<土曜は株のおはなし>
「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」の購入はコチラ
「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」という本では、バフェット流銘柄選択術が示されており、具体的には以下の13の質問を満足できれば、その株式を購入した方が良いというものです。
私はこの本にとても感銘を受け、このブログの左側の方にもオススメな本として紹介している次第であります。
今回は、ケンコーコムについて具体的に判断してみたいと思います。株式投資の参考になればと思います。
データは、四季報CD-ROMが主ですが、Yahoo(ホームページ)、ロイター(ホームページ)、MSN(ホームページ)を参考にしました。
1消費者独占力を持っているか?
ケンコーコムは、メーカーではないのでバフェットの言う消費者独占力はありませんが、取扱が8万点を超えて欲しい物がほとんどあり、しかも安く、また3000円以上は送料無料なので、地方の方や子育て等で買い物がなかなかできない方には重宝され、そういう意味では消費者独占力はあると思います。
2事業内容を理解しているか?
インターネットで健康食品中心に、日用雑貨、医薬品、化粧品など販売しています。中小、地方の商品も取り扱っていて、2007年9月には取扱が8万点を超えたようです。Eリテイル94%、他リテイル1%、他6%です。
3製品・サービスは20年後も陳腐化していないか?
インターネットを使った通信販売は20年後も陳腐化しないと思われます。
4コングロマリット(直接の関係を持たない多岐に渡る業種・業務に参入している企業体)か?
インターネットを用いた健康食品中心の販売に特化しているため、コングロマリットではありません。
5 1株当たり利益(EPS)は安定成長しているいか?
EPS BPS ROE(EPS/BPS) 配当 配当性向 株価(年末) PER(株価/EPS)
1999,3 5,137.98 54,541.88 9.4% 0 0.0% 0.00
2000,3 -47,515.13 6,936.76 -685.0% 0 0.0% 0.00
2001,3 -155,336.41 7,729.96 -2009.5% 0 0.0% 0.00
2002,3 -8,849.45 4,739.19 -186.7% 0 0.0% 0.00
2003,3 107.86 4,996.69 2.2% 0 0.0% 0.00
2004,3 8,307.18 14,162.22 58.7% 0 0.0% 0.00
2005,3 -2,857.91 52,868.01 -5.4% 0 0.0% 330,000 -115.47
2006,3 2,194.29 65,250.52 3.4% 0 0.0% 345,000 157.23
2007,3 433.60 65,790.76 0.7% 0 0.0% 129,000 297.51
平均 -312.5% 0.0% 113.09
-26.6% (EPS成長率)
EPS成長率は、創業や上場から間もないこともあって、EPSは乱降下していて安定していません。
EPS成長率の計算は1999.3~2007.3で計算して-26.6%となりよくありません。
6安定的に高いROE(平均)をあげているか?
2003,3 1.20% ←ロイター
2004,3 70.10% ←四季報、ロイター
2005,3 -8.38% ←四季報、YAHOO、ロイター
2006,3 3.59% ←四季報、YAHOO、ロイター
2007,3 1.92% ←YAHOO、ロイター
平均ROE -1.0%
安定的に高いROEをあげているとはいえません。2004.3以外は低ROEです。平均ROEは2005.3~2007.3で計算しました。
7強固な財務基盤を有しているか?長期負債/税引利益倍率
55.08
この本では長期負債となっていますが、有利子負債で計算しました。この負債を返済するのに55.08年かかる財務となります。有利子負債は、661百万円とそんなに額は大きくないのですが、税引利益が少ないため、財務的には悪くなっていません。
8自社株買戻しに積極的か
MSN(財務諸表→10年間の概括)で10年間の発行済み株式数のデータあり
2002,3 0 (百万)
2003,3 0 (百万)
2004,3 0 (百万)
2005,3 0 (百万)
2006,3 0 (百万)
2007,3 0 (百万)
自社株買いには積極的ではないと思います。逆に第三者割当を2007年3月に行っています。
9製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回っているか?
製品価格の上昇はインフレ率と同等と考えられます。
10株価は、相場全体の下落や景気後退、一時的な経営問題などのために下落しているか?
