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永遠に、幸せになりたい。    by gorosuke

真夜中、いいおっさんが独り海に向かって延々と竿を振る。
アホだな。でもこのアホ、幸せなんだよなあ。

おお!!ボウズ逃れの磯よ!!       5月30日

2009-05-31 | メバル
昨日、遅ればせながらブログを書いて、心もすっきり。
さて版画仕事にかかろうとイメージを探っていた。
一月前からイメージは数々浮かんではいるが、具体的な入り口が見つからない。
なにか新たなきらりと光るもの。

ふむ・・・・・。

と、何気に久しぶりにレオンさんのブログを覗いてみる。
めばるingだ。

ふと目に止まったのは単体ジグヘッドでのメソッド。
カーブフォール、底でのカーブフォールの連続、ほっとけメソッド、いろいろある。

小生もはじめは師匠つーさんに教わり単体ジグヘッドから始めたのであるが
その後、次第に飛ばしウキやスプリットリグを多用することになり、今ではそれが自分のスタイルになっている。
尺メバルに出会った場所が自然にそうさせたのであるが、なにがなんでもルアーを遠くへ飛ばしたいという小生の変な好みと言うか、押さえきれない欲求もあった。

本命尺メバルポイントは足場が高く、いつも荒れていて風も強い。
でかいやつが掛かるのも、近くより遠くだった。
小磯やテトラを間に挟んで、その向こうを狙うことも多い。
ジグヘッド単体が有利な状況は少なかった。

がしかし、その本命ポイントは今年釣れない。

釣れないことが新しいポイントへと心を向かわせた。

このところ通いはじめたイージーテトラとボウズ逃れの磯。
ここは考えてみれば、飛ばしウキより単体ジグヘッドだ。
イージテトラは灯りの届く範囲の近いところででかいやつが食いついてくる。
ボウズ逃れの磯は遠くでも掛かるが、あちらこちら足元近くの深い磯際がポイントとなる。

うむ、単体ジグヘッド・・・・・

カーブフォールや底あたりでのリフトアンドカーブフォール、ほっとけメソッドは飛ばしウキでもできないことはない。
飛ばしウキは引けば浮き、止めれば沈む。リフトアンドフォールは案外簡単だ。
でも、手に直接的である単体ジグヘッドはまた微妙なところが違うのだろうし、
それに、つーさんの一点シェイク、こいつは飛ばしウキではできない。
なんだか面白そうである。

な~んて考えていると、

晩飯後、ウエスタンカンファレンス決勝レイカーズ対ナゲッツの第6戦、レイカーズが勝つだろうことを見届けて、出かけたのであった。

イースタンではキャバリアーズが思わぬ苦戦しているが、なんとか逆転勝ち残って、ファイナルでコービー・ブライアントとレブロン・ジェームスの戦いを是非見たいもんである。

イージテトラの釣り座に立ったのは9時、潮が下がり始めたところ。
雨がぽつぽつと落ち始めていた。

ジグヘッドはデコイ2.5グラム、ガルプベビィサーディン、チャートを付けて先ずは左テトラ際のラインを。ロッドはブリーデン、83ディープ。

第一投だった。
底まで落とし、ソロソロ引いていると、根掛かりのような・・・思い切り合わせると乗った。
重い!!テトラの根に潜られないようロッドを海側へ突き出し、ぐんぐん巻いた。
足元まで寄ると暴れ飛沫が飛んだ。
慎重に抜き上げる。元気のいい立派な魚体だった。
27センチ、文句なしのメガメバル。
勿論、ここでは最大である。



続いて同じライン。
同じ辺りでまた食いついた。
24センチ。



で、またヒット。
が、寄せる途中でバレてしまう。

次、引き寄せ、抜き上げて握ったとたん、暴れて落下、そのままリリース。
こいつは25センチくらいだったな。

次も、また落下。フックの掛かりが浅いのだ。

しかし、今夜は爆釣の雰囲気じゃないか。しかも前回の爆釣よりサイズがでかい。
雨が本降りになりそうだが、ここでやめるわけにはいかない。
車に戻り、カッパを着込み、車の中にあった短い玉網をもって再び釣り座へ。

同じラインを通す。
テトラ際の遠いところで食いついてきた。
手応え十分だったが、寄せる途中、何かに引っかかるような感じで抜けてしまった。
また、同じライン、またかかる。
やはり重く、今度こそと思って巻くのであるが、やはり同じところ、同じように抜けてしまう。
おそらくテトラの根かなにかの障害物があり、そこに引っかかりバラしてしまうようだ。

それならと、障害物の向こうへ場所を変え、やってみることに。
しかし、そこからではかからない。
近くからだとルアーの動く角度や深さが変わるのかもしれない。

確かに魚はいるのだし、と、いろいろやってみる。
潜んでいそうなところへ落とし、ほっとけメソッド。しかし、食いつかない。
つーさんの一点シェイクも駄目である。(ヘタクソなんだろうな)

で、元の釣り座へ戻り、キャストを続けるが、アタリは次第に遠いた。
前回使ってみて効果のあった、ベビィサーディンがくっ付いている枠と言うか、太いところを半分に切って作ったデカワームでやってみると、ぼちぼち乗ったが、どれも25センチを超えなかった。




(ワームの突起のところに正規のベビィサーディンがくっ付いている。)




イージーテトラのアタリは爆釣的だったが、その割に釣果は大したことない。
とにかく、バラシが多かった。
食いが浅いのか、掛け方がヘタクソなのか、ロッドのこともあるのだろう。

ディープ83は堅いロッドである。
軽いし、感度は抜群であるが、反面弾いてバレやすい。
でも、感度がいいのはやはりいいんである。
第一、振って使って気分がいい。
魚のアタリはいうまでもなく、底の様子もわかりやすく、根掛かりを回避しやすい。
少々の藻なんか平気なんである。
バラシやすいのは腕でカバーできる。今のところ腕が悪いのだ。

ジグヘッド単体。
イージテトラはそんなに深くない。深いところで3~4メートル。
カーブフォールも底でのリフトアンドカーブフォールもほっとけメソッドもやってはみたが、
結局一番当たったのは底をソロソロ引くことであった。
もう少し深いところで試してみたいところだ。

12時を過ぎ、車に戻った。雨ガッパは濡れてしょぼしょぼになっているし、雨はさらに強くなっているようで、大きい雨粒がウインドウをしたたかに叩いていた。
帰ろうか・・・・・
しかし、なんだか終われない気分。もう少し。

ともかく、ボウズ逃れの磯に行ってみるだけ行ってみようと。


イージーテトラではそう感じなかったが
ボウズ逃れの磯は予想外に荒れていた。
雨も雨だが風も強そうだ。

どうするか・・・

せっかく来たのだから、一、二投だけして帰ろう。

と、降りしきる雨の中、磯に向かったのだが、
その夜の釣りは実はここからが本番だった。

集落の灯りが届く範囲の一番先の磯に立つと、波は1.5メートル、時折磯を駆け上がり膝までかぶり、磯にぶち当たった飛沫が身体にかかった。
さらに左斜めからの向かい風が強く、雨と一緒になってカッパを叩いた。
一瞬、逃げ帰ろうかと思ったが

ともかく一、二投。

集落の明かりがぼんやり照らす海面は左前方であるが、この向かい風にジグヘッド単体は意味をなさない。
濡れそぼったバッグを開けて、ハッサク君制作15グラムの飛ばしウキを付け、その先に例のガルプ自家製デカワームを付けて、風に向かって弾道低くフルキャストした。

どれほど飛んだかわからなかったが、とにかく、5つカウントダウン、波とうねりの中そっと引いてくる。
こんなんじゃ釣れんだろうなあ~と思いながら。

ところが、10メートルくらいのところで、ゴゴンと来た!!重いアタリである。
合わせると乗った!!
うっひゃ~、かかったあ~!!
リールを巻く。重い!!
ディープ83がグングンとしなる。
近くまで寄ってきたところでライトを付ける。
明かりの中、海面にその姿が浮き上がった。
磯に引きずり上げる。
おお!!でかいではないか。
28センチだった。



で、第二投、またヒット!!
抜き上げる。
26センチ。



第三投、やはりヒット!!
27センチ。



第四投、ヒット。
が、ズルッと抜ける。

第五投、当たるが乗らない。

その後が続かなかった。
アタリはぱったりと消えた。

写真なんか撮らずにどんどんキャストするべきだったか。

強風と波、どんなラインでルアーが来るのか、見当がつかない。
そのうち根掛かり、飛ばしウキをロストする。

予備の飛ばしウキを取り出しまた装着。キャストするが一投目で再び、ロストしてしまう。

また、装着し直す。雨でラインがうまく結べない。心は焦る。もどかしい。

雨はさらに激しくなり、すでに軽いカッパは役に立たなくなっているようだった。
時折でかい波が岩の上に置いたバッグと魚バケツを押し流そうとする。
左足の長靴の中はもう水浸しになっていた。


がしかし、帰る気はしなかった。

ほんと久しぶりのメガメバルであったし、
ひょっとしてここで尺が釣れるかもしれない。
帰るわけにはいかなかった。

気を取り直し、キャスト再開。
でも、アタリはない。

さっきの連中はどこへいったのか?

