永遠に、幸せになりたい。    by gorosuke

真夜中、いいおっさんが独り海に向かって延々と竿を振る。
アホだな。でもこのアホ、幸せなんだよなあ。

しぐれてゆくか 再び

2012-02-08 | メバル
2月6日、気温が緩み降り続いていた雪が雨になった。
ということは波も落ちる。1メートルだという。

2月は半ば諦めていたが、俄然釣りへの熱情が蘇る。
晩飯後、降りしきる小雨の中、呆れ顔の連れ合いを尻目に出かけた。

なんだ、雨くらい
である。

前回と同じ、怪物を狙えるポイントである。
久しぶりの釣りにワクワクするのであったが、
2月の釣り、やはり渋かった。

キャストを始めて30分、やっと小さいの。
22センチ。



いないわけでもなさそうだ。

が、いるわけでもなさそうだった。
どこをどうやっても反応なし。


あまりの渋さにフロートリグを諦め、ヤケクソ半分プラグを投げてみた。
ブルースコードC60。思い切りのフルキャスト。
表層にいそうにないので、カウント15でゆっくりと引く。

と、食いついた。


23センチ。

小さいが、久しぶりのブルースコードでのヒット。

で、その次も。
こいつはデカメバルの引きと重さ。


26センチ。

暫く間を置いて


ヤリイカだった。うっはー。

その後も乗らないがバイトはあった。

今日はプラグのパターンか、
と思いきや、

沈黙。


前回のメバルの胃からアミ(小エビ)が出てきたのを思い出し、
ジグヘッドケースの中にあった自作のカブラをフロートリグに付けて投げてみた。


(錆びていたが、なんとか使えそうだった。)

すると、すぐに食いついた。



24センチ。

次も、


23センチ。

その後も続き、4連ちゃん。

やはり、アミパターンだったか、よし!
と、心沸き立つが


また沈黙。


再び、ワームに戻り、プラグをやり、カブラもやってみるが、この沈黙は深く大きかった。

小雨は時折大粒になって防寒ジャケットの背中でパラパラと音を立てた。


移動した。

高いテトラへ。
雨に濡れたテトラ、滑って落ちたらオシマイだ。
慎重の二乗で釣り座につく。

水面からの高さはゆうに10メートル。
ルアーを回収するに途中突き出したテトラが邪魔をする。
極めて釣りにくいポイント。
ライントラブルやルアーのロストは覚悟しなければならない。
一般の感覚ではここで釣りをしようと誰も思わないだろう。
だからこそ怪物と出会える可能性は高い。

PEスペシャル93はまさにこんな釣りのためのロッドだ。
まずはフロートリグ、12グラムのスーパーボールにカブラを付け浮き根周りを狙ってみる。過去、ヒット率の一番高いエリアだ。

風は緩い追い風だし、海は適当に荒れて悪くなかった。

しかし、事件は起こらない。

カブラをジグヘッド+ベビィサーディンに替えてみる。

ここは前方に細長い磯が斜めに横たわっており、テトラとV字を形作っている。
そのV字の一番奥を狙ってキャストする。
この方向は障害物が多くできることなら避けたいところだが、幸い風向きが良くトラブルにはならないようだった。

その一投目、きた!!

乗った!でかい!!
こいつを待っていた。

根に潜られないようゴリ巻く。
薄暗い海面、魚の躍動が白い筋となって10メートル下の足元に近づいて来る。
この方向は抜き上げの途中、必ず宙空に突き出したテトラに擦ってしまう。
躊躇していたらそこで落としてしまう。
一気に巻き上げ、抜き上げるしかなかった。

いっちにのさん!!
ロッドを跳ね上げ高速で巻き上げる、
魚の全重量がロッドに掛かる。

しかし、案の定、魚体がテトラに当った瞬間抜けちまった。

おそらく、口の横にフッキングしたものと思える。
ここでは、特に大型は上顎にしっかりフッキングさせないかぎりランディングは難しい。

気落ちはしなかった。
でかいのがいることが分かったからだ。
雨に濡れそぼった心は再び活気を取り戻した。

しかし、その活気も虚しく空振り。
1時間半ひたすらでかいのを狙ったが、25センチ一匹。




防水の筈の防寒ジャケットもじんわりと雨が浸透し、グローブもグチョグチョになっていた。
前回のような凍り付く寒さではないが、すでに指先の感覚が鈍く力が入らない。


依然止む気配のない雨の中を車へと向かった。


しかし、メバルというやつ、分からない。
プラグに食いついたかと思えば、カブラになり、最後はワームにしか反応がなかった。
こんなにもクルクルと変わっちまうのだ。


帰って26センチの胃の中を見ると、こんなやつ。

5~6センチの小さな魚、おそらく波の花。
プラグに食いついたわけだ。
他のやつの胃は空っぽだった。