株価は2004年の上場以来、下落し続けています。
11株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)と利益の予想成長率を計算し、国債利回りと比較せよ
現在の株価 \82,100
A:株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)
0.5%
B:予想EPS成長率
-26.6%
A+B -26.1% :長期投資の期待収益率
国債の利回り
1.723% 10年国債
2.436% 30年国債
米国で当時7%
長期投資の期待収益率は、株式の益利回りもあまりよくなく、大幅なマイナスです。
12株式を擬似債券と考え、期待収益率を計算せよ
株主資本の予想成長率
=ROE(1-配当性向)
-1.0%
10年後の予想BPS=直近のBPS×(1+株主資本の予想成長率)^10
59,761
10年後の予想株価=10年後の予想BPS×平均ROE×過去10年間の平均PER
\-64,654
今後10年間の期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
#NUM!
擬似債券と考えた期待収益率は予想株価がマイナスとなってしまい、計算不能です。
13過去のEPS成長率をもとに計算する手法で期待収益率を計算せよ
過去の平均EPS成長率=(直近のEPS/10年前のEPS)^(1/10)-1
-26.6%
予想EPS=直近のEPS*(1+過去の平均EPS成長率)^10
20
10年後の予想株価=予想EPS×過去10年間の平均PER
\2,230
期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
-30.3%
EPS成長率をもとにした期待収益率はマイナスとなっていてよくありません。
<まとめ>
ケンコーコムは、消費者独占力はあると思われ、事業内容は理解しやすく、サービスは20年後も陳腐化しないと思われ、コングロマリットではありませんが、EPS成長率はマイナスで、ROEは低く、財務基盤は強固ではなく、自社株買いに積極的ではなく、製品の上昇はインフレ率と同等と考えられ、株価は下落し続け、期待収益率はどれも悪く、残念ながら、バフェット的にはオススメできない銘柄です。
株のお話しまとめ(2007年)
株のお話しまとめ(2006年)
<今日の独り言>
2002年チャイコフスキーコンクールで優勝したピアニストの上原彩子のドキュメンタリーを見て、以下のCDを聴きたくなりました。かなりの集中力の賜物のようです。集中して体を右に傾けながら弾いていました^_^;)
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「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」という本では、バフェット流銘柄選択術が示されており、具体的には以下の13の質問を満足できれば、その株式を購入した方が良いというものです。
私はこの本にとても感銘を受け、このブログの左側の方にもオススメな本として紹介している次第であります。
今回は、ケンコーコムについて具体的に判断してみたいと思います。株式投資の参考になればと思います。
データは、四季報CD-ROMが主ですが、Yahoo(ホームページ)、ロイター(ホームページ)、MSN(ホームページ)を参考にしました。
1消費者独占力を持っているか?
ケンコーコムは、メーカーではないのでバフェットの言う消費者独占力はありませんが、取扱が8万点を超えて欲しい物がほとんどあり、しかも安く、また3000円以上は送料無料なので、地方の方や子育て等で買い物がなかなかできない方には重宝され、そういう意味では消費者独占力はあると思います。
2事業内容を理解しているか?
インターネットで健康食品中心に、日用雑貨、医薬品、化粧品など販売しています。中小、地方の商品も取り扱っていて、2007年9月には取扱が8万点を超えたようです。Eリテイル94%、他リテイル1%、他6%です。
3製品・サービスは20年後も陳腐化していないか?
インターネットを使った通信販売は20年後も陳腐化しないと思われます。
4コングロマリット(直接の関係を持たない多岐に渡る業種・業務に参入している企業体)か?
インターネットを用いた健康食品中心の販売に特化しているため、コングロマリットではありません。
5 1株当たり利益(EPS)は安定成長しているいか?