あちらこちら方向を変えて投げるもやはりアタリなし。

で、これまで当たったことがないうえに根掛かりしやすい右側の暗い方へ向かって投げてみた。
右の磯の根はテーブル状になっていて、ガクンと深くなっている。
その根の際を通してみた。
が、左からの強烈な風に流されうまくいかない。根掛かりするが、なんとか回収。
風を計算して、ずいぶん左にキャスト、ゆっくり引くと、沈みながらカーブを描いてちょうどテーブルの下あたりに入ったようだった。

そっと引く。根掛かりするなよ。
と、グンと当たった。
根掛かりか・・・・ゆっくり合わせると魚体の重さを感じ、さらに合わせる。
乗った!!
重い!!
根に入ろうとする。
引き剥がす。
バレるなよ。

魚体が水面を割った。

いっちにの、さん!!で磯の上に引きづりあげた。
おお!!
でかい!!
その魚体の迫力よ。



ひょっとして尺かもしれない・・・

が、計る余裕がなかった。

直ぐに次のキャストを続けた。

が、大きいアタリはもうなかった。

22~3センチが2匹釣れただけだった。

時間は2時を過ぎていた。

もう少し粘れば、再び時合いは来たのかもしれないが
いくらなんでも、もう限界だった。

車に戻り、先ほどのやつを計ってみると
29センチ。1センチ足らなかった。

ボウズ逃れの磯、予期せぬ祭りとなった。
この磯に、ボウズ逃れという名を付けたのは甚だ失礼だったかもしれない。


ジグヘッド単体の釣りのつもりだったが、最後はやはり飛ばしウキになり、はちゃめちゃになっちまった。

しかし、ほんと久々のデカメバルたち。楽しかったし、心は熱く沸いたのであった。

そして、尺狙いのポイントがひとつ増えたことは何よりも嬉しいことであった。




釣果は29センチ、28センチ、27センチ2匹、26センチ、24センチ他20オーバー7匹。20センチ以下はリリース。


ロッド:ブリーデン.グラマーロックフィッシュTR83deep(初期タイプ)
ライン:ラパラ、チタニウムブレイド0.4号  リーダー:フロロ2.5号
ジグヘッド:デコイ、マジックミニ2.5グラム、ロックマジック2.5グラム
ワーム:ガルプ、ベビィサーディン、自作デカワーム(ベビィサーディンの枠)

飛ばしウキ:ハッサク工房ウルトラシンキング15グラム
飛ばしウキ用ジグヘッド:自家製ジグヘッド(がまかつJIG29#2+がん玉0.5g)、リーダー:フロロ2.5号






新月、久しぶりのメバルたち          5月21日

2009-05-29 | メバル
4月作陶、5月GWの窯焚き、その後の展覧会、そして窯出しと、なんだかな、じっくりと釣りをする雰囲気ではなかった。

というより、正直な話、心は釣りから遠ざかっていた。

海の状況がよければ、なにがなんでも身体が先に海に向かってしまうというジャンキー状態だったが
このところ、ちょっくら様子が違った。
釣りに飽きたのか、いや、そんなものではないだろう。
釣りに対して余裕というものが少しはできたのだろう。

ちょっとした心境の変化、よくは自分でもわからない。

釣りへの第二段階に入ったのかもしれない・・・・・

このまま、暫く釣りをしないでおこうか、それも面白いではないか、などとも思ってみたが、

窯出しがおわり、仕事が一段落した日の夕暮れ、

おもむろに、静かに道具を整え出かけたのであった。

さて、どこに行こうか、
尺本命ポイントは今年釣れない。例年の今頃は5匹前後の尺は出ていたが、今年は未だその顔を拝めない。
単に年の巡りなのか、小生の知らぬ間に荒らされてしまったのか、あるいは環境の変化で魚がいなくなったのか・・・わからない。
本命ポイントで釣れないと言うのは、一種名状しがたい寂しさがある。

しかし、まだわからぬ。昨年最後の尺を釣ったのは7月半ばだった。まだ時間はある。


本命ポイントに向かったが、新月であることに気がついた。
ここは灯りが全くなく、新月周りで釣れたことがない。

で、道路の常夜灯がぼんやりと海面を照らすイージーテトラとその向こうのボウズ逃れの磯でやることにした。
尺ポイントは次の満月まで置いておこう。静かに。

先ずはイージテトラ。ここは「静かな爆釣ポイント」と呼んでいたが、その後、爆釣しないのでイージテトラと名を改めた。
道路に車を停め、釣り座まで2分とかからない。気軽にちょいと入れるのでイージなんである。
このポイントの特徴は爆釣しなくとも、新月周りでは25センチクラスがぼちぼちと安定して釣れる。
ともあれ、忘れかけたデカメバルクラスの感触を味わいたかった。


ちょうど日が落ちたところからキャストを始めた。
べた凪、周囲はまだ夕日の残照で明るかった。
全体がほんのり明るいうちはアタリはなかったが、完全に暗くなり、
道路の常夜灯がぼんやり海面を照らすようになって、ぼつぼつと当たってきた。

はじめ飛ばしウキで広範囲を探ってみたが、アタリがあるのはやはり常夜灯の灯りが届く近くの狭い範囲だった。
で、2.5グラムジグヘッド単体に替えての一投目、近いところでゴンと来た。
強い引き、ルナキア9フィートがググングンと派手にしなった。
抜き上げ、魚体をしっかりと握った。
25センチだった。




その後、また掛かった。同じく近いところ。
23センチ。



暫く時間をおいて再び25センチ。



そして、また掛かった!!
が、ちっこいソイだった。うっは。




その後、ぱたりとアタリはなくなり、少し粘ってみたが、ジグヘッドのフックに掛かるのは藻ばかり。
よく見ると、目の前の海面全体に藻の塊があちこちと浮いている。いつの間にか流れてきたのだ。
で、やめようと思ったところ、足元で食いついてきた。
24センチだった。




となれば、もう少し粘ってみる。が、藻の塊たちには手を焼きどうにもならぬのでやっぱりやめることに。

しかしこのポイントは不思議である。でかいやつはみんな近いところ。
足下のテトラから出てくるやつもいる。
普通のポイントでは足下で食いつくのは小さいやつと相場は決まっている。でかいのは遠くの深場である。
道路の灯りが届く範囲が小さいということ、それに釣り人が来ない、というのがその原因だろう。面白いポイントである。


その後、ボウズ逃れの磯へ。
いつだったか、新月に本命ポイントで全く釣れず、帰りにふとここに立ち寄り思わず25センチクラスを数匹釣ったことがある。それを聞いて釣り具ネットショップのサライさんが「ボウズ逃れのポイントですね」といったのでこの名前が付いた。

ここは集落の灯りがうっすらと磯を照らし出し、浮き根もありいかにも魚たちが潜んでいそうな磯である。

灯りの届く範囲の先端の磯に立ちキャストする。幸いここには藻の塊は浮いていないようだった。

正面向こうの浮き根の際を狙う。前回はここがヒットポイントだったが、今回はアタリがなかった。
左手の浅場広範囲を探ってみるがやはりアタリはない。
少し前からぽつぽつ来ていた雨が本格的に降り始めたが、寒くもなく帰る気はしなかった。

気分を変えて大きいワームでやってみることに。
がまかつのでかいフックにがん玉を付けたハンドメイドジグヘッドにガルプベビィサーディンが並んで繋がれている根元の太いところ(ボトルではないやつはプラモの部品のように枠に並んでくっ付いている)を付けて投げてみると、磯際の近いところで引ったくるようにアタックしてきた。カサゴかと思ったらメバルだった。
23センチ。



再び同じところを通すと、やはり強烈なアタック。こいつは案外の手応え。根に潜ろうとするのを引きはがす。
でかいと思ったが、24センチだった。




その後、20センチが続き、そのうちアタリはなくなった。

12時もとっくに過ぎたことだし、雨が軽めのレインジャケットをしたたかに濡らしていた。
もう十分、帰ることに。

大した釣果ではないが、晩飯のおかずにはなるだろう。

久しぶりのメバルの感触、楽しかった。

次回は満月あたりか、尺を狙って本命ポイントへ行くとしよう。

釣果は25センチを頭に20センチオーバー9匹。それ以下はリリース。



4月満月(おーい!!メバル初陣)  4月10日

2009-04-13 | メバル
ルアーを作って後、そいつを実際の海で試してみたかったが、
仕事が煮つまってきてそれどころではなかった。
とにかく、次の満月まで釣りは我慢しようと。

