心の模様

心の中の一つ一つを整理して、いつか素敵な部屋にしてみたい。

誘う女と噂されて

2019-08-15 | 昔々
一週間前ほどから
お酒を飲むようにしていた

普段全く飲まないから
練習のつもりで


高校の部活の同窓会
気の合う少人数でと
毎年誘われてたけど
ほとんど行くことはなかった

苦い思い出があったから


久しぶりに会った
同級生や一つ上の先輩

わあわあ盛り上がって
どんどん飲んで笑って
「お前なぁ」って言われて

いい年した大人に
言う言葉じゃないなぁって思って

皆 高校生に
戻ってるんだろうなって思って

でもでもだんだん
嫌な予感がしてきて

そのうちに言われた

お前さ めちゃくちゃ
美形で硬派な先輩に
酔って絡みまくってたこと
あったよなぁって
あれをやってみてよって


20歳のころのこと
皆が遠巻きにしか見れないほど
格好いい先輩に
もちろん私も話したことがなかったけど

酔った勢いで一人で話しかけに
いってしまった

先輩は一人でいるタイプの人だったから
誰も私たちに近づいてこなくて
女性たちは皆
私に怒っていた

ものすごい視線に気づいて
離れようとしたけど

先輩は本当は一人が
寂しかったのか
離してくれなかった

しょうがなく先輩の手を振りほどき
気持ち悪そうに口を押さえて席を立って
女友達に抱きついて
帰りたいと耳打ちした

そのあとその先輩が
私のことを大丈夫かと
かなり心配してくれたらしくて
それが余計に皆の反感を買ったらしい

あの先輩に絡んで迷惑かけまくって
最低って噂になった

なんで一人で近づいてしまったかなとか
私は何がしたかったんだろうとか

反省しきりだったけど
もうどうしようもなかった
苦々しい思い出になった


酔った勢いでの行動は
それ以来したことないけど

やっぱり心配になる

そして何年経っても
いまだに言われると

やるせない気持ちで
押しつぶされそうになる

懐かしい海

2017-10-29 | 昔々
学生時代に

暮らしていた街の方へ

遠出だけど出かける用があって



懐かしい

よくドライブした

海に面した道



この海は相変わらず

シンと静かでキラキラしてて

不思議な感覚を

鮮明に私の中に蘇らせる



その時聞いていた音楽



何が気に入らないのか

いつも怒ったように

海ばかり見ていた私



私の機嫌を取りながら

面白い話をしてるあなた



わがままな私に

腹を立てることもなく

根気よく付き合ってくれてた



幸せ過ぎて

気付けなかっただけだと

今ならわかる



大切な人

大切なこと

無知な自分



何が原因で

離れてしまったかさえ

いろんなことに

埋もれ過ぎてしまって

思い出せない



昔のことなのに

せつなくなって

涙が一筋流れてた

一回だけの感情

2017-08-29 | 昔々
親に

付き合っている彼の話をして

勘当するって

激怒されたことがある



自分の親だもの

たぶんそう言うだろうなって

予測ができたから

なかなか言い出せなかった



反対理由はくだらなかった

ちょっと思い出せないくらい



それでもそんなに反対されて

貫ける固執を

私は持ち合わせていなくて

あっさり終わらせたっけ



この人じゃないとだめなのって

友人が固執を見せた時

羨ましいような

微笑ましい気持ちになる



こんな私にも思い出せる

過去一人の

そんな風に思えた人



この人じゃないとっていうのは

言葉通り

やっぱり一人なんだって思う



だって

「この人じゃないと」と

思える感情は



過去に一回

使ってしまったから



もう私の中には生まれてこない


予想通り

2017-08-26 | 昔々
今でも時々ネットで

あなたの名前を検索してみる



あなたは今

どこにいるのかなぁって



昔々のあなたと私



何時間も何時間もの

眠らずの秘密の話



ただあなたには

変なプライドがあった



私の中に何をそんなに

疑う要素を見ていたの?

裏切られるって思っていたの?



