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「絶対に会社をつぶさない 社長の営業(小山昇)」という本はとてもオススメ!

2014年08月01日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 「絶対に会社をつぶさない 社長の営業」という本は、社長自らが営業を行うことで業績が上がるということについて、その社長営業の基本ややり方、理由等について分かりやすく51の項目に分けて説明したものです。

 特に本書では、著者の会社が社長が営業するように経営サポートをして業績を飛躍的に伸ばした実例を8社以上紹介しているのは、具体的に説得力があり素晴らしいと思いました。

 そもそも社内にメシの種は落ちていないのだから、情報を得るために社長は社外へ営業へ行かなければなりません。

 また、社長の名刺には社長が思う以上の威力があり、先方は「わざわざ社長が来た」ことに驚き、感激し、信用も増し、大口の注文が入るようになり、売り上げが倍増するようです。

 会社が伸びるのは社長次第なんですね。

 「絶対に会社をつぶさない 社長の営業(小山昇)」という本は、具体的に分かりやすく社長の営業について説明があり、とてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です。

・基本的に中小企業は、社長よりもダメな人を集めて経営するものです。それなのに多くの社長が、何を血迷ったか、「うちの会社はいい人がいない。もっといい人材がほしい」と寝言を言う。中小企業の社員は、機会があったら、もっといい会社に移りたいと常に思っています。でもそうしないで、働いていてくれている。ということは、今いる社員が一番いい社員だということです。こんな単純なこともわかっていない社長がいかに多いことか。だとすれば、今いてくれる人には、不満を抱くどころか、感謝しなければならない。「うちの社員はどうしようもない」という社長のほうがどうしようもない。感謝の気持ちがないから、社員や幹部を怒鳴ったり、威張ったりする。思い当たる節のある社長は大いに反省するとともに、変な社長の部下でいてくれることに感謝するべきです。だから、社員がマーケットからいい情報を取ってくることを期待するのではなく、自分で取りに行くこと。自分が会社に座っていて、有益な情報を上げてくれる社員がいつか来てくれるだろうという姿勢は間違っています。

・いい人材が集まりにくい中小企業では、社長よりうまく営業ができる人はいないのです。新規開拓はなおさら、社長でなければ無理です。したがって社長がみずから営業に出ていかなければならない。もっとも社長一人が営業に回れるお客様の数にも限りがあるから、ロイヤルカスタマー以外は、ベテランの幹部社員に引き継ぎます。社長が開拓したお客様を幹部が守るのが正しい姿勢です。

・広い世界を知っているのは、世間の厳しい現実を知っているからです。だから他人に対する甘えがない。世間の狭い人は、他人にどうにかしてもらえるという甘い期待を抱いている。だから誰もしてくれないと言って不満を抱くのです。世間が小さい穴熊社長は、「会社の業績が悪いのは、うちの社員の働きが悪いからだ」と思っている。ところが私は社員が悪いなんて思ったことがない。会社がうまくいくのも危なくなるのも、すべて社長の責任だと思っているからです。

・新しいことに挑戦して失敗するのは失敗とは言いません。「一歩前進」です。二回目の失敗も失敗ではありません。これを「確認」といいます(ただし3回目の失敗は「単なるバカ」になるので気をつけなければなりません)。一度や二度の失敗は失敗ではありません。なぜいま、私が、これだけ順調に経営ができているかというと、私は64歳現在で、失敗の数が世界一だからです。私よりも失敗の体験のある人はいないと自信をもって断言できます。だから社長も、幹部を育てためには失敗を許す。そして自分は外へ出ていくことが肝要です。

・中小企業が業績を伸ばせるのは、お客様が困っていること、お客様が面倒と思っていること、お客様が嫌だなと思っていることを解決するからです。それがすなわち商売になる。これは会社の中にいる穴熊社長にはつかめない情報です。私はいま日本全国のお客様を訪ねて回って、お客様の要望を直接この耳で聞いています。当社の経営サポート事業部がここまで大きくなったのも、私がお客様と話をして、情報を聞いているからです。うまくいったのは、お客様のニーズに応えたから。そしてお客様のニーズに気がついたのは、私が社長だからです。会議を開いて新商品をつくるより、お客様が困っていること、お客様に言われたことを改良したほうが、早く確実に売上があがります。このような情報を得るためにも、社長は外へ出て営業をしなければなりません。

・社長が出ていけば、決裁権を持つ人に会うチャンスが増える。こんなことは一営業マンには望めないことです。世界のトヨタも、株式会社武蔵野も、社長は一人。「社長」の重みに会社の大小は関係ありません。会社にたった一人しかいない社長がみずから足を運んで営業に来たということに対して、先方はプライドをくすぐられるし、こちらの真剣さも伝わるのです。社長が営業に行くべきなのは、あらゆる業種に言えることです。