さて10日、待ちに待った満月である。
仕事のうんずもんずの重苦しい霧も次第に晴れてきて、ようやくそこから抜け出したところ。
羽咋からルアービルダーのハッサク君もやってきた。

久しぶりの釣りである。
暫く押さえ込んでいた釣りへの感触が蘇り、ワクワクしてくるではないか。
自作ルアー第一号「おーい!!メバル」の初陣である。
バーブレスさんの「多い日夜用slimギャラクシー」の能登外浦での初陣でもある。
ハッサク君も今度こそ尺を釣るぞとやる気満々であった。
彼が売り出している尺八ルアーで是が非でも尺を釣り上げるのだと。

満潮が朝の3時、やりかけた仕事のこともあって、夜遅く出陣、現場に着いたのは10時半だった。

ポイントはこのところの晴天続きでベタ凪、水は綺麗に澄んでいた。
東の空にはまんまるお月さん、春霞で輪郭が少しボンヤリしていたが、煌々と海面を照らしていた。
風はなく、気温も高い。極めて楽な条件だが、嫌な予感がした。
凪のことをメバル日和というが、このポイントは凪で釣れた記憶がないのである。水が澄んでいたら尚更のこと。

案の定、釣れなかった。
10時が干潮だから、そのせいかも知れないが、
海に活性というものが感じられない。
うだうだと、とりとめのない海面である。事件が起きそうな空気がなかった。
ジグヘッドにガルプで探ってみるが何の反応もなかった。
「おーい!!メバル、チャートバック、パール」も一応投げてみるが、釣るというより、動きを見てみたかったからである。
暗かったのでちゃんとは確認できないが、それでも表層をふらふらと、身体を左右に振りながらこちらに近づいてくるようであった。
少しはルアーらしい動きをしている、案外、釣れるかも知れない、と思った。

ハッサク君はこのところ寝不足気味だとか、12時過ぎれば潮も上がってくるだろうと、その場に横になり眠り込んだ。

小生は仕方なく、ハッサク君が作った15グラムの飛ばしウキで底ベタを狙う。
ジグヘッドが底をこするような感じ。
すると、初めてアタリらしきもの、コツンと。でも乗らない。
同じライン、数投目、ガンと引ったくった。
合わせると、グンと乗った。重い!!でかいぞ!!
ルナキア9.3フィートが折れ曲がる。まぎれもないデカメバル。
有無を言わせず、ぐんぐん巻いた。
そやつは上がってきた。えいやっと抜き上げる。
でかい魚体、やったぞ。と、そいつを掴むと、
あんらら・・・カサゴ君だった。
でも27センチ。カサゴとしては自己最高だ。
このでかいふてぶてしい顔もいいが、なんて綺麗な色なんだろうと思う。
こいつを色版画にしてやろうと思った。




12時を回って、ハッサク君目を覚まし、いざ、釣りを再開。
これからが勝負だと気を入れ直す。
が、・・・・・

釣れんのであった。やっぱ。

駄目な時は駄目なんである。どうやっても。
粘ることは嫌いではないが、粘っても意味がない時もある。

で、場所を変えることに。

前回、ハッサク君と来た時、メバル25センチクラスが釣れ、怪物タケノコにラインを切られたポイントでやってみるが、すでに藻のジャングルになっていて釣りにならない。

また移動。
いつもここは釣れるだろうなあと思いながら、でかいテトラを降りる道筋が解らず、夜は危険過ぎるため諦めていたポイントだ。今夜は二人なので何とかなるだろうと。
なんとか道を探し降りられるところまでいってみたが、足場の高さは7~8メートル。
しかし、なんとか狙うポイントへはキャストできそうだった。

いかにも危険なでかいテトラ帯。立ったところ左手から右斜めに磯が突き出ている。
その磯とテトラに囲まれた妖しい海面が狙うポイントである。
初めてのポイントはワクワクするものがある。

先ず、ハッサク君が尺八ミノー60を正面にキャストした。
小生は飛ばしウキをキャスト、中層をソロソロ引いているとコン、ココンとアタリあり。
おっと、釣れそうな雰囲気である。

と、
「掛かりましたあ!!」とハッサク君。第一投であった。
見ると、彼のディープ83が綺麗な弧を描いている。
8メートルを抜き上げる。
23センチだった。
その夜、初めてのメバルであった。


(プラグは彼が作り、市販している尺八ミノー60である)


ここはプラグに食いつくほどの活性があるのだ。
で、ひょっとしたらと、「おーい!!メバル」を付け向う正面の磯近くにフルキャストする。

やはり第一投。スローで引いてくると25メートルのところ、ガツツンと来た!!
合わせると乗った!!
まさかと思ったが、食いついたのだ。現実であった。
慌てて巻いた。案外重かった。
8メートルを抜き上げるというのは、抜き上げでなく巻き上げである。これが重い。
でっぷりとした26センチだった。
口にはしっかりと「おーい!!メバル」のバーブレスフックが食い込んでいた。






いや、驚いた。
つ、釣れたんである、
このルアーで。
実際。
やはり、こんなええかげんなルアーに興味を示す変わったメバルもいるんである。

いや、釣れるぞ、ここは。
なんだか世界が急に活気づいてきた。
ハッサク君の先程までの眠そうな目は吹っ飛んでキラキラと輝いている。

ところが、プラグでのアタリはこの2匹だけだった。
時合いは短く、浮かれてのんびり写真など撮っている暇などなかったのだ。

その後、二人とも飛ばしウキに変え少し粘ってみた。
いろいろレンジを変えて探っているうちに小生に25センチと23センチが掛かった。




で、ハッサク君、なかなか掛からなかったが、掛かった。
それも相当でかかった。ロッドがぐんなり曲がったまま、ドラグが出ている。
「でかいっす!!」
嬉しそうだ。
抜き上げは、横から見ているとロッドが折れるんではないかと思ったほどだった。
折れんばかりに曲がったまま、巻き上げるんである。

漁体が上がってきて我々の眼前にその姿を現すと、もう尺に違いないと思うほどの迫力だった。
嬉しそうなハッサク君。
「やったな!!」
「やりましたあ!!」



さっそくメジャーを出して計って見る。テトラの上では魚は暴れるし、足場は悪いしでなかなか難しい。
でも、今、計りたい。小生も手伝ってなんとか計ってみる。
しかし、メジャーは冷酷なんである。残念ながら29センチ、尻尾を引っぱってもどうやっても、1センチ足らない。
小生も度々泣かされてきた、この1センチである。

残念なのがもうひとつ。
この29センチを釣ったのが尺八ミノーではないことだった。
しかし、そんなことはどうあれ、彼は満足そうであった。

その後、アタリはパタリと止った。
時計を見ると既に3時を回っていた。
丁度、満潮時、潮が止ったのだ。

ここで帰ってもよかったが、ハッサク君にまだやるか?
と聞いてみると
「折角遠くからきたんだから、朝まずめまでやりましょう」と。

で、今度は磯場に移動。
ここも釣れそうだと思いながら、つい足が向かなかったポイントだ。
波があってはまず入れないところだが、凪でタイミングはよし。

小さな岬の複雑に入り組んだ磯場である。
その先端に立ちキャストした。
目の前40メートルに海面から突き出た磯が点々とし、
魚たちが潜むのにこれほどいい環境はないだろうと思われる。
アタリはなく、眠気に足元が揺らぐのであったが、キャストを続けた。

ハッサク君は場所を変え向うの磯に。

暫くすると夜が白んできた。
月は薄明かりの西の空にぽっかりと浮かび、
夜明けの磯の景色は美しかった。






正面の海面から突き出た磯の際にフルキャストし、少し巻いたところで突然のショックがあった。
それで目が覚めた。
ジグヘッドのフックには確実に魚が掛かっていた。
手前まで引いてきて、突然根に潜り、感覚がそれに対応できなかった。
バレてしまった。案外の大物だった。

気を入れ直し、同じところにフルキャスト。すると同じところでまた当たって来た。が、乗らない。
表層である。時合いらしい。
こんなに明るくなって時合いとは。
また同じところ、やはり掛かった。今度は合わせを入れ確実にフッキング。
根に潜られないよう、慎重に巻いた。
26センチだった。