EPS BPS ROE(EPS/BPS) 配当 配当性向 株価(年末) PER(株価/EPS)
1999,3 5,137.98 54,541.88 9.4% 0 0.0% 0.00
2000,3 -47,515.13 6,936.76 -685.0% 0 0.0% 0.00
2001,3 -155,336.41 7,729.96 -2009.5% 0 0.0% 0.00
2002,3 -8,849.45 4,739.19 -186.7% 0 0.0% 0.00
2003,3 107.86 4,996.69 2.2% 0 0.0% 0.00
2004,3 8,307.18 14,162.22 58.7% 0 0.0% 0.00
2005,3 -2,857.91 52,868.01 -5.4% 0 0.0% 330,000 -115.47
2006,3 2,194.29 65,250.52 3.4% 0 0.0% 345,000 157.23
2007,3 433.60 65,790.76 0.7% 0 0.0% 129,000 297.51
平均 -312.5% 0.0% 113.09
-26.6% (EPS成長率)
EPS成長率は、創業や上場から間もないこともあって、EPSは乱降下していて安定していません。
EPS成長率の計算は1999.3~2007.3で計算して-26.6%となりよくありません。
6安定的に高いROE(平均)をあげているか?
2003,3 1.20% ←ロイター
2004,3 70.10% ←四季報、ロイター
2005,3 -8.38% ←四季報、YAHOO、ロイター
2006,3 3.59% ←四季報、YAHOO、ロイター
2007,3 1.92% ←YAHOO、ロイター
平均ROE -1.0%
安定的に高いROEをあげているとはいえません。2004.3以外は低ROEです。平均ROEは2005.3~2007.3で計算しました。
7強固な財務基盤を有しているか?長期負債/税引利益倍率
55.08
この本では長期負債となっていますが、有利子負債で計算しました。この負債を返済するのに55.08年かかる財務となります。有利子負債は、661百万円とそんなに額は大きくないのですが、税引利益が少ないため、財務的には悪くなっていません。
8自社株買戻しに積極的か
MSN(財務諸表→10年間の概括)で10年間の発行済み株式数のデータあり
2002,3 0 (百万)
2003,3 0 (百万)
2004,3 0 (百万)
2005,3 0 (百万)
2006,3 0 (百万)
2007,3 0 (百万)
自社株買いには積極的ではないと思います。逆に第三者割当を2007年3月に行っています。
9製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回っているか?
製品価格の上昇はインフレ率と同等と考えられます。
10株価は、相場全体の下落や景気後退、一時的な経営問題などのために下落しているか?
株価は2004年の上場以来、下落し続けています。
11株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)と利益の予想成長率を計算し、国債利回りと比較せよ
現在の株価 \82,100
A:株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)
0.5%
B:予想EPS成長率
-26.6%
A+B -26.1% :長期投資の期待収益率
国債の利回り
1.723% 10年国債
2.436% 30年国債
米国で当時7%
長期投資の期待収益率は、株式の益利回りもあまりよくなく、大幅なマイナスです。
12株式を擬似債券と考え、期待収益率を計算せよ
株主資本の予想成長率
=ROE(1-配当性向)
-1.0%
10年後の予想BPS=直近のBPS×(1+株主資本の予想成長率)^10
59,761
10年後の予想株価=10年後の予想BPS×平均ROE×過去10年間の平均PER
\-64,654
今後10年間の期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
#NUM!
擬似債券と考えた期待収益率は予想株価がマイナスとなってしまい、計算不能です。
13過去のEPS成長率をもとに計算する手法で期待収益率を計算せよ
過去の平均EPS成長率=(直近のEPS/10年前のEPS)^(1/10)-1
-26.6%
予想EPS=直近のEPS*(1+過去の平均EPS成長率)^10
20
10年後の予想株価=予想EPS×過去10年間の平均PER
\2,230
期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
-30.3%
EPS成長率をもとにした期待収益率はマイナスとなっていてよくありません。
<まとめ>
ケンコーコムは、消費者独占力はあると思われ、事業内容は理解しやすく、サービスは20年後も陳腐化しないと思われ、コングロマリットではありませんが、EPS成長率はマイナスで、ROEは低く、財務基盤は強固ではなく、自社株買いに積極的ではなく、製品の上昇はインフレ率と同等と考えられ、株価は下落し続け、期待収益率はどれも悪く、残念ながら、バフェット的にはオススメできない銘柄です。
株のお話しまとめ(2007年)
株のお話しまとめ(2006年)
<今日の独り言>
2002年チャイコフスキーコンクールで優勝したピアニストの上原彩子のドキュメンタリーを見て、以下のCDを聴きたくなりました。かなりの集中力の賜物のようです。集中して体を右に傾けながら弾いていました^_^;)