仏を拝んだりするときに手に掛けて使う仏具で、念仏の数を数えたり、すり鳴らして煩悩を消したりすることもあるそうです。連なっる珠の数は108で、煩悩の数を表しているそうですが、54とか27とかいった違う数のものもあるそうです。宗派によってぞれに、様式や珠の数が決まっているそうです。
薬師堂(上国井町930)
豊作を願っておこなわれる天道念仏の際に、写真のような、108の珠のある大きな数珠が使われていたそうです。ここでは、百万遍念仏が唱えられ、多くの人が輪になって、数珠の珠をくって回しながら祈ったそうです。水戸市立博物館で開催された、「那珂川ヒストリー」展で展示されていました。
中根寺千日堂(加倉井町595)
中根寺でも、常陸千日堂と言われる阿弥陀堂の中で大数珠を見ました。このお堂は常念仏の道場だったそうですので、大数珠はそれに使われていたのでしょう。こうした大数珠は、かつては水戸の各地にたくさんあったことでしょう。
安楽寺親鸞像(元吉田町2511)
小森邦夫製作の親鸞像の手には数珠が握られています。親鸞像は左手に数珠、右手に杖を持ち、菅笠(すげがさ)をかぶって行脚(あんぎゃ)する姿が多いようです。安楽寺の像は、菅笠を手に持っているようで、多分珍しい姿だと思われます。
備前堀道明橋(36°21'48.1"N 140°29'20.7"Eあたり)
去年おこなわれた備前堀の灯籠流しでは、道明橋で読経が行われていました。導師は蓮乗寺の住職だそうです。左手に持った、水晶の数珠が印象的でした。
梅護寺数珠掛桜(バイゴジジュズカケザクラ 千波湖南岸遊歩道)
新潟県阿賀野市の梅護寺にあるサクラが原木で、親鸞が数珠を掛けて仏法を説いたところ、花がつながって垂れて咲くようになったという伝説があり、それによってついた名前のようです。花は、淡紅紫色で菊咲きだそうです。常陸国は親鸞ゆかりの地のようですので、水戸でもっとふやしてもいいサクラなのかもしれません。