また向かいの磯の際、フルキャスト。またヒット。
23センチ。

その後、アタリはあるが乗らなくなり、そのうちアタリもなくなった。
ほんの15分の時合いだった。

初めての場所でいきなりプラグは使わないことにしている。ロストしたくないし、まずは地形を探る意味でジグヘッドや飛ばしウキを使うのであるが、この時はプラグを使う間もなかった。

夜は完全に明け、我々の釣りは終った。

ハッサク君は夜明けの磯ではデカメバルのアタリはなかったらしい。
この磯ではあのポイントしかいないのかも知れない。

全体の釣果は大したことないが、いい釣りだった。
ハッサク君は29センチを釣り上げたし、
小生は「おーい!!メバル」でメバルを釣ることができた。
それに、新ポイント二つ。この新ポイントには確かにデカメバルがいた。
それがなによりの収穫であった。

加えて、春の夜明けの磯は清々しく美しかった。

心残りがひとつ。ルアー作りの師匠、バーブレスさんのルアー「多い日夜用slimギャラクシー」の能登デビューができなかったこと。全体的には渋くプラグの日ではなかったが、とりわけこの素晴らしく美しいルアーを使う状況がなかった。
次回を楽しみにしよう。



(ハッサク君の釣り上げた29センチ。)

3月満月本番

2009-03-14 | メバル
(3月 9日 満月前夜、凄腕集まる)


満月直前の9日の朝、羽咋のO君からメバルを釣りに行きたい、とメールが入った。

O君は羽咋に住む20代半ばの若者だが、毎春、磯スズキを400~500本釣り上げる凄腕釣り師である。メバルはあまり興味がなかったが、なにやら思うところがあるらしい。

もう一人、O君の釣り友、ハッサク君。彼はルアービルダーを志し日夜奮闘努力する若者で、このところ小生要望のメバル用の重いルアー(6センチ、10g)の試作をしてくれていたが、それも出来上がったことだし、そいつを持ってでかけようという。

天気予報を見ると、10日から崩れ始め、満月の11日以降は大荒れになるらしい。
釣りが出来るのは9日の夜しかないではないか!!

よし!!行こう!!皆で行って今夜こそ尺メバルかましちゃろーじゃないか!!
なんだか、俄然盛り上がってきた。

その後、福井のつーさんと電話でなにやら話しておるうちに、今夜羽咋の若者と釣りに行くのだと言うと、ちょうど仕事が連休だから、おれも行こうかな・・・と、つーさんも参戦することに。福井から2時間半車を飛ばして来るんである。思い立ったら鬼神のごとく動くんである。

というわけで、急遽、4人で尺を狙うこととなった。
羽咋の凄腕たち、釣り師匠つーさん、いやいや、この連中と、どんな事件が待っているのだろうと自ずと期待は膨らむのであった。

満潮は深夜の12時。我が家で待ち合わせ、現場に着いたのは9時過ぎであった。
丁度いい時間である。
海はこの場所にしては珍しくサラシも出ない程凪いでいた。
風もなく、気温もいつになく高かった。月も薄雲に覆われてはいるが、間接照明のように柔らかい光を海に投げかけている。

最高の条件である。こんないい日があろうか。
闘志がふつふつ湧いてくる。

それぞれが、それぞれの場所に立ちキャストを始めた。

小生は先ず、ハッサク君作の試作尺八ミノー6センチ、10gを投げる。
このポイント用に作ってもらったウルトラシンキングペンシルである。
深いレンジをぬらりくらりと怪しく動き、深みに潜む怪物を狙うんである。

市販のシンキングペンシルの殆どは表層を泳ぐ。どういうわけか深層を泳ぐやつがないんである。
重いと動きが悪くなる、とはいうが、メバルの場合、微妙な動きはそんなに関係ないと思っている。
市販のやつでも、ほんのデッドスローで引くと殆ど魚の動きはしていない。
そいつに食らいついてくるんであるから。

数投目、深みをそろそろ引いていると、コツコツと魚信があり、合わせると乗った。
23センチとでかくはないが、確かに試作ウルトラシンキングに反応し、食いついたのだ。



よし、いい感じだ。
つーさんも、O君もハッサク君もみな同じようなサイズを釣り上げていた。

まだデカくはないが、初っぱなからアタリがある。
そのうちデカイのが来るぞ。
今夜は釣れそうだ。
士気は上がり、皆の顔に笑顔がこぼれる。

だが、しかし・・・・・・・・・・・・・・・

釣れんのであった。


デカイのが釣れるどころか、
魚信は徐々に遠のいていった。

それでも、時折、掛かりはするが、

25センチに満たないやつばかり。

12時の満潮にはさっぱりアタリはなくなり。

その後潮が下がり始めてからも少し粘ってみたものの

やはり釣れなかった・・・・・・・

もう笑うしかないか。

と、

つーさんが「おお!!」と叫んだ。
釣れたか!!と一瞬気色ばんだが、

ジグヘッドの先にぶら下がっていたのは



赤いナマコだった。

これを見て、みんなニンマリ。
沈鬱な空気がこれでほぐれた。

これを潮に終わりにした。

その後、違うポイントに移動してやってみるが、ここもさっぱり。

最後に以前から良さげだと思いながら入ったことのないポイントで粘ってみるが、ここも小さいのが釣れただけだった。

時計を見ると朝の3時を過ぎていた。

帰りのハイエースの後部座席、O 君とハッサク君は寝入っていた。
かれらはこのまま帰り、仕事なんであった。

車の中、つーさんと久しぶりに釣りの話をした。
彼と一緒に釣りをすると、何か新しい発見がある。
やはり、師匠なんである。

ところでO君やハッサク君の写真を撮っていないことに気がついた。
25センチ以上、デカメバルが釣れたら写真を撮ろうと思っていたのだが、
ついに釣れず、写真も撮らなかったのだ。
こんなことなら、記念写真くらいは撮っておくんだったと。

凪のいい天気を「メバル日和」というが、
小生の経験ではデカメバルは凪で釣れたためしはない。
そうか、ベタ凪だったんだと、後から気がついた。

明日から天気は崩れるという。
この満月の釣りはこれで終わりか。
残念だが、仕方ない。

次の満月を期待しよう。



(それから三日後、3月12日 海は荒れていた)

予報通り、満月から海は大荒れであったが、
12日は少し落ち着いた。

ひょっとしてと思い予報を見ると3メートルの波が夜には1メートルに落ちるという。
風も南風。気温も2度と我慢すれば何とか釣りになる。

うーむ、
この満月での釣りはすでに諦めていたが・・・・
仕事のこともあるしなあ・・・

なんて考えていたら、午後ハッサク君からメールが入った。
今日は釣りができそうだから行かないかと。

やる気満々の若者からそう言われたとあっては
行かずばなるまい。ようっしゃ!!

満潮が朝の3時だから、遅く出かけることにした。

ハッサク君と現場に着いたのは10時半、早速釣り場に行ってみると、
サラシ轟々と渦巻いて、ドドーンと波が高い足場まで上がってくる。
ありゃりゃ、こりゃ駄目である。全く釣りどころではなかった。
予報の嘘つきと思うが、予報はいつも嘘つきなんである。

3日前はベタ凪、今日はこれ。
この中間がいいのに、と思うが自然は我々人間の気持ちなんぞにいちいちかまってはくれない。

折角来たのだからと、釣りの出来るところを探すことに。

デカメバルポイントに行く途中、突堤の陰になって常時波気のないところがある。
足場も高く、静かすぎるので、いつもは気にもとめず歩き過ぎるところだが、そこでやってみようと。

高い足場(おそらく10メートル)狙うはシャロー。こんなところは飛ばしウキである。
飛ばしウキに軽めのジグヘッド。
投げるとすぐに魚信があった。
投げる度にコツコツと当たってくるが、普通に合わせても乗らない。
当たってきてもそのままに。するとゴゴゴとくわえて逃げようとする。
それまで待って、そうっと合わせる。それでやっと乗るんである。
いやそれでも抜けてしまうことも多い。
このところのどこでもそうだが、食いが浅いんである。

こんな静かで浅いところはどうせ小さいだろうと思っていたが、案外そうでもなかった。
一匹目は23センチ。その後も20センチ前後が続いた。
ハッサク君も釣り上げる。頻繁にアタリがあり、それなりに楽しめる。
20センチ以下は即リリースである。

そのうち、案外重い手応え。10メートルの高さを巻き上げる。
まあまあのやつ。25センチ。



その直後、また乗った。
赤メバル、25センチ。
うっは、こんな赤いの珍しい。



その後、ゴゴンと重いのがかかった。
おっと、でかい!!とゴリ巻にかかるが、リールが思うように巻けない。
ロッドはぐんなり曲がり、強めにしておいたドラグが時々軋んだ。
予想以上にでかそうだ。
が、とうとう藻の塊の中に突っ込みうんともすんとも動かなくなっちまった。
仕方なく、力一杯引っ張ると、ずるっと抜けてしまった。

