやつしかいなかったのでは、と思われるくらいであった。
勿論、小さいやつは時々掛かるのであるが。
早々に諦め、怪物を狙って本命ポイントへ。
先ずは定番の釣り座。
風は緩やかな追い風、悪くない。
波は1メートル。荒れ気味の凪である。
活性がなくはないのだが、
でかくて23センチ。
前回、取り逃がした大物が食いついた底も狙ってみるが、アタリすらなかった。
この荒れではこんなものかと早々に諦め
さて、新ポイントのテトラへと移動。
釣り座に立って下を見ると、やはり高いなあと思う。でも高いからこそ広範囲を攻められるし、障害物もあまり気にならないという利点もある。
下の海はそう荒れてはいないが、何かいい雰囲気があった。海面がソワソワというか、ザワザワと囁き合っているようで、こちらも胸騒ぎがするのであった。
風は緩い向かい風。飛ばしウキをキャストするに殆ど問題のない風だった。
ここで怪物を狙うために用意した飛ばしウキリグをセットする。
ラインはラパラマルチゲーム0.6号14ポンド、リーダーを3号にし、ジグヘッドはカルティバ、クロスヘッド2gに以前買って使わなかったガルプのブラックバス用ワーム3インチ(8センチ)を付けた。
まずは正面に投げてみる。思った通りしっかり飛んで放物線を描いて下の海面に落ちてゆく。ゆっくり、ほんのゆっくり引いて来る。くるか・・・・・・・
いや、こなかった。
暫く方向を変えやってみるがアタリなし。
で、ジグヘッドとワームを変えてみる。少し小さいやつに。
自作ジグヘッドサイズ2にガルプジギンググラブ2インチ6センチ。テールのクルリと曲がったやつだ。
正面少し左には沈み根が数カ所かたまってあるのだが、根がかり覚悟でそのラインを通してみる。
と、がっつん、と引ったくった。
15メートルをグングン巻き上げる。
23センチ。小さい。
そして次のキャスト。
また来た。
引き寄せ、巻き上げる。
巻き上げにかかると、その重さがよく分かる。
途中、テトラにどでん、どでんと引っ掛かりながら上がって来るのであるが、それにしても重かった。
落ちるなよと祈りながら、えんや、えんやと巻き上げる。
上がって来たやつは思った通りでかかった。
どでんとしたやつだった。
早速、バッグからメジャーを出して測ってみる。
テトラの上で暴れる魚を計測するのは難しい作業である。
足元は丸い曲面であるし、下手すると魚は滑り落ちてしまう。
魚を左手で押さえ、右手でメジャーを添えるのである。
勿論、写真を撮る余裕はなかった。
尺であった。30センチをほんの僅か超えていた。
ジグヘッドを見ると重さに耐えかねたのか伸びていた。
この高さを暴れながら上がって来たのである。無理もない。
思った通り、ここには大物がいた。
しかし、狙っているのはそのレベルではない。もっと強烈な引き、重さ、怪物だ。
次のキャストも続いてヒットした。
24センチ。
その次も。
26センチ。
もう入れ食いであった。
そしてその次。
こいつも重かった。
再び、メジャーを出して計測、29センチ。
先程の尺より幾分小さいものの、全体は体高が高くてこいつの方が形はよかった。
しかし、その次のキャスト、ロッドを振り抜いた瞬間、ラインが切れてルアーは闇に消えちまった。
おそらく、ガイドにラインが絡んだままキャストしたのだろう。
しかし、入れ食いである。ここで釣りを止めるわけにはいかない。
怪物への期待はまだ膨らんだままである。
ラインを組み直し、リグを作り直し、再びキャストを始めた。
しかし、
先程の入れ食い活気は何処へやら、忽然とアタリは消えてしまった。
たった数分しか経っていないというのに。
何者かにばっさりと切り捨てられたかのような理不尽さであり、すでに祭りの後であった。
諦めきれずヒットポイントをしつこくやっても時々当って来るのはフグばかり。
一発でちょん切られるワーム。ああ、勿体ない。
あっ、と思う。
フグなのだ。
そういえば、フグがうろつくポイントでこれまでメバルが釣れたことがない。
フグたちがやって来て海面を支配すると、メバルたちはフグと争ってまでワームに食いつこうとはしないのだ。
極めて遠慮深い、奥ゆかしい性格なんである。
特に、デカメバルともなれば奥ゆかしく用心深い性格故に長生き出来たのである。
ならばと、プラグを投げてみるが、もうメバルたちは引っ込んだまま出て来ようとはしなかった。
諦めた。残念無念。魚がそこにいるのは分かっているのだが、
フグたちはワームが美味かったのか、そこを去る気配がなかった。
平らな場所に戻り、一応計測写真を撮っておこうと改めて尺を測った。
ところが、である。
既に口を開いて堅くなった尺は僅かに尺に届かないのであった。
うっひゃ~~!!!