・真似をすることは、恥ずかしいことではありません。最高の創造です。ところがみんな真似をしない。真似をしても中途半端で、自分なりの工夫を加えたがる。でも日本一になりたければ、我流になりそうになるのをおさえて、ひたすら愚直に真似をすることです。うちのバカ娘はピアノをやっていますが、高校のとき音楽で特待生になりました。なぜなれたかというと、先生が教えたことを1から10まで真似したから。工夫しなかったからです。いまだに先生に教えてもらうときは、そのまま真似しています。

・営業先の規模は大きすぎてもダメ、小さすぎてもダメ。自社に合ったターゲットと地域を決めなければいけないのです。もう一つの営業先を選ぶ尺度は、取引することで得られる粗利益です。

・人と人とのコミュニケーションは「質より量」が大原則です。どんなコミュニケーションを取ったかという「質」よりも、どれだけ多くコミュニケーションを取ったかという「量」のほうが大事。ここをみんな勘違いしている。コミュニケーションとは、情報と感情のやり取りのことです。感情は心のやり取り。情報は、物のやり取り。この2つで成り立っていまs。そして心のやり取りは、量が増えるのに応じて質が高まるようになっています。同じ人と何回も会うから、友情が芽生えてくる。初めて会ったその日にいきなり友情が芽生えることはない。親友と呼べるようになるまである程度の歳月が必要でしょう。頻繁に顔を合わせるから親しさが深まっていくのです。人間社会でのコミュニケーションをよいものにしようと思ったら、営業でも恋愛でも何でも、最初に問われるのは量。質が問われるのはそのあとです。

・誠意ある態度を見せるためには、心を込めて謝ることよりも大切なことがあります。謝る人の人数を増やすことです。担当者一人がお客様のところへ行って、誠心誠意、心から謝るのと、専務と常務と部長が一緒に行って、合計5人が頭を下げるのとでは、どちらが誠意が伝わるのか。それは人数が多いほうです。クレーム対応のときの誠意は量です。量と質を兼ねて謝りに行くのは社長です。だから営業も1回行っただけでは、誠意ある営業とは言わない。1回の面談時間は短くていいから、その代わり何度も足を運ぶこと。いつも私は、「6回以下の訪問は、行ったことにならない」と言っています。断られてもあきらめずに行くのは基本中の基本。断られるのは当たり前です。昨日や今日訪問したばかりで、すぐに契約が取れるなどと思うのは甘すぎる。

・コミュニケーションは質より量ですから、「こんにちは、さようなら」のほかに、たいした話をしようと思わなくていい。雑談はできるだけ意味のない、軽い話題がいい。天気の話、スポーツの話などは最適です。あなたが自分の親友と会うとき、深刻な話ばかりするでしょうか。酒を飲んで、あまり意味のない話ばかりしているのではないですか。くだらない話ができる相手だから、一緒にいて居心地がいいのです。私が経営指導している社長たちとの付き合い方もそうです。いつも酒を飲みに行ったり、キャバクラへ連れていったり、くだらない話ばかりしているから、みんな私に本当のことを言う。いつも真面目に、「子、のたまわく」なんてやっていたら、みんな寝てしまいます。

・見積もりを要求されたらその日のうちにつくって持っていく。内容は完璧でなくていい。スピード対応と熱意を見せることが、新規開拓の営業では必要です。

・提案書作成のために、3日間かけて、微に入り細に入り、詳しい提案書をつくってはいけません。まずは最初の一日で、骨組みだけをつくって、お客様に意見を聞きに行きます。そして反映させたものをまた見ていただき、それに対して要望を聞く。また持ち帰って反映させる。このようにして完成させるほうが、お客様の満足度は高くなる。一人で考えて100%の提案書を作ろうとするよりも、60%の提案書を作って、それをお客様と一緒に100%に仕上げていったほうが精度の高い提案書になるのです。自分一人で完璧を目指すことに意味はありません。みんなそこを間違えています。お客様が何を求めているかを教えてもらうことが営業です。