一瞬呆然としてしまう。今のは一体なんだったのか。
これがメバルなら35センチオーバーに違いない。
チヌか、スズキか、いや引きが違う。鈍く重い引きだった。
分からなかった。

その後、メバル数匹かかり、またデカイのが掛かった!!
先ほどと同じ重さと引きである。
よっしゃ、今度こそとぐるんぐるんゴリ巻き・・・できない。
重くて思うように巻けない。さっきと同じだ。
ウンウンいいながら巻いた。逃がすものか。
果たして何か、胸は高鳴った。
先ほどよりは寄ってきた。
しかし、また藻の塊に潜ろうとする。
そうはさせじと、思い切り竿を引く。

と、

突然、軽くなった。
あんら~~、ラインブレイクである。
なんと0.6号、14lb、最強のPE、ラパラ、チタニウムブレイドがぷっつり切れちまったのだ。

気を取り直し、FGノットを編む。
確かに、ここには怪物がいる。
そいつを釣り上げられない。おれの腕が悪いのだ。
なんだか、楽しかった。

2度掛かり、そんなデカイのはもう掛からないだろうと思っていると、
3度目が来た。2度あることは3度あるんである。

まさか同じやつではないだろうに。
そんなに沢山いるのか、と思う。
そいつも重かった。
で、やはり負けちまった。
今度はリーダーがブレイク、飛ばしウキから先を持って行かれた。

完敗である。

これだけ完全にやられると、口惜しいというより一種の爽快感さえある。

後を引くのはジグヘッドが刺さったまま逃げ去った怪物2匹である。
まあ、魚の回復力は強いらしいし、フックはそのうち抜けてしまうらしいが。

しかし、波気のない静かなシャローにこんなやつがいようとは、驚きであった。

何なのであろう・・・


が、その怪物の正体は突然あっけなく判明した。

暫くしてハッサク君が、何やら大きめのメバルを釣り上げた。
おお、でっかいじゃないの~~、写真撮ろうや、とメバルを見ると・・・あら・・・・・



そいつは25センチのタケノコメバルだった。

そうだったのか。と納得した。
これまで、タケノコメバルというのを釣ったことがないし、まさか外浦にいるとは考えもしなかった。

先日釣り場で出会ったKさん、Tさんのおじさん釣り師たちは内浦穴水辺りでタケノコメバルを追っかけているらしく、
40センチにもなろうかというタケノコを釣り上げてもいた。

内浦の波のない、まるで沼か湖のような藻の繁茂した静かな海、それがタケノコメバルの生息場所だとしたら、
ここはまさにその環境に似ている。いても不思議ではないのだ。

タケノコを狙う人たちは堅いロッドにベイトリール、ラインも太く、テキサスリグにごついフックである。同じメバルと名がつくのに、どうしてそんなにごついタックルなのかピンと来なかったが、その意味が納得できた。

よし!!と思う。次回は必ずリベンジしてやるぞと。
スズキ用のロッドでも持ってくるか。ラインは25ポンドだ。

その後、釣れるメバルも小さくなり、アタリも次第に遠ざかったので、移動することに。

反対側の突堤のテトラに行ってみることに。
ここもいつも気になっていたところだが、行ったことはなかった。
外海が荒れていても波は外側の突堤に阻まれ、ここまでは届かない。
地理的条件は決して悪くない。釣れない筈はなかった。

本命ポイントで釣りができないというのは悪いことではない。
新たなポイントに出会うチャンスなんである。

初めての場所に立ちキャストするのはワクワクするものがある。
外海の潮が当たり波立っているところとそうでないところの境目あたりにキャストする。
深そうなので、先ずは尺八ミノーウルトラシンキング。

暫くして、ハッサク君に掛かった。プラグは勿論自作の尺八ミノーである。
23センチ。
そして、小生にもヒット。テトラ際ではなく正面15メートル、中層であった。
やはり23センチ。
やはりいないわけではなさそうだ。
その後もコツコツアタリはあるが、乗らない。

で、ジグヘッド単体に替えてみる。
でも同じである。
アタリはあるが、乗らない。
時々乗るが、でかそうなのはずるっと抜け、
釣れるのは20センチ弱ばかり。

少しやっては位置を移動してみる。
しかし、最初に入ったところが一番当たるようだった。

ハッサク君がここでの最大、25センチを釣り上げた。



が、満潮の3時頃からアタリはぱったりとなくなり終わりにした。


この満月、大いに期待したのだが、釣れなかった。
べた凪と大荒れ、満月になってからはろくに釣りも出来なかった。

前半は凄腕たちが揃ったが、釣れなかった。
彼らが釣れないのだから、釣れる筈はないのだ。

しかし、デカメバルたちはどこへ行ったのだろう。
もう春だというのに。



さて3月  序盤           3月 5日

2009-03-07 | メバル
さて、3月に入り、満月が近づいてきた。

前回の満月は27.5センチ一匹に終わったが、
この満月はどうか。

小生の経験からして、デカメバルは3月からである。
産卵後の休憩も終わり、そろそろ活気が戻る頃、
その最初の満月である。
期待せずにおられようか。

5日、月はまだ半月だったが、本番を前に様子を見に行ってきた。

ポイントに着いてみると、予報通り、ここでは珍しいくらいの凪、
気温も5度と低くはなかったが、風が強かった。
右斜めからの向かい風である。

一番の狙い所は斜め右。テトラを越えたその向こう。
プラグをキャストしてみるが、風に押されて思うところに通せない。
重い飛ばしウキでやっても同じこと。
竿先が風を受けてクンクンとしなる。
手に何か伝わっても、風なのかアタリなのかよく分からない。
まるで釣りにならない。

加えて、前からまともに風を受け続けていると
防寒ジャンパーを着込んではいるが、じんわりと寒さが染みてくる。

諦めて、なんとか後方から風を受けキャスト可能な位置と方向を探した。
ポイントの左隅に立ち、左テトラ際を狙えば、風は背中に受けることになる。
それでも横風になるが、何とか釣りになりそうだった。
狙うはテトラ際、深いところ。

まともにそこへキャストすれば、右からの風に押されてテトラに根掛かってしまう。
落としたいポイントの3メートル右を狙ってキャストする。

ジグヘッドが底まで沈むのを待ってほんのゆっくり引いてくる。
底をかすりながら来る感じ。
何回も繰り返すうちに、コツンと来た。
が、食いつかない。
ふむ、いないことはないらしい。

また、同じラインを通してくる。アタリなし。
また、同じライン。
すると、またコツン、合わせると一瞬乗るが、ずるっと抜けてしまった。
ああ~~、重かったのに・・・

気を取り直して再び同じライン。
何度も繰り返す。しつこいくらい。
そのうち、またコツン・・一瞬ルアーを停めるとコココンときて、
ゴゴンと食いついた。そこで合わせる。もう遅いくらいの向こう合わせである。
バレるかと思うが、しっかりフッキングしているようだった。
ぐんぐんリールを巻いた。そして一気に抜き上げる。
25センチ。やっと手にした一匹である。




その数投後、同じところ、同じタイミング、食いついた。
また25センチ。



その後、アタリはなくなった。
時計を見るとちょうど満潮の時間。
煙草に火をつけ、熱いお茶を飲んだ。

曇った空の天頂あたり、上弦の月がやっとやっと確認できる。

暫くしてキャストを再開するが、アタリは戻らない。
しかし、ここで帰る気はしなかった。
いることはいるのだ・・・・

同じラインを繰り返す。可能性はそこだけ。
深いところ、テトラの陰にじっと隠れているやつがいる。
隠れて目の前を通り過ぎるワームを見ている。
なんとか、そやつを引っ張りだすしかないのだ。

タイトな釣りである。
テトラ際、底ギリギリのところ。
ラインの幅は狭く、ジグヘッドが底に当たらないレンジは先ず食いつかない。
三度に一度は根掛かりである。
その度に、伸びたフックをプライヤーで直し、鈍くなった針先を研いで、またキャスト。
ラインが切れることもある。
FGノットを編み直す。風の中でのこの作業は面倒だ。
そして、またキャスト。

そのうち、雲が薄くなり、月が少し顔を出した。
それだけで周囲がグンと明るくなり気分も変わる。
突然違う場所に来たようでもある。

そのせいか、
突然、ガツンと引ったくった。
が、こいつは小さかった。23センチ。

その数分後、もわっとしたテンション、アタリかどうかよく分からないアタリ。
手首を返して思い切り合わせるとグンと乗った。
重かった。竿半分がグングンと引き込まれる。いい感じ。もうゴリ巻き。
抜き上げると思った程ではなかった。
26センチ。




