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数年前、ものすごい本を読みました。
【戦場から生きのびて ぼくは少年兵だった】
http://www.amazon.co.jp/%E6%88%A6%E5%A0%B4%E3%81%8B%E3%82%89%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%81%B3%E3%81%A6-%E3%81%BC%E3%81%8F%E3%81%AF%E5%B0%91%E5%B9%B4%E5%85%B5%E5%A3%AB%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%9F-%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%99%E3%82%A2/dp/4309204864
西アフリカのシエラレオネ。そこで起こった内戦(1991年~2002年、死者7万5千)で、少年兵として戦った著者の体験談です。最初から最後まで、想像を絶する地獄です。戦争というより、凄惨な殺し合い。この本を読んでる最中、何度も眠れなくなりました。あまりにすごすぎて。
この内戦はどうしておこったのか?
それは資源が豊富だったからです。そしてその資源がシエラレオネという国にすむ人々を世界でもっとも貧しく不幸な国民にしてしまいました。
なぜ?どういうことしょうか?
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伊勢崎賢治『紛争屋の外交論』より
以下引用
そして豊富な地下資源があるのに、シエラレオネは世界最貧国なのでしょうか?
外国籍企業や外国人バイヤーに資源が「収奪」されるからです。
こういう手合いは、より有利な条件で資源を収奪するために、役人・政治家を賄賂漬けにします。「賄賂」を文化としてその国に根付かせるのです。
地下資源はすべて事実上「密輸」状態となります。
国がきちんとした管理のシステムを持っていれば、こういう多国籍企業やバイヤーに税金を課して、地下資源の取得を法の下で監視することができるはずです。税金を徴収することができれば、国の財政が確保できる。その潤った財政を国民に還元する。これが本来あるべき国の姿でしょう。
しかしシエラレオネはそうしたシステムが崩壊していたのです。この国はイギリスから独立して以来、ずっと一党独裁でした。一党独裁と言うのは、チェックアンドバランスや監視機能がはたらきません。好き勝手なことができる。上の連中が賄賂をうけとっているなら、自分もうけとらなければ損だと考えます。賄賂の連鎖です。そうやって賄賂競争が始まると、公益が私物化されます。
引用ここまで
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《資源豊富な国が最貧国へと転がり落ちるプロセス》
資源をねらう外国企業、バイヤーが政府官僚を賄賂漬けにする
↓
政府が外国企業、バイヤーに賄賂と引き換えに密輸容認
↓
資源が外国に奪われていく
↓
特権階級は賄賂で潤うが、国にお金が入ってこない
↓
財政破綻
↓
公共サービス(インフラ、教育、医療)にお金がまわらない
国防、司法(軍隊、警察、裁判官)にお金がまわらない
↓
教育、医療受けられない
犯罪おこっても取り締まれない、裁けない
↓
貧困拡大、賄賂蔓延
無政府犯罪天国
こうして、むちゃくちゃになった国を建て直そうとして上記の内戦が起こりました。そして、泥沼化し、大勢の人が殺されました。
シエラレオネは日本とは事情がちがうでしょうが、
資源を豊富にもっていたことで、国民が不幸になりました。
日本は海に豊富な資源をもっています。
手付かずで。
しかもそれをねらって牙をといでいる外国にかこまれています。
シエラレオネの不幸の始まりは国の支配層が外国に買収されたことからはじまりました。
日本は?
確かに法治国家で、一応きちんとしたシステムが確立されています。
汚職した政治家は一応裁かれることになってます。
政府の不正は
野党が追及できます。
けれども
すでに国民のために政治をしなくなった政治家や官僚の蔓延が目につくようになりました。政治家が外国人から献金されても罰せられないことが常態化しつつあります。
こういう状態の日本がもし、資源大国になってしまったら…
シエラレオネのようにならないと、断言できるのでしょうか。
今後、
中東情勢の不安定化、シナの軍拡でシーレーンが脅かされることが予想され、
安定したエネルギーを確保するために、将来近海のエネルギー開発、実用化が絶対必要になるでしょう。そうすれば、日本は世界有数のエネルギー資源大国になると言われています。
しかし、エネルギー資源産出する側になるということは、シエラレオネのようなリスクをかかえることでもあります。
資源をもつことに慣れていない日本。ほんとうに大丈夫なんでしょうか?
