心の模様

心の中の一つ一つを整理して、いつか素敵な部屋にしてみたい。

期間限定

2016-08-30 | 心の片隅
人の気持ちって変わるよね



昨日まで一番だった人が

今日は二番になってたりすることがある

そんなことよくあること



私があなたのことを

愛してるって言ったとしても



私の心の奥底まで

あなたは覗くことができないし



そんな奥の奥まで

あなたは知る必要がない



でも知られて困るのは

本当は私なのかあなたなのか



私の中味が何もないことを

あなたが知ってしまったら



あなたはもう

私といられないよね




そう

あなたが私の空洞に気付くまで

その時までが



あなたと私の恋人期間

素知らぬ顔で

2016-08-24 | 心の片隅
サクッと聞こえた気がした



研いだばかりの包丁

切れ味は最高で

料理が楽しくなるのだけど



ああって思った時は

左手の親指に

刃が入ってしまった後で



浅いはずだから大丈夫って

じっと見つめていると



じわじわじわじわ

血が滲んんできて

血が滴り始める



その血の色が

何だかとっても綺麗で

しばらく見惚れてしまう



生きている生きているって

主張しているように

噴き出てきて



昔は血をみるだけで

くらくらしてたけど

いつのまにか大丈夫になってる



はっと我に返って

血だらけの手を

洗い流す



絆創膏を貼ったら

止血された指が

ドクドクと脈打って



生きている生きているって

また主張しているようで



頑張らなきゃって

指に力を込めた

期待してなかったけど

2016-08-23 | 願い
駅出たら三つ目の信号を左
まるでここらに私
住んでますみたいに
颯爽と歩く



地図は頭に入ってる
調子に乗って早足で
らったらったら



そしたらここはどこ?
になったけど大丈夫
人の流れに沿ってしまえば



ついたついた
何だか一人旅って
楽しいじゃない



でも結局
あなたには会えなかった



連絡を取ったわけじゃない
偶然に逢えたなら
何だか運命的な感じで



私のこれからが
ちょっと違ってくる気がして



がっかりするほどには
期待していなかった



私にはやっぱり
神がかり的な力は
備わっていなかったことを
確認しただけ



ただ一人で泊まるホテルで
潜まってた不安が広がった



夜に着いたからか
どこかに誰かが
隠れてるんじゃないかとか



お化けが出てくるような
そんな気がしてしょうがない



見もしないテレビをがんがんつけて
使いもしない水を出して



困った
今 虫の一匹でも出たら
間違いなくパニックになる



この知らない部屋に
閉じ込められたような



いつもとは様子の違う
閉所恐怖症



膝を抱えて
ベッドの中へ潜り込む



自分の鼓動で
ベッドが船のように
ゆらゆら揺れる



このホテルには
二度と泊まらないって



昼間とは全く違う
自分が言った

わくわく

2016-08-20 | 不思議
早朝の新幹線の待合室
スーツケース引きずる
華やかな装いの人々

普段の休日の
ジャージ姿ばかり見慣れた私には
かなり新鮮で
じろじろ見ないように
気を使ってしまう

一人で大丈夫かと
いらぬ心配だった

気分はかなりハイテンション
新幹線の中で食べる
サンドイッチが思いの外おいしくて
どんどん楽しくなる

朝の陽射しが眩しくて
外が見えないのが
少し残念だけど

コンセントもついているから
退屈ではない

でもやっぱり景色が見たくなって
そっと覗いてみる

曇ってる空がなぜか
ピカピカ光り輝いているように見えた

いつも笑顔で

2016-08-18 | 日常
不敗神話の

崩壊した瞬間だった



相手チームのどよめきと歓声

泣きながら抱き合って

万歳しながら吠えていた



対してこちらのチームでは

下を向き肩を震わせる子

怒った顔して地面を蹴る子

呆けた顔して空をただ見上げてる子



負けたことのない

この大会の団体戦



卒業した先輩たちや

いろんなチームのコーチたちの

首をかしげる顔



誰もが勝って当然と思っていた

厚い選手層

どこにも負けない練習量

実力差は明らかだったはず



負けた子供たちを見つめながら

一人が言った



連勝をこの子たちの代で

ストップさせちゃったね



皆 下を向いていると

別の一人が言った



負けて良かったんだよ



天狗にならずに

また最初から

皆で話し合わせて

考えさせるいい機会だよって



心の中のモヤモヤ感は

取れないけど