その後、暫く間があき、2匹追加。
25と23センチ。




気温はそう低くはないが、やけに寒い夜だった。
再び、月は分厚い雲に覆われた。

まだ遅い時間ではなかったが、終わりにした。

全体的には渋いままだし、
サイズも今ひとつだが、
前回、アタリすらなかったことを考えれば
少しはいい感じになってきたのだろう。

満月、海は静まり、天気になってくれればいいが。



静かな爆釣ポイント再び。         2月28日

2009-03-02 | メバル
昨夜はとうとう貫徹してしまった。

昼に寝たので、夜目覚めてしまった。
ああ、暮らしが逆転してしまった。

昨夜の静かな爆釣の余韻がまだ身体の隅で疼いていた。
当たってくるが、半分はバラしてしまった。
合わせがヘタクソなんだろうなあ・・・・

そんなことを思っているうち、朝まづめ、再度でかけてみようと。
どう合わせれば乗るのか、合わせの練習。
そのポイントは行けばいつも爆釣なのか、それも確かめたかった。

家族が寝静まっている午前3時前、こそっと出かけた。

昨夜の場所に立ち、キャストを開始したのは3時半であった。
満潮が5時20分、日の出が5時40分だから、約2時間の釣りである。

昨夜あんなにアタリがあるのにプラグに反応がなかったのはおかしいと
プラグから投げてみた。小さめのピンテール6である。

あらゆる方向、深さも変えてみた。
が、昨夜同様アタリはなかった。

ジグヘッドに替え底あたりを引いてくると、
コ、コ、コ・・・
一投目から当たってきた。これも昨夜と同じ。
神経を集中させ、当たると同時に合わせを入れるが、乗らない。
これも昨夜と同じである。

で、少し合わせを遅らせてみると乗った。
完全に向こう合わせである。
引きは予想以上に強く、手応え十分。
23センチであった。
ふむ、ここにしてはいいサイズ。




その後もキャストするたびに当たってくる。
向こう合わせでやってみるが、乗るもののバラしが連続。
要するに食いが浅いのだ。

そのうち、アタリかどうか分からない、かすかにもわっと重くなった感じ、
合わせるとゴゴンと乗った。
こいつは重かった。デカメバル用のロッドでも竿半分がグンと折れ曲がる。
バレるなよ、と、一気に巻き上げる。
上げてみると手応えより小さかった。
25センチ。



しかし、昨日も25センチが釣れた。
ひょっとしてここはデカイやつもいるのかも知れない。

20センチクラスが生息するところにデカメバルはいない、と考えていたが
それも思い入れなのかも知れぬ。

いろんな合わせをやってみる。
電撃合わせ、巻き合わせ、向こう合わせ、違和感合わせ、
感覚を総動員してやってみるが、やはり乗ったりバレたり。
どんなことをやっても乗る時は乗り、バレる時はバレちまう。
魚がその瞬間、どんな風に食いついてどんな動きをするのだろう。
こんなにバレると、乗るか乗らないか、偶然に由るところが大きいようにも思えてくる。

比較的乗りがいいのはやはり向こう合わせか。
前アタリで掛けた、なんて言ってみたいが、
小生の腕はせいぜい向こう合わせがいいとこなんである。

数匹20センチ弱が続き、その後、また23センチ。




合わせに気を入れたつもりだが、昨夜よりバレる確率が高くなった。
その分、サイズが幾分上がったようである。

しかし、釣り始めて一時間余り、アタリはパタリとなくなった。
まだ、満潮前のいい時間、夜が明けてきたわけでもない。

あちこちに点在するメバルたちが、あたかも携帯で連絡取り合ったかのように
一斉にアタリが消えてしまったのだ。

なにが契機で突然そうなるのか?
わからない。

飛ばしウキで遠くを狙っても、再度プラグでやっても、少し場所を変えても、
アタリは戻ってこなかった。

そうだよな、ここに来れば常に爆釣、
なんてあり得ないのだ。

しかし、爆釣の確率が高いことは間違いない。
目の前の海のそこかしこにメバルたちがいるのを感じ取れる。
それが嬉しい。

風が強くなった。右前方からの向かい風。
ジグヘッドはもう使えそうもない。
手も急にかじかんできた。
終わりにしよう。


20センチクラスの静かな爆釣。長いジアイ。
デカメバルのポイントではないが、時々25センチ。
一見、普通のメバルのポイントのようだが、
これまで、こんなポイントにお目にかかったことがない。

今回の連夜の釣行、魚の感触は存分に味わうことが出来た。
実に楽しい夜であった。

水平線の左上には北斗七星、北極星を挟むようにして、右下にはカシオペアがくっきりと輝いていた。

この同じ空の下、つーさんもやすやメバルダービー最後の一発大逆転を狙って、
越前海岸のどこかで竿を振っているに違いない。
こちらはデカメバルさっぱりであるが
つーさん、ドデカイの一発かましちゃってくれ。





昨日は刺身だったが、こいつは煮付けにしようか。アクアパッツアでもいいな。



ロッド・ダイコー、デクスターDXTS-STX83
リール・ダイワ、セルテート2004
ライン・ラパラ、チタニウムブレイド0.4号(11lb)
リーダー・フロロ2号1.5メートル
ジグヘッド・がまかつスイミングコブラ2g
ワーム・ガルプ、ベビィサーディン他

新月、やはりデカメバル釣れず・・・だが、思わぬ新ポイント。       2月27日

2009-03-01 | メバル
このところ気持ちは新ポイントに向かっている。

場所を探すのにgoo地図は便利だ。海岸線、ずいぶん近くまで寄ってくれる。
google earthは地球をぐるぐる回せたり、都市を見るにはいいが、海岸線はgooの方がいい。写真が鮮明で、磯の沈み根までも見せてくれる。

地図でおなじみの海岸線を眺めていると、普段気がつかなかったことを発見できたりする。
これまで通り過ぎていたところだが、メバルに良さそうなポイントがいくつもある。
なんか見ているだけでワクワクするではないか。

その中のひとつ、某漁港。
ここは夏によくアジ釣りに出かける美しい漁港で、いつか外テトラで師匠つーさんとスズキを釣ったこともある。その時、彼は外道ででかいチヌも釣り上げた。
外テトラはでかくて釣り人もあまり見かけないが、時々デカアジ師が入っているくらい。
デカメバルを狙っている人などまずいない。

そこでやってみようと。

ポイントに着いてみると、既に日は落ちて、残照が水平線とたなびく雲をほのかに浮き上がらせていた。ちょっと遅い夕まづめである。やはり人一人いなかった。
突堤の先のテトラに入り、キャストを始める。
予報通り、この時期にしては珍しい凪であった。

先ずはプラグ、色んな方向、アタリなし。
次にジグヘッド、やはりアタリなし。
だが、先端のテトラ際、深いところを引いていると、そこだけにわずかなアタリ。
そこを狙って再びルアーを通すとやはり小さく当たってくる。
だが、乗らない。
メバルではないのか・・・チヌかも知れない。
しつこくそのラインを狙う。
と、ついに食いついた。乗った。
手応えはメバルだった。
23センチ。




ここでの初めてのメバルであった。
メバルがいないことはない。
テトラの大きさからみて、きっとデカメバルがいるはずだ。
しかし、月は新月、漁港の集落の灯りは背後のテトラに阻まれここまでは届かない。
いつの間にか眼前の海は暗闇に包まれ、そのラインだけにあったアタリもなくなった。

違う場所2カ所でもやってみるが、アタリがあったのは先端だけであった。


次にデカメバルの本命ポイントに向かった。

実はこのポイントは新月に釣れたためしがない。
明りというものが皆無で、新月周りは真っ暗になるんである。
だから次の満月までは行くまいと思っていたのだが、
師匠つーさんがこの新月に新ポイントでデカメバルを数匹釣り上げた。
聞いてみると、暗闇ではなく、周囲の町の灯りでぼんやりと海面が見えるくらいのところだと。

で、新月は釣れないというのは思い込みかも知れぬと思った。
そのポイントはキャストする位置が二つあり、左手は文字通りの漆黒だが、
右手は漁港の灯りや背後の集落の灯りがわずかであるが届いている。
ほんの薄ボンヤリではあるが、漆黒ではない。
右の釣り座に集中すれば、釣れるかも知れない。
夜の気温も手が凍える程ではなかったし、こんな凪もそうないことだ。
デカメバルたちも産卵の休息を終え、餌を探しに戻っているかも知れぬ。
期待で胸は膨らんだ。