・金額についても、お客様との1回目の取引で儲ける飛鳥はありません。新しいお客様と取引をするとき、最初から人並みの利益を得るのは間違いです。会社全体として出ている利益は、新しいお客様の開拓に使うことです。普通は目先の利益にこだわり、そのまま利益を出し、税金を差し引いた残りを内部留保にしますが、その考え方は間違いです。利益は何をおいても、お客様の数を増やすことに使わなければいけません。利益は未来に投資するのが鉄則です。新しいお客様が開拓できれば、そのお客様は毎年、利益を生みます。そうすれば元は取れる。だから新しいお客様を開拓できるのであれば、どんな注文でも必ず受ける。最初に金額的に不利な条件で引き受けると、その後もずっとその条件が続くのではないかと心配になるかもしれませんが、そんなことはありません。自社の商品やサービスがよいものであれば、まともな取引先は適正な価格を払ってくれます。もしいつまでたっても適正な価格を払ってくれないようだったら、そのときは途中で断ればいい。初めてのお客様で儲けようと思ってはいけない。1回目は料金をかなり安くするなり、場合によっては無料にしてもいい。

・お客様から問い合わせが来たら、どうして自分の店や会社の存在を知ったのか、つまり認知経路を聞くのです。それから、どうして買ってくれたのか、つまり購買動機を聞き出す。これは自社を強くするための大きなヒントです。お客様が商品を購入したら、さりげなく「当店のことは、どうしてご存じだったんですか」と聞く。認知経路には、広告、インターネット、紹介、自分で調べたなどいろいろな経路があります。そのなかで特に多い経路を強化すれば、さらに自社のことを知ってもらえる確率が高くなる。「インターネットのグルメサイトでこのお店をほめていたので、来てみました」と、お客様に言われることが多いなら、インターネットへの露出を多くするというように。

・お客様の本音を聞き出すには、コツがあります。それは契約や取引、買い物が終わって、お客様がこれ以上商品をお買い上げにならないと気付いた瞬間のタイミングで聞くことです。車を買いに来た人に、「どうしてこの車にしたんですか」と聞くのは、納車のときに限る。もうこれ以上売りつけられないから、お客様も安心して本当のことを言う。これを「真実の瞬間」といいます。

・既存のお客様を守る方法のひとつが、年2回のお中元・お歳暮訪問です。いまはお中元・お歳暮の時期でも虚礼廃止の会社が多いですが、お客様を失いたくなければ、たった年2回のこのチャンスを逃さないことです。社長が足を運んで挨拶に行けば、普通、取引は続きます。多くの会社が、「当社はお客様を大切にしている」と言います。でも「大切にしている」と口で言うわりに、感謝の気持ちを形にしていない。だからライバルに取られてしまうのです。社長が盆暮れにわざわざ挨拶に来てくれる取引先と、来ない取引先では、どちらを大事にするでしょうか。そんなこと言わなくてもわかりますね。肝心なのは、社長が自分で、お中元やお歳暮を持っていくこと。宅配便やデパートの配送では、ビールやお菓子の詰め合わせなどのモノは送れても、心は送れません。

・私は訪問のときは、鉢植えの花を持参します。お客様は社長の仕事は忙しいと知っています。でも社長がわざわざ手にシクラメンや欄の鉢植えを持って、お客様のところを訪問すると感激してくれる。商売では、お客様のところに根が付いたほうがいい。だから私は根付くようにとの意味を込めて、根っこがある鉢植えの花を贈ります。花は半年もしないうちに枯れるから、また新しい花を持って訪ねて行ける。これもまた、次に行ける種をまいてくる戦略です。

・営業における話し方で一番大事なことは、何だと思いますか。それは、毎回同じ話をすることです。私はもう25年間、どこに行っても、毎回同じ話をしています。なぜなら同じ話をしても、反応はその都度違うので、相手がどう思ったかがわかるからです。私は銀行へ業務の報告に行くと、どの銀行でも、毎回同じ話をします。同じ話をするから相手の反応の違いがわかる。毎回違う話をすると、比較対象がないから、反応がわからない。たくさんの話題を持っている人は一見利口そうだけれど、本当はおバカです。反応が違うからこそ、「ああ、ここが一番有力だ。見込みがあるな」「ここはさっきのところと比べて、全然反応がよくないぞ」とわかるわけでしょう。ところがダメな社長は、いっぱいある知識のなかから、毎回違うことを言う。これは自分から売れないように、売れないように、売れないように一生懸命やっているのと同じです。

・部下は、一度や二度の拒絶など意に介さず、淡々と訪問を繰り返す社長の姿を見て、胸を打たれる。守衛や受付に邪険にされている姿を見せれば、部下は、「お客様を獲得するというのは、こんなに大変なことなんだ」と実感します。そうすれば、現在のお客様をいまよりもっと大切にするようになる。そして取引先に頭を下げる社長を尊敬するようになる。そもそもプライドやメンツなど、何の役にも立ちません。社員には自分のダメなところを見せること。そうすれば社員は、自分が社長を支えようと思ってくれます。