見た目はかなりのハイスペック

なのに人の言葉や心を素直に

受け取ることができない人



このままじゃ

あなたずっと一人だから

私がずっと好きでいてあげる



あなたは苦笑してたけど

あなたの得意な拒絶はなかった



愛しくてたまらないなんて

優しい言葉を言っていたかと思うと



次の時には

私を拒絶する言葉を連ねる



その繰り返し



あなたはそのやりとりを

楽しんでいたみたいだけど



わかってあげなきゃって

思っていたけど



私はだんだん

そのアマノジャク的な言葉の方が

あなたの本音に思えてきて



私があなたから離れていくのは

あなたにとっては

きっと予想通り



今もあなたは一人でいる

それも私にとっては

本当に予想通り



予想を裏切ることが

できなかったのは



あなたも私も

あまりにも弱過ぎたせい

母の思い

2017-03-25 | 昔々
私が大学生になって

一人暮らしが決まった時



母は私にその当時の

最新多機能コンパクトミシンを

荷物の中の一つとして持たせた



母は今とは違い

男顔負けの仕事人間で



私は母の手料理を聞かれて

思いつくものがないほど



手作りというものに

本当に遠い人だった



だから小学生の頃

キャラクターやアップリケのついた

友達の持っている手作りの手提げを

かわいいって憧れていた



担任の先生が一度

私に注意したことがある



あなたの服装や持ち物は

大人っぽすぎて

子どもらしくありませんって



ブランド物の大人っぽい服や持ち物を

私が選んだことなどなかったけど



もちろん私は先生の注意を

母に伝えなかった



母にはきっと子供らしいって

わからないだろうし



何より子供に興味がないことは

わかっていたから



そんな母がなぜミシン

意味がわからなかった



でも持たされたからには

使えなくてはって

大学の休みの日に

洋裁教室に通うことにした



簡単な物が作れればってくらいだったのに

ミシンが最新だったせいもあって

私はそこの先生や生徒に

かわいがられて



簡単なスーツやワンピースまで

作れるようになった



手作りの手提げなんて

簡単にできるんだって思った時



もしかして母は

私の未来の子供たちに手作りの物を

私が作ってあげられるように



自分ができなかったことを

私にはしてもらおうと

したんじゃないかなって



思い込みかもしれないけど



そんな風に

ふっと思った

天秤にかけたら

2017-03-04 | 昔々
見てしまったのは偶然だった



私の彼と私の親友が

じゃれ合ってて

彼が親友の体に

触っているところを



親友は笑って

軽くあしらってる感じだったけど



その時

私は彼と目が合ってしまって



彼はバツの悪そうな顔をした

親友は気付いていなかった

私はその場を走って逃げた



信じられなかった

私に触れたことのない彼が



信じられなかった

分かり合えてると思っていた親友が



私は親友を呼び出した

震える声でどうしてって

聞いてみた



親友は驚いていて

ふざけてただけだし

彼は誰にでもああいう感じでしょうって



彼がどうよりも

親友が私のことを

蔑ろにしてる気がして

そっちの方が悲しくて



彼と私は付き合ってるのかも

疑問に思えてきた



私の部活が終わるまで待って

家の近くまで毎日送ってくれていたし



周り公認カップルで

彼も私も否定しなかったからなのだけど



遊びに行くときはグループだったし

好きってお互い言い合ったことはないし

手を繋いだこともなくて



いつも話すのは将来の夢や暮らしのこと



彼のチャラい噂は知っていたけど

私といる彼にはそんなこと微塵も感じなかった



一度聞いたことがある

どうして私には手を出さないのって



彼は不機嫌そうになって

「まだいい」って怒った顔をしていた



彼は何事もなかったかのように

私を待っていた



私も何事もなかったかのように

笑った



あの後何日かしてから

親友が彼のことを好きだったって

私に告白した



私は迷うことなく

彼に言い放った

もう待ってないでって



親友が彼と付き合えばいいって

そうはならなかったのだけど



私は彼より親友の方が

ずっと大切だったから



彼とは卒業後会っていない



でも今も親友とは

連絡を取り続けている




大切な時を共有した人

2017-01-11 | 昔々
あの娘 何とかして



珍しく彼が

私に助けを求めてきた



彼に一目惚れした会社の同僚に

紹介してから

しばらく経ってからのこと



彼 ツンデレでぇって

私が本当にもらっていいの?って



彼女が意味不明なこと

言ってるなって思ってたけど



彼女くらいの

天然入った自信家なら



顔はいいけどプライドの高い

アマノジャクな彼と

うまくやってくれるかもしれないって



彼とは学生時代からの友達だけど

外見で寄ってくる人も

人となりを知って離れていく人ばかりで



こんなに長く友達やってるのは

