永遠に、幸せになりたい。    by gorosuke

真夜中、いいおっさんが独り海に向かって延々と竿を振る。
アホだな。でもこのアホ、幸せなんだよなあ。

2月はな・・・

2011-02-09 | メバル
一月の後半、雪が降った。
どっと降った。
ピーク時、積雪1.85メートル。
もう釣りどころではなかった。
雪掻きや雪下ろしが続いたが、雪は美しく、これぞ冬、を堪能した。






2月に入り雪も小休止、パタリと止んで気温も上がって来た。
海も大人しくなった。

そろそろ絵本作りのラフスケッチに入らないといけない時期だが、しかし、
その前に・・・・・釣りである。うっは。


2月2日。

目指すポイントは一ヶ月前に尺が釣れたテトラである。
胸は期待に膨らんだ。果たしてまだでかいやつはいるのか?

いなかった・・・・・。

連日4~5メートルだった波は突然ベタ凪になっていた。

釣れないことはないが、



たまに手応えのあるやつが掛かるが、あげてみると20センチちょい。






そのうち、それらしいのが一匹。25センチ。




その後はどうにもならない。

帰った。


例年2月は釣れない。
産卵が終わって深い岩陰で休んでいるのだろう。
特にでかいやつは姿を消すようだ。
尺を狙うのは3月に入ってからだ。


2月4日。

とはいっても、いい天気である。
波1.5メートル、追い風。気温4度。
そう聞くと、出かけずにはいられない。身体が行ってしまうのだ。

これまでと場所を大きく変えてみる。
輪島方面、磯の中の小さな漁港。
ここはでかいのは期待出来ないが、ほんのたまに尺クラスが掛かったりする。
いつだったか、師匠つーさんと尺をひとつづつ釣り上げたことがあった。
それを期待した。

しかし、こいつである。
ふむ・・・



しかし、波や風の様子がとてもいい。粘ることに。


一時間後、飛ばしウキで思い切り遠くを狙ってみる。
単体ジグヘッドでは決して届かないエリア。
表層は反応がなかったが、底を狙うと反応があった。

合わせると乗った。
遠くから引き寄せる。手応えの割には小さかった。

23センチ。




同じところにフルキャスト。
カウントダウン20。思い切り底である。

またアタリ。ココンと。
合わせる。
今度はデカメバルの引きだった。

26センチ。




おお、このパターンか。
いい感じ。
よし、これからが釣りだ。

と、魚をバケツに入れようと後ろのテトラに移動すると、
波間にプカプカ浮かぶワームケースが目に入った。
よく見るとなんと自分のケースだった。

慌ててロッドの尻で引っ掛けなんとか回収。ふう。
そこでハッと気が付いた。
そのケースはバッグの中に入れておいたはず、
バッグは背後のテトラの上に置いておいた、口は開いたままだった・・・

その場所を見ると、無情にもバッグの姿はなかった。

あんりゃりゃ!!まさか・・・・参った。

まじまじとシンケンに海の底やテトラの周囲を捜すが、ついに見当たらない。

要するにテトラの背は丸い。滑って落ちたのだ。そして海に沈み波に何処かへ運ばれた。
沈む途中、開いた口からワームケースだけが浮かび上がった。
そう考えるしかなかった。

波は1.5メートル、潮騒で落ちた音もかき消されたのだろう。全く気が付かなかった。
バッグが沈んだのだから、落ちて随分時間が経ったのだろう。
魚をバケツに入れに背後に移動しているのに気が付かなかったのだ。
嗚呼!!なんとしたことか。

プラグケースにはぎっしりと気に入りのプラグが・・・・
それだけじゃない。仕掛けや道具など、ありとあらゆる状況に対応出来るように詰め込んであったのだ。

暫し、呆然。

一瞬、潜って捜してやろうか、と思ったが、真冬である。そこまでの根性はなかった。

でも、考えてみればこれは小生の癖である。
何かに集中すると周囲のものが見えなくなる。とこれまでさんざん言われて来た。
昨年暮れにはスズキ用のプラグケースを波にさらわれたし、いつだったかエギケースもだ。玉網なんか3つもロストした。
なんか自慢しているみたいだな。