・お客様と話をするときは、なんでもいいから、とにかくほめることです。ほめることの何がいいといって、お金がかからないこと。時として、お金をもらったときより喜ぶものです。社員が頑張ったときも、ほめてあげれば、一銭もかけずに喜ばせることができる。ほめることは、お金をかけずに相手を喜ばせる素晴らしい方法です。営業もそうです。ほめて、ほめて、ほめまくれることが肝要です。営業で話すことに苦手意識がある人は、お客様のところに行って目についたものを片っ端からほめまくればいい。そうすれば話題に困ることもありません。

・ほめることがいい結果を生むことは営業でも社内でも同じ。社長はどんなときでも、心からお世辞を言えるようでなくてはいけません。

・私が社内の整理・整頓にものすごく力を注ぐのは、有名かもしれません。わが社では役職を問わずすべての社員に、毎朝30分間の掃除を義務づけています。掃除をするのは就業時間内で、ちゃんとした仕事の一部です。どこもかしこも清潔で、徹底的に整理され、余計なものはボールペン1本たりとも出しっぱなしになっていません。これは事務所だけではなく、倉庫も同様です。この徹底した整理整頓を当社では「環境整備」といって、サポート企業の皆さんにも推奨しています。

・営業の手法として勧めているのが、「来社誘導」という方法です。新規契約をしてもらいたい会社に、自社に来てもらって、整頓が行き届いた内部を見ていただく。企業が新規のお客様の信頼を得るのは大変なことです。付き合いのない会社は、なかなか信用してもらえません。しかしキレイに磨きあげられた社内を見れば、「しっかりした会社」であることは一目瞭然。先方に一目で信頼してもらうことができます。百聞は一見にしかずとはこのことです。

・サッカーの好きな人は友達もサッカーが好き。野球ファンは友達も野球ファンです。そうすると社長の友達は社長です。若いOLにほかの会社を紹介してくださいと頼んでも、滅多に社長の知り合いはいない。社長には青年会議所の仲間とか、同友会の仲間とか、ロータリークラブの仲間がいます。社長は決定権があるので、話が早い。営業は、決定権のあるキーマンにはたらきかけるのがコツです。「自分のところは紹介してもらうだけの価値があるかどうか・・・」と自信を持てない社長がいますが、価値がある、ない、は相手が決めることです。その人が紹介してくれると言うなら、それを鵜呑みにすればいい。営業と一緒です。向こうが決めることだから悩まない。ここをみんな間違えています。恋愛でも、「私と付き合ってくれませんか、と言うと嫌われるかもしれない」とウジウジ悩む人が多いけれど、そんなことは、こちらが決めることではない。相手が決めることでしょう。

・お客様にお客様を紹介してもらうときに忘れてはいけないのは、間に立って紹介してくれた人に中間報告をすること。これをしない人が意外と多い。紹介した人は、「あのあと、どうなっただろう」と気になっているものです。それなのに紹介だけもらって、その後は音沙汰なしでは、礼儀知らずと思われても仕方がない。「ご紹介いただいた誰それさんにお会いしてきました」「こういう提案をしたら、いまこんな状況になっています」というような中間報告はマメにする。そうすれば、交渉が難航しているときも「すみません、いまひとつなので、社長かあお口添えいただけませんか」というお願いもしやすい。

・紹介の労をとってくれた人には必ずお礼をすること。お礼というと何か物を贈ることを考えると思いますが、もらってうれしいのは物より現金に決まっています。紹介のお礼に限らず、物よりもお金のほうが効果的なことは多い。なぜなら、相手が欲しいものと、こっちがいいと思うものは違うのですから。紹介してくれた人へのお礼は、受注金額に応じた「これぐらい」と思う額で差し上げることです。私は100万円差しあげたことがあります。そうすると相手は「また次も紹介してあげよう」と思うもの。1000円の商品券をもらって、「また紹介してあげよう」と思う人はいないでしょう。ましてやお礼のハガキ1枚で済ませてしまっては、「次」はありません。

・銀行は3月、9月が決算です。銀行マンにとっても、このときは成績を上げなければいけない。3月、9月は、銀行の支店長は審査が通るように頑張ります。ですから、この時期にお金を借りておくのが利口です。穴熊社長は銀行の話をすると、すぐ「金利がもったいない」と言う。これも間違った認識です。金利は2%、税金は50%。利益を出しても半分は税金でもっていかれる。それに比べれば金利は安い。金利を気にする社長は、だいたい業績が悪い。そして、銀行から借り入れる金額は多いほうがいい。会社が潰れるのは、現金がないから潰れるのです。キャッシュを持っていれば、絶対潰れません。

