永遠に、幸せになりたい。    by gorosuke

真夜中、いいおっさんが独り海に向かって延々と竿を振る。
アホだな。でもこのアホ、幸せなんだよなあ。

イカの海

2011-10-06 | アオリイカ
10月4日、朝早くからぷらりと出かけた。

昨夜の雨が少し残ってはいたが、西の空は明るかった。

予定のポイントは風が悪く波が強過ぎた。潮も濁っている。
二投して諦め、移動する。

海沿いの道を走りながらこの状況で釣りが出来そうなポイントを探した。

能登外浦の、とあるテトラ。

ここも荒れ気味だったが、湾なので最初のポイントほどではなかった。
1~1.5メートルの波というところ。
時折やって来る大きなうねりがテトラにぶち当り、飛沫がかかる程度。
風はうまい具合に追い風であった。

先客は二人いたが、うまいぐあいに先端の釣り座は空いていた。
釣り座は宙空に斜めに突き出したテトラなので慎重な人は行かないのだろうな。


少し濁りがあるのでオレンジカラー3.5号エギを正面にフルキャスト。風に乗ってよく飛び、遠くのうねっている波に着水する。
この海悪くない。なんだか活気がありワクワクするものがあった。

ボトムの少し上、深層を狙う。
およそ30数えて二段しゃくり。そして適当に軽い連続ダート。フォール。またしゃくる。
その繰り返し。決まったパターンはない。
ただ深層をキープすることだけを心がける。

入れ食いとはいかないものの、釣りはじめからいい調子で釣れ続けた。
続けて掛かったかと思えば暫く間があき、また釣れる、という調子。








頭の中でカウントしてはしゃくり、またしゃくる。
そのうちカウントしなくても身体がリズムを覚えやっている。





まんべんなく掛かるのだが、みんな15センチ前後。20センチを超えるやつが来ない。

今年の特徴は釣れる場所と釣れない場所がハッキリしていること。全般に小さいが稀に予想だにしない大物が釣れたりもするということらしい。
どうやらこのポイント、ぴたりストライクのようだった。
こうなったら数にこだわってみようか。
食って美味いのはこのサイズなのだ。

目の前には美しい海。水平線は緩やかな弧を描き、そのうえに可愛い綿雲がたなびいている。何も考えることはない。この景色をただ見つめ、竿を振る。
身体の隅々に海と風と秋の陽光がしみ込むようだ。




イカの乗り方にはいろいろある。

まずはよくある、しゃくった瞬間ガツンと掛かるやつ。
これは掛けたのではなく、掛かったのだな。
下手すると身切れするので、大きく鋭くしゃくる時はタンと軽くしゃくっておいて大きくしゃくることにしている。



次に、フォール時、引ったくるように持って行くやつ。
こいつはなかなか乗せられないが、乗ったら触腕一本に掛かっている場合が多い。
だから、掛かった場合、そうっとゆっくりと引いて来る。



その次にフォール中、ぐっと重さが乗って来る時。
こいつはしっかりフッキングしている。



またフォール中、そうっと触っているのが分かる時。
やがてやつはエギを少し引っぱる。ラインを少し出してやり、ワンテンポ間を作って合わせるとぐっと重さが乗る。
これはしっかり掛けたのだ。この乗り方が一番楽しい。



エギが足元まで来ても、気を許してはいけない。
足元にいるやつは小さいやつが多いが、沖からエギを追っかけて来たやつもいる。
エギをギリギリ見えるところまで上げておいて、暫くその周りに大きいやつが追っかけて来ていないか確かめる。
そんなやつはエギが岸に近づくと慌てるように寄って来て抱きつくことが多い。




今回はラインに注視した。
日中などラインが見える時、ラインの動きでアタリをとる。
師匠つーさんの得意技だ。こいつを会得すると釣果が倍違うと彼は言うのだが、これがなかなかに会得し難し。
なにせ、波があり風があるのだ。寄せ波引き波でラインはふけたり引っぱられたり、風で膨らんでよく分からない。

しかしだ、じっと見ていると確かにそういったラインの動きとは違う動き方をするときがある。
違和感のあるフケ方、引っぱられ方、それがアタリである。
特に、フケる時、よく見ていないと見逃してしまうが、こいつはイカがしっかり抱きついているのでまずはバレない。
一二度そのアタリで掛けたが、それで掛けるとなんだか嬉しい。当り!!って感じだ。




イカたちは美しい。何度見ても見飽きない。形、模様、同じやつはいない。丸くてでっかい目。
釣り上げるとエンペラを前後にバタバタと動かし、そのうち水をブシューと噴く。思いっきりだ。
水ならいいが、墨も噴く。顔も衣服も現代アートだ。
ともあれイカたちは活き活きと躍動するんである。

嗚呼、なんと楽しいことか。


日が高くなるに釣れて風向きが変わって来た。右からの横風。
俄然釣りにくくなってきた。

釣れる間隔も長くなって来る。



しかし、粘る。
粘るのが私の得意技。




我慢をして粘るのではない。
気分がいいし楽しいから、知らず長くなる。


気がつくとベルトに付けていた小さなバッグが見当たらない。
何かやっているうちに外れ海に落ちたらしい。
道具を海に落とすのも私の得意技だ。
リーダーとハサミ、スナップが入っていた。
根掛かりでエギをロストし、どうすることもできず終わりにした。

日は頭上にあり、いい時間になっていた。
6時間はテトラの先っちょに立っていたことになる。
いい年こいて何やってんだ、と思うがしかたない。
海に出るとついこうなっちまうんである。


久しぶり、クーラーボックスはずんと重く、テトラを渡るのが危うかった。

大して釣れない日が多いが、

こんな日もある。





帰って数えたら40だった。最大は17センチ。




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4 コメント

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Unknown (たかゆき)
2011-10-06 21:00:42
我慢じゃなくて楽しいから自然と長くなる。 わかります! ぼくも釣りをしているといつの間にか時間が経ってます。 とても楽しい時間ですね。

40杯はスゴイですよ。爽快な写真です。
俄然やる気が出てきました!!
週末行きたいと思うんでよかったらまた日記読んでやってください。
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たかゆきさん (ゴロスケ)
2011-10-07 00:51:05
ほんとにね、気がつけば5時間くらい経っています。あっという間ですね。
時間というのは不思議です。
時計が刻むのではなく、自分の中から流れ出るものだと思っています。一瞬だったり、永遠だったり、延びたり縮んだりするんですね。

今年は数が少ないと聞きますが、場所とタイミングでこんなこともあります。

週末頑張ってください。

小生も明日娘が帰って来るので釣り立ての美味い刺身を食わせてやろうと出かけるつもりです。
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Unknown (kazuhiko)
2011-10-07 10:24:35
40杯!!


すごいですね~。

僕も昨日お昼に2時間ほど行ってみました。
釣れると思ってませんでしたが、まさかの初20センチが釣れました。

1杯だけでしたが。


一度時間を作って能登に行ってみたいと思ってますので、その時はよろしくです!
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kazuhikoさん (ゴロスケ)
2011-10-07 18:24:30
数釣れましたが、こんなことは滅多にありません。場が良かったんです。

それにデカイのは釣れませんでした。

kazuhikoさんの20センチは価値があります。
小生はまだお目にかかれません。

是非一度おいで下さい。
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