永遠に、幸せになりたい。    by gorosuke

真夜中、いいおっさんが独り海に向かって延々と竿を振る。
アホだな。でもこのアホ、幸せなんだよなあ。

この1センチ。          6月2日

2009-06-04 | メバル
それから三日後の夜である。

今年は未だ一匹の尺も釣り上げられないでいるが、せめて一度ぐらいはその顔を拝んでみたい。

今年は釣れない年だと思っていたが、案外そうでもないのかもしれない。

三日前の感触が尾を引いて
釣れる予感が身体を渦巻いていた。

メガメバルが釣れるキーワードのひとつは「適当な荒れ」である。
凪で釣れたことはなかったが、前回そのことがさらに鮮明になった。

波予報を見ると1メートルから1.5メートルであった。
月は半月を越え、さらに丸くなっている。
そして、快晴である。

本命ポイントでやってみよう。
尺にお目にかかれるかもしれない・・・・


本命ポイントに向かう途中、車から見える海の様子は予報とは違って凪いでいた。
月もすでに昇っているはずだが、分厚い雲に覆われその姿はなかった。
予報とはこんなもんである。

月のない本命ポイントはまず釣れない。
で、まずボウズ逃れの磯で様子をみることに。

前回と同じ釣り座に立ち、まったりと静まり返った海にキャストしてみるが、
三日前のあの目くるめく活況は夢幻だったのか、さっぱりアタリはなかった。

あちらこちら場所を変え探ってみるが、やはり同じこと。
魚がいる気配さえなかった。

小生は粘るのが得意ではあるが、こんな状況では粘りようもない。

さて、どうするか・・・・時間はたっぷりあった。

見上げると、薄曇りにぼんやりお月さんが西の空に傾いていた。

ここまできたんだからやはり本命ポイントへ行ってみるか、
あそこは周りが凪ぎでもサラシができていたりするもんな。

しかし、本命ポイントも同じような海であった。
これまで魚の食いついてきたラインとポイントを思い出しながら
丹念に探ってみるが、15センチほどの小メバル数匹のみ、でかいアタリはなかった。

やはり粘る気はせず帰ることに。

今年に入って、ここででかいのが釣れない。
これまで尺を何匹も釣りあげたポイントである。
今日こそはと思って来てみたが、またしても駄目であった。

今月末は奈良ギャラリー夢雲での展覧会である。
仕事に追われ、もう来れないかもしれぬ。
とすれば、そのまま今年はもうシーズンオフとなる。
このまま終わるのか、と思うと寂しいではないか。

今日は釣れない日である。
気分さっぱりと帰り道を急いだ。

ボウズ逃れの磯を通り過ぎ、そのうちイージーテトラに差し掛かった。
月は既に沈んでいた。ここは道路の常夜灯がほんのりと海を照らすので月がない方がいい。
ちょいとやってみるか。
どうせ釣れないだろうが、時間も余力もあった。

ところが、である。一投目から魚信があるではないか。
テトラ際のライン、ココン!!とくる。
でも乗らない。

そのまま引き続けると、二度、三度、小さく当たってくる、
で、四度目のコココ・・・・で一瞬引くのを止めると、食いついた。
案外の強い引き。
テトラの下に潜ろうとするのをロッドを海側に突き出し、強引に引き出す。
途中テトラの根に引っかかるがうまくいった。

前回、抜き上げて掴んだところで魚が暴れ落下することが数度あったので
柄の短い玉網を使った。海面に届かないので抜き上げ玉網の中に落とすのだ。

27センチだった。

そういえば、前回の一投目も同じだった。同じところで同じ27センチ。
ここは左手テトラ際、近いところにこのサイズがいるのだ。



その後、俄然ワンキャストワンヒットになった。
ラインは同じ左テトラ際である。

時々バレるが、24センチ、23センチ、23センチと続き



テトラと少し離れたところ底付近で一際重いやつが掛かった。

重くて一瞬、メバルじゃないかも、と思った。
魚が反転するたびに堅く締めたドラグがジィー、ジィーと引き出される。
でかいぞ!!
胸が鳴った。
水面を割って姿を現したそいつはまぎれもなく尺クラスだった。
近くに置いた玉網を左手に持った。
その瞬間だった。
魚は左右に激しく首を振り、外れちまったのだ。
あんら~~~~、腰が抜けちまった。

ジグヘッドを見ると強いはずのデコイのフックがぐんなり伸びていた。

堅いロッドは弾きやすいが、それは食いつくときだけの話ではない。
玉網を取るわずかな間、水面にステイさせることになるが、
ラインテンションの緩んだステイが激しく暴れる余裕を作り、
堅いロッドは魚の動きを十分に吸収できず、フックアウトしてしまう。
玉網を使わず、一気に抜きあげた方がよかったのかもしれない。

しかし、驚いた。
ここは確かにいいサイズが安定して釣れてはいたが、
まさか、こんなやつがいようとは・・・・・

1匹いたということは、まだいるかもしれない。
回遊してくる群れの一塊は大体同じサイズで構成されているのだ。
気を取り直し、キャストを続けた。

ところが、その後23センチが2匹続いた後、アタリは急に遠ざかり、掛かるのは藻ばかり。
と、気がついた。
前回もその前も、釣っているといつのまにか藻の塊が集まり、絡んで来た。
生えている藻ではない。浮いて流れているやつだ。
ということは、ここは周囲の流れが集まるところなのだ。
ということは、小魚が集まり、寄るところ・・・ということになる。
ここは思いのほかいいポイントなのではないか。

粘ること30分。

すると・・・

正面の底、近いところで藻に掛かったような、でも違う、合わせると生体反応、強烈に走った。
バレたやつと同じような引き、同じようにドラグが鳴った。
でもちょっと軽いか。
今度は慎重に海面で暴れるのを竿でいなしながら玉網を取り
一気に抜き上げ玉網の中へ。
フックはしっかりと上顎を貫いていた
尺かも・・・・・
心は踊った。



で、計ってみると・・・・
29センチ。
あんら~~・・・・
また1センチ足らん。

たかが1センチ。
だが、これがなかなか越えられない1センチであり
釣り師を泣かす1センチなんである。

前回のボウズ逃れの磯、今回のイージーテトラと
確かに尺クラスが存在したのである。

これまで、尺を狙えるポイントは限られていたが、
条件とタイミングさえよければ、
案外、他にもまだまだあるに違いない。
そのことは嬉しい発見だった。

しかし、尺メバル。

まだ諦めた訳じゃないぞ。

メガメバルは6月一杯は釣れるのだ。

ふふふ、まだ時間はあるんである。

でも、仕事がなあ~~~。




釣果は29センチ、27センチ、24センチ、23センチ4匹、計7匹。





ロッド:ブリーデン.グラマーロックフィッシュTR83deep(初期タイプ)
ライン:ラパラ、チタニウムブレイド0.4号  リーダー:フロロ2.5号
ジグヘッド:デコイ、マジックミニ2.5g、ロックマジック2.5g、がまかつミニフットボール2.6g
ワーム:ガルプ、ベビィサーディン、自作デカワーム(ベビィサーディンの枠)
プラグ;ブルースコードC60、自作プラグ(おーい!!メバル60)
プラグでもやってみたが全く反応なし。