死後硬直で縮んだのか、見間違いだったのか、
こういうのを「後泣き尺」というのだろうか。
まあ、いいではないか、大した問題じゃない、うむ・・・・
と自分にいい聞かせながら車へと向かったのだった。
釣り始めはどんよりと重く真っ暗な空だったが帰りはすっかり晴れ上がり、頭上には夏の大三角が煌めいていた。
怪物には出会えなかったが、
いつか、きっと。
である。
個人的にシーズンのメバル君は終了しましたが・・・
まだオカッパリでいけそうですね(*^_^*)
キジハタ君にチェンジしましたがメバル行こうかな(*^_^*)?
名前、ほめて貰ってありがとうございます。
怪物釣りに、やはり行ったんですね。
梅雨メバルの引きは、強くてヤミツキになりますね。
私も週末は出かけようと思います。
ブヨにボコボコに、やられながらも釣るって病気ですね。ブヨ対策どうしてますか?
小生はオカッパリだけでやっています。
まだいけます。
キジハタ釣れますか?高岡の方ですか?
一度同行してみたいですね。
梅雨メバルというんですね。
もともと磯のやつは引きが強いですね。
元気がよくて嬉しくなります。
猛烈な引きで怪物と妄想しているわけですが、
案外、そうでもないかもしれませんね。
うっは。
でもその妄想が楽しいと思っています。
なんか恋愛に似ていますね。
こちらは気温が低いせいか、まだブヨは大したことありません。
それに、山の中で暮らしているので日常的に蚊やブヨは飛んでいます。まあ、基本的に慣れているわけです。
しかし、ひどい時は虫除けを使います。気持ち悪いのでなるべく使いませんが。
リーリングしている途中、ぷーんと飛んで来て手の甲なんかに止まられると困りますね。途中で中断出来ませんからね。
中断して虫を殺すか、そのまま刺されながらリーリングするか、大いに迷うところでありますが、小生の場合、大抵後者になります。
だから、仕方なく使うわけです。
確かに虫除けは利きますよ。
当たり前で答えになっていないですね。
ぼくは尺あったて信じてますよ! ホント縮みますよね。生きてるうちに写真をとればとよく後悔してます。
ウエダーを履いて磯を徘徊している姿想像出来ます。
小生もそのスタイルで春のゴロタのスズキを狙っていました。
メバルはまだそのスタイルでやったことありませんが、スズキ釣りでそのスタイルに少し慣れて来たので、そのうちやってみようと思っています。
シャローのメバル、まだ奥能登でやっている人はあまりいないので開発出来るポイントは沢山あると思われます。
実は小生も昨夜行ってきました。
まだ釣れるのかな?これで最後かなと思って行くわけですが、まだ釣れるようです。
28センチがふたつ釣れました。
で、こうなったらいつまで釣れるのか?
それを確かめたくもあり粘ってやってみようと思っています。
尺のことはねえ~~。
個人的には概ね29センチを超えれば尺と言っていいのではないかと思っています。
でも実際計測すると3ミリ足らなくても尺ではないわけです。
でも魚の体は丸いし、正確に計ることは難しい。ましてその正確な写真を撮ることは角度もあって、さらに難しいと思います。
だからあくまでも写真も目安だと思っています。
つまり、サイズのことは基本的に自分の問題だと思っています。
自分は何センチだと思い、それを聞いた人はそれを信じる。その世界のことだと。
でも、デカイのが釣れたら、面倒臭くてもその場で写真を撮っておいた方がいいですね。
まずは自分のために。