しかし・・・・
気を取り直して釣り再開。

22~3センチを数匹釣った後、根掛かり、それしかなかったジグヘッドをロスト。
で、終わるしかなかった。

家に帰り着いて、とりあえず釣りをするに必要なものを常日頃お世話になっているネットショップ、アングラーズサライに注文し、釣りの体制を作り直した。
これまでああだこうだと揃えたルアーや道具を一度に無くすのは経済的にも精神的にも痛いことだが、新しい体制を作るというのは悪くはない。
これまでのやり方をいろいろ考え直すいいチャンスだ。

ルアーや道具を身から離さないというのは鉄則だが、沢山入った重いバッグを背負ったままというのは難がある。
いろんな状況を考えると、あれもこれもということになるが、これまでの現場の経験から、ほぼ使うことのないものは省いて身軽にし常に身から離さない。
これを心がけようではないか。



必要最小限の体制が整い、また釣りが出来るようになったのは6日だった。

バッグは使わなくなっていた大きめのやつで間に合わせることに。
ルアーもその他の道具も厳選してなるべく少なくした。
背負ってみるとちょっと古いタイプだが悪くはないし、なにより以前より随分と軽くなった。


さて、気分一新、再スタートである。

と、再び尺メバルのテトラへ向かった。

2月は釣れにくいが、波2~1.5メートル。追い風3メートル。夜の気温3度。
この時期には滅多にない好条件だった。

ポイントに立ち海を見ると尺が釣れた状況に似ていた。
ひょっとすると・・・・

まずは6センチ、7グラムのプラグで様子を見る。

反応なし。

で、尺が釣れたパターン、フローティングの飛ばしウキでサラシの表層を狙ってみる。

反応なし。


その後、シンキング飛ばしウキで底から中層を狙ってみるとぼつぼつ当たって来た。
20センチ前後。釣れなくはないらしい。









そのうち、やっとそれらしいのが。
26センチ。



そして25センチ。



アタリはあるのだが、引き寄せる途中バレてしまうことが多い。
食いが浅いらしい。


水平線の空が真っ黒になり、遠くで稲光。

気にせず釣りを続けていたが、雷さんは近づいて来て、閃光とともに鋭い雷鳴。
そして激しい雨。あっという間にびしょぬれ。
すかさずリールを巻き上げて車に逃げ込んだ。

小生は雷は苦手なんである。
能登に引っ越して来て、ここの冬の雪雷様の凄まじさに圧倒され苦手になっちまった。美しいがコワイ!!
確率としては無視してもいい数字なのだろうが、なんだか自分に向かって来るような予感がある。
小生に落ちれば100パーセントなのである。
基本的に確率は信用しない。

でもここで帰る気はしなかった。
もう少し。

30分ほど車でうとうとしたか、いつの間にか雨は上がっている。
外に出ると、雲の間から星がボンヤリと輝いていた。カシオペアのひとつだろう。


釣り再開。
11時だった。
釣り座を変える。
31センチが釣れた馴染みの釣り座だ。

しかし、ここも渋かった。

これまででかいのが掛かったポイントを狙うが駄目であった。

爆釣時は特別の大物はまず来ない。

ぼつぼつの状況で、突然そいつはやって来る。

そう思って粘るが、やはり22~3センチがぼつぼつであった。






帰ろうと思うと釣れ、また帰ろうとすると釣れる。
そんな帰るに帰れない状況であったが、その後、突然の大物どころか、さっぱりアタリは途絶えてしまった。
雨もまた降り出した。時計を見ると2時だった。