私は日本が資源を奪われることよりも、国の中枢が外国に買収されて腐敗する。こっちのほうが、非常に恐ろしい。
日本は資源大国になる『覚悟』はあるのでしょうか。あるのだったら、
シエラレオネの凄惨な歴史から
学ばなければいけないと思います。
数年前、ものすごい本を読みました。
【戦場から生きのびて ぼくは少年兵だった】
http://www.amazon.co.jp/%E6%88%A6%E5%A0%B4%E3%81%8B%E3%82%89%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%81%B3%E3%81%A6-%E3%81%BC%E3%81%8F%E3%81%AF%E5%B0%91%E5%B9%B4%E5%85%B5%E5%A3%AB%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%9F-%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%99%E3%82%A2/dp/4309204864
西アフリカのシエラレオネ。そこで起こった内戦(1991年~2002年、死者7万5千)で、少年兵として戦った著者の体験談です。最初から最後まで、想像を絶する地獄です。戦争というより、凄惨な殺し合い。この本を読んでる最中、何度も眠れなくなりました。あまりにすごすぎて。
この内戦はどうしておこったのか?
それは資源が豊富だったからです。そしてその資源がシエラレオネという国にすむ人々を世界でもっとも貧しく不幸な国民にしてしまいました。
なぜ?どういうことしょうか?
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伊勢崎賢治『紛争屋の外交論』より
以下引用
そして豊富な地下資源があるのに、シエラレオネは世界最貧国なのでしょうか?
外国籍企業や外国人バイヤーに資源が「収奪」されるからです。
こういう手合いは、より有利な条件で資源を収奪するために、役人・政治家を賄賂漬けにします。「賄賂」を文化としてその国に根付かせるのです。
地下資源はすべて事実上「密輸」状態となります。
国がきちんとした管理のシステムを持っていれば、こういう多国籍企業やバイヤーに税金を課して、地下資源の取得を法の下で監視することができるはずです。税金を徴収することができれば、国の財政が確保できる。その潤った財政を国民に還元する。これが本来あるべき国の姿でしょう。
しかしシエラレオネはそうしたシステムが崩壊していたのです。この国はイギリスから独立して以来、ずっと一党独裁でした。一党独裁と言うのは、チェックアンドバランスや監視機能がはたらきません。好き勝手なことができる。上の連中が賄賂をうけとっているなら、自分もうけとらなければ損だと考えます。賄賂の連鎖です。そうやって賄賂競争が始まると、公益が私物化されます。
引用ここまで
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《資源豊富な国が最貧国へと転がり落ちるプロセス》
資源をねらう外国企業、バイヤーが政府官僚を賄賂漬けにする
↓
政府が外国企業、バイヤーに賄賂と引き換えに密輸容認
↓
資源が外国に奪われていく
↓
特権階級は賄賂で潤うが、国にお金が入ってこない
↓
財政破綻
↓
公共サービス(インフラ、教育、医療)にお金がまわらない
国防、司法(軍隊、警察、裁判官)にお金がまわらない
↓
教育、医療受けられない
犯罪おこっても取り締まれない、裁けない
↓
貧困拡大、賄賂蔓延
無政府犯罪天国
こうして、むちゃくちゃになった国を建て直そうとして上記の内戦が起こりました。そして、泥沼化し、大勢の人が殺されました。
シエラレオネは日本とは事情がちがうでしょうが、
資源を豊富にもっていたことで、国民が不幸になりました。
日本は海に豊富な資源をもっています。
手付かずで。
しかもそれをねらって牙をといでいる外国にかこまれています。
シエラレオネの不幸の始まりは国の支配層が外国に買収されたことからはじまりました。
日本は?
確かに法治国家で、一応きちんとしたシステムが確立されています。
汚職した政治家は一応裁かれることになってます。
政府の不正は
野党が追及できます。
けれども
すでに国民のために政治をしなくなった政治家や官僚の蔓延が目につくようになりました。政治家が外国人から献金されても罰せられないことが常態化しつつあります。
こういう状態の日本がもし、資源大国になってしまったら…
シエラレオネのようにならないと、断言できるのでしょうか。
今後、
中東情勢の不安定化、シナの軍拡でシーレーンが脅かされることが予想され、
安定したエネルギーを確保するために、将来近海のエネルギー開発、実用化が絶対必要になるでしょう。そうすれば、日本は世界有数のエネルギー資源大国になると言われています。
しかし、エネルギー資源産出する側になるということは、シエラレオネのようなリスクをかかえることでもあります。
資源をもつことに慣れていない日本。ほんとうに大丈夫なんでしょうか?
私は日本が資源を奪われることよりも、国の中枢が外国に買収されて腐敗する。こっちのほうが、非常に恐ろしい。
日本は資源大国になる『覚悟』はあるのでしょうか。あるのだったら、
シエラレオネの凄惨な歴史から
学ばなければいけないと思います。