本命ポイントはサラシも小さく、南からの追い風。状況は悪くなかった。

しかしである。

まったく駄目なんであった。

2時間半、手を尽くしたが、わずかなアタリ1つなかった。

いくら粘るのが得意な小生であっても、2時間アタリがなければ、もう帰るんである。
2時間全くアタリなしというのも珍しいことだ。きっぱりと諦めもつく。
新月は釣れないというのはまんざら思い込みでもないらしい。


帰り、身体はやはり欲求不満で、前回ふと立ち寄り、20センチクラスが爆釣したポイントに寄ってみた。
小さくてもいい、釣りたかった。

ここは立ち寄るのにとても都合がいい。
道路に沿ったテトラ帯で、丁度路側帯が広くなって、車を止めるのも便利。
車を止め、そこに降りればいいのである。3分もかからない。

前回と同じ釣り座に立ち、キャストする。
道路から見れば、暗闇であるが、そこに入りよく見ると、
道路の常夜灯が背後に1つあり、前方の海面をボンヤリとではあるが照らしている。
足元はテトラの陰で真っ暗。そのボンヤリした海と陰の境がくっきりと見えるではないか。
前回はそんなこと気が付きもしなかった。

前回、比較的近くでの爆釣だったため、始めからジグヘッド単体で。
ジグヘッドはつーさんオススメのがまかつスイミングコブラ、2g。
ワームはガルプ、ベビィサーディン、カラーは小生気に入りのチャートリュースである。

先ずは右のテトラ際にキャスト。少し待ってジグヘッドが底にコツンコツンと当たるレンジをゆっくり引いてくる。
すぐにコツコツと明確な魚信。すかさず合わせると乗った。
ロッドの先半分がぐんなりと曲がる。案外の引き。
20センチだった。




二投目、同じ方向。またアタリ、こんどは乗らない。ずるっと抜けてしまった。

三投目、またヒット、乗った。
やはり20センチ。

四投目、五投目またアタリ、合わせるが乗らない。


六投目、今度は反対のテトラ際、ヒット。遅めに合わせると乗った。
思わぬ重さ、デカイか!!
テトラに潜り込まれぬよう、海側に竿をやりグングン巻いた。
一気に抜き上げる。
おう!!25センチ。
ここでこのサイズが釣れるとは思わなかった。



再び同じ方向、またヒット。しかし乗らない。

正面はどうだろう?
正面にフルキャスト。引き始めるとすぐにアタリあり、だが乗らない。

もう一度、今度は乗った。
20センチ強。




もう、ワンキャストワンヒットであった。
いや、ワンキャストに数度当たってくる。
が、乗りが悪い。半分はバレてしまう
どの方向に投げても同じである。

爆釣である。が、
所謂の爆釣ではない。
所謂の爆釣と言うのはメバルが群れをなし、中層に待機して表層の餌に飛びかかる。
プラグでもワームでも表層でがんがん食いついてくる。
そして、30分もすればその熱い嵐はあっけなく去ってゆく。

そんな感じではない。
表層では食いつかない。底である。
ガツンとは食いつかず、目の前を通ったのでちょっとくわえてみた、という感じ。

プラグでもやってみたが、全く反応なしであった。


静かな爆釣とでもいおうか。

しかも、それは延々と続くのである。
朝が白むまで、4時間も続いたのだ。

こんな爆釣は初めてであった。

群れて待機しているのではなく、そこに生息しているやつのようだ。
底の根に隠れてじっと餌を待っている、至る所に。
この一帯、沢山のメバルがいるのだ。

ここはよく通りかかるが、ここでメバルを釣っている人を見たことはない。
そのせいかも知れない。

結果は25センチを頭に、アベレージ20センチ、40匹であった。
デカくもないが、ちっちゃくもない。
豆は殆ど釣れない。
これも珍しい。

考えてみると、前回もそうであった。
殆どが20センチクラス。
夜が明けるまで釣れ続けた。

デカメバルではないが、釣れるということはやはり楽しいのであり、
釣れ続けるというのはコーフンするんである。
静かな爆釣、静かなコーフンであった。

新月、本命ポイントはさっぱりアタリなし。
だが、違うところでは爆釣であった。
この差は一体何なのか?
微妙な明りのせいか?

分からんのである。




40匹のうち25匹キープ。村のある住人がメバルを食べたいと言っていたのでお裾分け。写真は我が家分である。
刺身にした。甘くて歯ごたえよし、こんなにうまい刺身があるのか!!と改めて感動した。



尺リベンジ        2月10日

2009-02-11 | メバル
昨夜の釣りから帰ってきたのは朝方だった。

存分に満月の儀式を堪能し、疲れ果てて布団に潜り込んだが、
昼前に起きだしてみると、気分爽快、天気予報を見ると夜は晴れだという。

ふむ、お月さんが顔を出すのか・・・
そう思うと、俄然むくむくと闘志が湧いて来るではないか。

よし!!リベンジ。まだ満月の儀式は続くんである。

小生の唯一の得意技は粘ることであるが、今の渋い状況からして、無駄に粘っても仕方ない。
昨夜、わずかながらアタリがあった満潮前を集中的に狙うことに。

ポイントに着いたのは10時を過ぎてであった。

予想通り、お月さんは中空にぽっかりと浮かんで煌煌と周囲を照らし出していた。
しかし、海は昨夜にまして荒れていた。
サラシはもはや白い怒濤となって、足下の岩にぶち当たり、高い足場にかかわらず、壁のように跳ね上がって来た。
当然、昨夜より広くなったサラシだが、7グラムのプラグ、10グラムのやす屋さん飛ばしウキでやれば、その向こうへキャストするのはそう難しくはない。

デカイやつはサラシの中でも釣れたりするが、なんせこのサラシでは話にならない。
とにもかくにも可能性があるのは、サラシの向こうなんである。

まずは、いつも通り、やすやさん飛ばしウキの一番重いやつ(ファーストシンキング)に、目立つようにとMARS のスペシャルチャートを付けた。
強いうねりが終わって少し海面が静かになるのを待ち、サラシの向こうへフルキャスト。

昨夜、飛ばしウキに相性のいいルナキア9.3フィートが折れちまったので
今日はディープ83の出番である。
飛ばしウキには少し短いが、そのシャープでバッツンバッツンの張りは10gの重さをなんなくサラシの向こうへ運んでくれる。
リールもソアレが怪我をしたので、小さめのセルテート2004である。

可能性のある方向は昨夜と同じひとつだけ。
微妙に方向を変え、深さを変えて探ってみる。

と、ココンと当たって、ガクンと引ったくった。
引ったくるアタリは大抵小さいやつである。
グングン寄せると、やはり軽いやつで、水面を割って、跳ねるように近づいて来る。
20センチであった。

なんか気が抜けるのであったが、まあ、昨日よりましな状況かと。

しかし、その後30分はアタリなく、やっぱり昨日と同じだ、やれやれ、と思っているとヒット。
また20センチ。

ここで連続ヒットするときはいつもサイズが揃っていて、25センチ以上。
20センチが連発するなんて珍しい。


デカイやつを狙ってプラグに付け替える。ブルースコードC60。
このポイントで一番実績のあるプラグである。

やはりサラシの向こうだ。
沈むのを待って、中層を引いて来る。

数投目、ガツンと来た。
よし!とリールを巻くが、やはり軽かった。
またもや20センチ。
このくらいのやつでも6センチのプラグに喰いついてくるのだ。



その後、再びアタリは遠のいた。

波は収まる様子なく、白い壁となって跳ね上がって来る度に
身体を後ろへ退け、キャストを続けた。

再び、飛ばしウキでやっているうちに、またまた20センチがかかる。

今日はこのサイズしかいないのか・・・・・

熱いお茶を冷えた身体に流し込んだ。
手はかじかんでポットの蓋の開閉が自由にならない。
煙草に火をつけ、ジャンパーのポケットの中で手を温めた。

いつの間にか、満月は天頂を越えて右から左へと位置を変えていた。
相変わらずクールな顔で小生をじっと見つめている。
すでに12時は回っていた。

満潮は1時半だったか、まだ時間はある。

手の感覚が少し戻ったところでキャスト再開。
やはり飛ばしウキ。リーダーを長めにとり、0.45gの軽いジグヘッド、ワームはガルプ、ベビィサーディンを付けた。

幾分右側方向へフルキャスト。

カウントダウンは15。そっと引いて来る。
数投目、サラシの10メートル向こう
クンとアタリ、一瞬、引くのを停める・・・と、ゴゴン!乗った!!
ロッドを引くとその重さがグンと伝わった。

