ぶらっと 水戸

水戸の見て歩き

水戸の土蔵(1)

2017-08-04 21:00:10 | 水戸

 火災、水害等への対策、貴重品(儀礼のときに使われる食器や屏風や、古文書など)の保管のためなどで、大きな農家では蔵を建てることが多かったようです。水戸では、全体が漆喰の白壁となる土蔵はほとんど見ることはできませんでした。目につくのは、写真のように蔵表面を板でおおった様式の土蔵です。御稗蔵(おひえぐら)といわれる、徳川光圀時代につくられた、飢饉に備えて穀物を備蓄したという蔵のスタイルが一番上の写真のような様式なので、たぶんこれが基本形だったのでしょう。農家らしさとしては、雨でも作業ができる出口の部分の広い軒も特徴の一つなのでしょう。建て替えられたものが多いようですが、以前の建物にならっているものが多いのだろうと思います。

 

御稗蔵型土蔵(上河内町)
 これがかつての御稗倉でなかったなら、見た中では一番古風を伝えているであろう農家の土蔵でした。

 

外に出た棟木と窓のある土蔵(田谷町)
 上の蔵と同様、妻(蔵の長手方向のはし)の部分に棟木が出ていて、その下に窓がつくられるという形で、これが一般的なようです。

 

軒庇の広い土蔵(笠原町)
 今は軒下を駐車場に使うことが多いようですが、かつては雨のときの作業場に使われたのでしょう。これも一般的です。

 

裾広がりの板張りがある土蔵(大串町)
 この様式の土蔵もあちこちで見られました。

 

空気抜きのある土蔵(栗崎町)
 これは、たぶん養蚕のために改造された土蔵でしょうが、少数派です。かなり痛んでいました。(後日 水戸はタバコの産地だったそうで、これはタバコ葉の乾燥蔵のようです。)

 

なまこ壁のある土蔵(堀町)
 蔵というとこのデザインが思い浮かぶかもしれませんが、水戸ではまったくの少数派です。

水戸の石蔵(2)

コメント
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