そうかもしれないって

目を閉じた



切り替えよう

いろんな大会が

まだまだずっと続く



大人のがっかり感は

子どもに微妙な変化を

もたらしてしまうから



だから絶えず私たちは

平静で優しく



いつも元気に

迎えてあげたい

頑張る理由

2016-08-18 | 不思議
人ごみの中を歩いていた

楽しいはずだと思いながら



同じ方向へ進む人ごみの中では

方向転換することは

不可能に近くて



それでも

楽しいはずだと

楽しまなければって思ってる



隣を見た

頑張らなきゃって思う



でもそう思えば思うほど

嫌な汗が出てきて



今日の夜のダウンしてる自分が

想像できた



汗がどんどん流れる

私のメンタルも

流され始める



やめておけば良かったって

ちょっと後悔して



ふと顔を上げると

あっちにもこっちにも

私と同じように

うつろな顔して歩いている人たちで



皆頑張ってる

誰かのために

誰かを喜ばせるために



こうなることは

少なからず予想していたはず



頑張るから

まだ頑張れるから



そして

人ごみの中をまた必死で歩いた



隣で笑ってくれるはずの

愛しい人のために

2016-08-12 | 醜い
人前で泣かない子供だった



弱い子だと寂しい子だと

誰かに思われるのが嫌で

歯を食いしばった



その分一人で自分の部屋へ

一歩踏み入れた途端

涙がぽろぽろ流れた

でも声は出さなかった



そんなだったから

いろんな子供が泣く

いろんな大人が泣く



人前で泣く理由は何だろうって考えた



どこか痛いとか

人目も気にならないほどの悲しみ以外で

泣いている人はたくさんいた



大人になりかけた頃

涙は武器だと誰かが言った



自分の考えが通らない時に

通そうとするための武器



私はその武器の遣い方を

すぐに覚えた



かなり便利なものだと

遣ってみてわかった



そして私はどんどん

ずるくなっていって

どれが本当の自分なのか

わからなくなっていった



人前で泣くことが

ここは必要だと感じたら

躊躇わずに泣いて見せられたから



もう一人で部屋で泣くことは

なくなっていた



だから

たいしたことないのに

泣いてる人を見ると

がっかりする



この人も私と同じかって



健康診断

2016-08-06 | 日常
早期発見早期発見

無料なんだから無料なんだから



無料と言う言葉は

多くの人の心を揺さぶるらしい



私は気付いたら

手遅れだったっという状態で

それで死ぬから

受けたくないんだけどって言うと



自分のために受けなくていい

あなたの近しい人のために

受けないといけないのって



気付くの遅かったからって

人間すぐには死なないのって



周りの人に迷惑かけて

生き続けなきゃいけなくなるから



だからそうならないために

近しい人たちのために

早期発見して治すのって



それで私は

もう三日も経つのに

一向に治まらない

内出血した腕を

見続けることになった



健康診断は

近しい人のためのもの



だから来年も再来年も

早期発見できるように



私は内出血が治まるまで

腕を紫色に

染めていることになる

時には

2016-08-05 | 昔々
健康診断の血液検査で

腕に大きなあざができたような

内出血してしまって

紫色が広がっていたから



それを隠すために

建物の中でも

長い手袋をしたままで



初めて来た場所だったけど

しょうがないってそのままにした



手袋が気になってて

気付くのが遅れたけど



司会の人が

じっと私を見ていた



そんなに若くないけど

かなりのイケメンで

目を惹く感じだけど

見覚えがある気がした



あの人だ



帰りがけにその人が

近付いてきて



綺麗になったねって

真面目な顔をした



随分老けたねって

言いたいんでしょって

目だけ出して

私は顔を掌で覆って

笑って見せた



その人は首を振って

少し笑った



私は急に手袋を取って

このすごい紫色の腕を

その人に見せたくなった



驚かしてあげようって思った



でもいろんな人が

わやわゃきて

その人との会話は

すぐに終わって



後には話したりない

お互いの思いだけが

見つめ合うという形で

交差するだけで



でもこれでいい

今更その人と

どうにかなるわけでもない



もう逢うこともないだろう



遠い昔の

高校時代の恋人