でかいぞ!!20センチじゃない。

もう、ぐるんぐるん巻いた。
有無を言わせず。
バレるなよ。

サラシの水面、1本の線となって魚体が近づいて来た。
足下まで寄ったのを確認して、抜き上げる。

デカイが、尺には及ばないのが一目で分かる。



計ってみると27.5センチ。
久びさのデカメバルだけに、その魚体は堂々として見えた。

デカメバルの群れが来たのかも知れない。

よし!と気分は高ぶった。

しかし・・・・

こちらの思惑通りにならんのが自然なんである。

ぷっつりと魚信は途絶えた。

海はさらに荒れ、手の凍えも限界だった。

満月のデカメバル、小生の儀式であり祭りは終わったのだ。

尺にお目にかかれなかったが、かろうじてデカメバル一匹。

それで満足だった。






ロッド・ブリーデン、グラマーロックフィッシュ83deep
リール・ダイワ、セルテート2004
ライン・ラパラ、チタニウムブレイド0.4号 リーダーフロロ2号
飛ばしウキリグ・やすやさん飛ばしウキ(ファーストシンキング)+リーダー・フロロ1.5号1メートル+ジグヘッド・デコイ、ロケットヘッド(0.45グラム)がまかつコブラ29(1グラム)
ワーム・MARS R-32 micro、ガルプ、ベビィサーディン
プラグ・マリア、ブルースコードC60
スプリットリグ・ステンボー1.0号(3.8グラム)


満月の夜、しかし、釣れんのだった。   2月 9日

2009-02-11 | メバル
この日、満月。

夜は曇りのち雨で、お月さんは顔を出してくれないだろうが、
気温は高いし、凪だという。
よっしゃあ、ともかく行ってみよう!!
気合い入れて尺を狙いに行った。
尺狙いポイントへ。

満月のデカメバル釣り、というのは小生にとってもはや儀式のようになってしまった。
これなくては仕事も暮らしも何も前に進まない。

がしかしポイントに着くと波はゴウゴウと荒れ、寒かった。
予報は当たらないんである。
風は緩い南風。前回と同じだが、雲厚くやはり月は出ていない。


前回は渦巻くサラシの向こう、深いところでヒットしたので
今回もそうしてみるが、今回はアタリすらなく釣れそうな雰囲気がなかった。

メバルさんたちは産卵が終わったところで休憩している。
そういえば、いつも2月は釣れないんだった。
こんなに荒れちゃあいくらなんでも~~
寒過ぎるよなあ~~
釣れない言い訳がいろいろ浮かんで来る。

しかし、満月のデカメバル釣りである。
簡単に引き下がるわけにはいかない。

メバルはある時間帯になったら突然爆釣したりするんである。
それを期待しよう。

逆巻くサラシの状態では可能性のある方向は一つだけ。
延々とその方向へ向かってキャストする。
プラグでやったり、ワームでやったり、スプリットショットでやったり、深さや方向、考えつくことをやってみる。

しかし、釣れないんである。
手もかじかんできた。

少し疲れたな。

帰ろうか、いや、もうちょっと・・・・


10時を過ぎると雲が薄くなり、ボンヤリお月さんが出てきた。
僅かだが、辺りが明るくなった。
おっ、雰囲気が変わるかも知れない。
ちょっと元気が戻って来る。

気を入れ直して最初からやり直してみる。
まずはプラグ、ブルースコードC60をサラシの向こうへぶん投げる。
沈めて後、ゆっくり引いて来る。

アタリなし・・・・

次は飛ばしウキにジグヘッド、ガルプを付けてぶん投げる。
やはりサラシの向こう。
深層を引いてみる。駄目。

中層、駄目。

表層、駄目。

ちょっくら休憩。熱いお茶を飲み、手を温めた。

諦めるか・・・いや、まだだ。
確か満潮は12時半、ここが勝負所。

11時半、雲が切れてくっきりお月さんが顔を出した。
にわかに辺りが一層明るくなった。

よし!これを待っていた。

もう一度、始めからやってみよう。


しかし・・・何をどうやっても・・・・

釣れんのであった。

24センチが一匹、偶然のように掛かっただけだった。

疲れた。

もう十分。いいだろう。

釣れんときは釣れん。当たり前の話。


海沿いの道を帰った。
車のヒーターをガンガンかけて、手の感覚が戻るのにどのくらい走っただろう。
何かが足りない・・・・・魚のかかる感触、そいつが足らない。

疲れたが、手が温もり少し力は回復していた。
なんだか、このままの気分で帰りたくはなかった。

で、前回まあまあサイズが釣れた磯に寄ってキャストしてみる。
が、ここも全くアタリはなかった。
それどころか、海苔で足を滑らせ、片足を海に突っ込んでしまうわ、ソアレ30と脛をしこたま岩にぶつけてしまった。
とほほほ・・・・

なんか情けない夜だ。
もう帰るしかないか、
再び車を走らせる・・・が、

ふと、道路に沿って続くテトラ帯が目に入った。
入り江の奥のテトラ。そんなに浅くはなさそうだ。

車を停めて、竿をとった。
入り江の一番深いところ。テトラに立ちキャストしてみる。
広範囲を探ってみようと、まずは飛ばし浮きで。

すると・・・かかった。
こんなところは釣れても豆だろうと思っていたが、そうではなかった。
けっこう引くんである。流石、外浦のメバル。上げてみると22センチ。
その後、一投一匹。
遠くから引いて来るが、食いついてくるのは手前15メートル範囲。
ではと、ジグヘッド単体に替える。

キャストする度、どんどんかかった。どんどん引っぱった。
ロッドを伝わって来る魚の活き活きとした感触。
これだよなあ・・・楽しくなって来る。
どういうわけか、ここは幾分気温が高いようで手もかじかんでこない。

これまでの疲れと情けなさが吹っ飛んだ。
目的の尺やデカメバルは釣れなかったが、かろうじて心は満たされた。

ここでの一盛りは終わって、気分よく、さて帰ろうとテトラを飛ぼうとしたら
靴ひもを踏んでしまい、ずっこけた。
向こうのテトラに咄嗟に手をつき、難は逃れたが、その拍子に手に持ったルナキアの先がしこたまテトラを叩いた。
あんりゃりゃ・・・・
見ると案の定、ロッドの先が二つに折れていた。とほほほ・・・・


とまあ、下がったり上がったり、また下がったりの長い夜であった。


釣果は24センチを頭に30匹。煮付け用に20センチ前後はキープした。





ロッド・テンリュウ、ルナキアLKT93M
リール・シマノ、ソアレ30、2500HGS
ライン・ラパラ、チタニウムブレイド0.6号 リーダーフロロ3号
やすやさん飛ばしウキ、ファーストシンキング、シンキング
飛ばしウキリーダー、フロロ1.5号
飛ばしウキジグヘッド・デコイ、ロケットヘッド0.45グラム、がまかつコブラ29・1グラム
ジグヘッド単体、がまかつ、スイミングコブラ2グラム
ワーム・MARS R-32 micro、ガルプ、ベビィサーディン
ハードルアー、ブルースコードC60、レイジー6s、ピンテール6、デンス60US、ローリングベイト48、湾人スピン


アクアパッツア作ってみた。   2月 8日

2009-02-11 | メバル
いつだったか、つーさんがカサゴで作ったのを食わしてもらったが、なんせ人が多くて一口だけ、正直、味がよく分からなかった。

で、いっぱい作ってやろうと。

クロソイ26センチ、カサゴ24センチ、その他メバル20センチ前後8匹全部入れてやろう。

まず、エラとはらわたを取り出す。頭はそのまま。こいつがちとメンドー臭い。冷たい水で手が痺れて来る。うっは。

次は布巾で魚の水分を拭き取る。腹の中も。しっかり。

で、魚に塩こしょうをまぶす。腹の中も。これもちとめんど~。

フライパンにオリーブオイルを入れ火を入れ、ニンニクのみじん切りを入れ、ほんわかニンニクの香りが漂ってくるのを待って、魚を投入。一つのフライパンでは入り切らなかったので、二つで同時にやった。

魚にこんがり焼き目が着いた頃、水と酒をドバッと入れる。(ほんとは白ワインがいいのだろうがなかった。)
そして、アサリ、トマト(トマトがなかったのでペーストになったやつ)アンチョビをちぎってぶち込む。オリーブやハーブはなかった。

アサリは口が開いたところで、一度取り出す。ふっふっふ、やるのだわい。

スープの味を見ながら、もう一度アサリを入れ、最後にオリーブオイルをさっと回しかけ、パセリを乗せて、うっはっは、できたのだった。

フライパン二つ分のアクアパッツアをでかい鉢にドバッと入れたら、なんかメバルたちが底に沈んで見えなくなった。
ちょっとペースとトマト入れすぎたか、まっかっか。
しかし、味は抜群なのであり、大好評であって、うめ~うめ~の連発。
あっという間になくなっちまったのだった。

まあ、見てくれ悪いが、最初の試み、よしとしよう。
うっはっは。