本当に私ぐらいしかいなくて



動かない私に業を煮やした彼は

彼女に言ったらしい



私と30歳になったら

結婚する約束をしてるって

ちょっと早まるかもしれないって



確かにお互い30歳まで独身だったら

結婚するかって言ったことはある



ありえないから

友達でもかなりうんざりする時あるのに

夫とか考えられないから



でも彼女に私は否定しなかった

彼女より彼と友達でいることを

優先してしまったから



ちょっとひどい目にあったけど

しょうがないと諦めた



あれから何年も経ってるけど

彼はいまだにあのままの性格で



私はやっばり時々うんざりしながら

それでもやっぱり



友達を続けている

他人から見る自分

2016-11-21 | 昔々
あなたって

熱しやすく冷めやすいタイプよねって



昔 あまり親しくない人に

言われたことがある



自分から見る自分と

他人から見る自分とでは

随分違うことがあって



そして大抵

他人から見る自分の方が

正しかったりする



だからその時も

そうなのかもって思ったけど



そう言えば

毎朝欠かさず食べていたヨーグルト



ある日突然

食べたくなくなった



よく考えると

嫌いじゃないけど

特に好きで食べてた訳じゃない



体にいいからって食べてたけど

ずっと続けようと思うほど

好きじゃないって

気がついた



そう

人に対しても

それと同じだったのかなって



やっぱりある意味

熱しやすく冷めやすいタイプ

なのかもしれない

あれから毎年

2016-11-08 | 昔々
誕生日にはケーキを食べる



そんな習慣が

昔 私の家ではなかった



小学校で友達が

誕生日だったから

イチゴのケーキを食べたと

言っているのを聞いて



それいいなって憧れた



近所の友達のお母さんが

毎日手作りのお菓子を作る人で



いつもお呼ばれしていた私は

その友達のお母さんに

ケーキの作り方を教えてほしいと

お願いした



それからは

毎日友達と一緒に

ケーキやお菓子を作るお手伝いをして



本があれば一人でも作れるかもって

私は思うようになって



ある日母に

オーブンが欲しいと言ってみた



何か欲しいなどと

言ったことのない私の言葉に

母はすごく驚いて



立派なオーブンと

お菓子作りのありとあらゆる道具を

すぐに買ってくれた



最初に作ったお菓子は

やっぱりケーキで



でもお菓子の本とは

かなりの格闘で

友達のお母さんのように

上手なものはできなかった



父の誕生日に

いちごのケーキを作った



友達のお母さんに聞きに行ったり

何回も練習を重ねたから

満足するものができたと思う



一緒に食べることはなかったけど

次の日の朝

切り分けられて

減っているケーキを見て

すごく嬉しかった



誕生日おめでとうって

ケーキに書いたメッセージ



上手にできてたって

お父さんが言ってたよって

母が言った



心の中でガッツポーズ

これは家族を感じられる

大切な行事だと確信して



誕生日にはケーキを食べる

大会でのこと

2016-10-04 | 昔々
こいつは俺の教師生活で

唯一殴ったった女やって



大会の役員や手伝いに来てる

私と同じ高校出身者の人たちに

私のことを紹介する



私の高校時代の部活の顧問で

今はスポーツ協会のトップ



先生は笑い話として

軽い気持ちで言ってるのだろうけど



忘れていた苦い記憶が蘇り

私は気分が悪くなる



あんな昔のことを

覚えている先生も

その当時は苦い思い出だったに

違いないのに



先生はその貫禄のある

恐ろし気な姿と声を武器に



多くの子供たちを怖がらせ

先生にだけは気を遣わせていたけど



自分の練習だけに

いつも気を遣っている私からしたら

先生は誰でもどうでも良かった



練習のし過ぎで故障して

部活を休んでいたとき



故障した当初は部屋で毎日

一人泣いてたけど



クラスメイトが

今なら遊べるって誘ってくれて

私は初めて高校生らしい

楽しい時を過ごした



部活と勉強しかしてなかったから

何もかも新鮮で



男女何人かで遊園地行ったり

男の子と図書館で

一緒に勉強したり

一緒に帰ったり



そんなある日

先生に呼び出された



おまえは部活に来ないで

男と遊び歩いとるやろおって



いきなり怒鳴られたから

ぷいっとよそを向いて黙っていたら

頭をすごい力で殴られた



キッとした顔を

先生に向けたと思う



その日から故障が治るまで

部活には見学という形で

参加するようになった



先生に反発もしない代わりに

笑いかけることもなくなった



先生も私に

気を遣っているようだったけど

気付かないふりをした



遊んでたと言われた期間は

2週間くらいだった



大人になってから再会したとき

私は先生に笑いかけた



先生はとても嬉しそうにして

それから私を呼びつけるようになって



特別扱いは

今も変わらないけど



それはもしかしたら

先生の贖罪なんだろうかって



ちょっとだけ思う