もう限界だろう。

終わってみれば8時間やっていたのである。
釣りの時間は速い。
あっという間に数時間は経っちまうのだ。

たっぷりの釣りであった。

時間の割には貧果である。
でも、メバルの煮付けはうまいんだ。




ところで、釣りの間、バッグは背負ったままだった。
軽くなったせいか思ったほどの負担ではなく、仕掛けを変えるときなど前に回してロッドホルダーにロッドを差して両手が使えたりして存外楽で便利なのであった。
要はバッグを背負うという感覚に慣れることだと気が付いた。





そして、8日。(昨夜)

気になるポイントがあった。

メバル釣りを始めた頃よく通った漁港である。
突堤の先にはオレンジの灯りが周囲を柔らかく照らし出しとても雰囲気がある。
昨秋はここでイカを沢山釣ったし、スズキも釣った。
しかし、メバルはいつしか小さいのしか釣れなくなってしまった。
大好きな場所なんだが、いつの間にか足は遠のいてしまった。

無性にそこへ行きたかった。
釣れなくても一度は行っておかねば、と思わせる場所なんである。

予報を見ると明日から再び寒波が来るようで、海も荒れると言う。

今日を置いてはいつ釣りに出られるか分からない。


先ずは先日バッグをロストしたポイントへ寄ってみた。
その時は釣りを中断されたので、その続きである。

先ずはジグヘッド単体で近くを探ってみる。
ここは足元ではデカイのは来ない。
そう思うが一応。

で、やっぱりな。



しかし、もう少し。

すると、



うっは!!ちっちゃいクロソイ君であった。
でもれっきとした今期初ソイである。

で、飛ばしウキ、シンキングをセットし中断の続き。遠くの底を狙う。

前回の活気はないものの、







いずれも20~23センチサイズ。

このポイントは正面遠くの底でしか反応がない。



そのうち、このサイズでさえ掛からなくなった。


移動。


目的の漁港へ。

この時期、午後9時ともなれば誰一人いない。
気温0度。風が沁みて手もかじかむ。こんな夜に釣りをするなんて気違いと思うだろうな。うっひゃ~~。

釣り座のテトラに立ってみるとじんわりと懐かしい。
過去、何度となく立った釣り座である。
寒いが心はほんのりと温かかった。

で、キャスト開始。
さて、どうか。
過去、ここで釣った最大は27センチだが、そんなやつが来るかもしれない。

と、第一投で元気のいいアタリ、来た!!

うっは、こいつだった。やっぱりな。



アタリは頻繁だった。

でも釣れるのは20センチに満たない。

そのうち、



先程のソイ君よりは大きいが、18センチ。
そうだ、ここはソイのポイントでもあった。
過去30センチ前後をよく釣ったな。

単体ジグヘッドでも飛ばしウキでも変わりはしない。
頻繁に当たって来る。

釣れるのは15センチ前後。大きくて18センチ。
まあ、合わせるタイミングの練習にはなるし、
それに、小さくても精一杯の魚の躍動が伝わって来る。
これもまた楽しいのだ。


こんなに小さいやつでも、ガツンと食いついて来る。



よく見ると小さくても立派なメバルなんである。
その美しいこと可愛いこと。




でも、帰ることにした。
手もかじかんできたことだし。


最後の一投、ちょっとは大きい引きを期待した。
小生の場合、後ろ髪の最後の一投でデカイのが掛かることがよくあるのだ。

ココン、と来た!!
合わせる。
乗った。

しかし、

上がって来たのは、



やっぱりな。うっはっは。



海沿いの帰り道を飛ばしながら、なんだか心は満ち足りていた。
時計を見ると11時だった。

時折タヌキが道を横切って走る。
釣りからの帰り道、よく動物たちを見かける。
タヌキにキツネ、イタチやテン、アナグマに出会うこともあるし、フクロウも見かける。
彼らに出会うとなんだか嬉しい。



さて、2月のメバル釣りはひとまず収まった感じ。


明日から絵本作りにかかろう。
先ずは骨格作り、ラフスケッチだ。
なんといっても魚の絵本なのだ。
秋出版の予定。

うまくいくか・・・・



その夜はぐっすりと眠った。


虚弱な野良猫の子だったアーサーも元気である。