・取引先に威張るのはもってのほかです。その人たちを大切にしなければ、自分の会社がダメになってしまう。仕入れをしている会社は、自社の稼ぎのもとです。商品が足りなくなってきとき、どこから供給するのですか。いつも大事にしてくれる会社でしょう。いつも文句を言っているところなんか、「ざまあみろ」とばかりに最後に回すに決まっている。取引先との関係を良好に保つのも社長の営業の重要な役割のひとつです。そういった意味では社員との関係を保つためにも、社長には営業マインドが欠かせません。

・私はいつも言っています。「わが社がよくなるための情報は、社内にはない」と。会社の中に、新規の契約書が落ちているでしょうか。あるわけがない。外に行かない限り、メシの種は見つからない。私は武蔵野のナンバーワン営業マンですから、社内には当然、私の椅子もない。社長室も立派な調度品で飾りたてたりしていません。業績のいい会社の社長は、みんな社内に社長の椅子がありません。社長が会社にいないから、椅子は必要ないのです。

・社員に仕事の指示をしたとき、社員が「はい」というのは、「やります」と言っているのではなく、聞こえたという意味。多くの社員は「やっとけ!」と言ったら「はい!」と言いますが、やるなんて言っていない。「聞こえました」です。私は社員がだらけても、ちっともかまいません。ただ、サボった社員は賞与が大きく減るだけです。頑張った人の半分どころか、4分の1、8分の1になります。なにしろ一番多くもらった人と一番少なかった人の差は30倍ですから。わが社ではこのように業績と人事考課が完全に連動しています。ここまで仕組み化しておくと、社長が社内で見張っていなくても大丈夫。安心して営業に出かけられます。

・管理部門が強くても業績はよくなりません。ですからバックヤードはIT化してできるだけ手抜きをしています。650人、45億円の年商の会社で、総務担当はたった一人だけです。経理部門も課長一人とパートタイマー一人です。それでも月次決算は、締め切って翌日の夕方6時にはPL/BSが出ます。また、わが社では、総務課長はできるだけ気の利かない人を任命しています。気の利く人は、余計な仕事を始めるからです。管理部門の仕事は85点でいい。それ以上のことはアウトソーシングです。管理は最小限でいい。きめ細かくやったらキリがなく、コストだけかかってどうしようもない。管理はできるだけ簡略化して、営業は無理してコストをかける。ここまで徹底的に、お金をかけるところとかけないところをハッキリさせれば、販売経費も捻出できるのです。

・小さな会社にとって兵力を3倍にするのは簡単なことではない。それではどうしたらいいか。戦う地域をいまの3分の1にすることです。そうすれば兵力が3倍になる。桶狭間の戦いで織田信長が数倍の兵力を持つ今川義元に勝ったのもこの作戦をとったからですし、宮本武蔵が京都で吉岡流の門人30人を相手に戦って勝ったと言われているのも、橋の上で戦ったからです。いくら宮本武蔵でも、30人に囲まれたらどうしようもない。一人しか渡れないような狭い橋に立ったから、1対1の戦いに持ち込めた。理論を知らずに戦っても勝てないのです。したがって中小企業は、戦いの場を狭めたほうがいい。大きなマーケットで戦っては大企業に負けてしまいます。

・業績をすぐ伸ばせる社長は、当社の社員のアドバイスをすぐ受け入れてアクションも早い。注意すると「あ、そうか、そうか」と言って、もうすぐ次の手を自分で用意してくる社長は、業績も伸びます。社長はお客様の言うことだけではなく、自分の部下である営業マンの話も聞かなくてはいけません。そうでなければ、自社の営業とお客様との間にどの程度ギャップがあるのか気が付かない。つまり社員からも話を聞かなければいけない。社長が営業を始めれば、社員の営業にも同行する、あるいは自分の営業に同行させるというアクションが生まれます。ですから、末端の営業マンの声も聞くようになるので、現場の声をボトムアップする効果も期待できる。社長が営業に行くのは、企業の切り札です。一営業マンが一人頑張ったところで、会社の文化は変えられない。社長が変われば何もかも全部が変わる。社長が一生懸命やれば、社員も変わります。社員を変えようとするより、自分が変わるほうが早い。社長が営業をすることの意味はそこにあります。

・私には訪問先の会社が儲かっているか儲かっていないかが瞬時にわかる特技があります。どこに注目していると思いますか。社内の整理整頓、掃除が行き届いているかどうか。社員の表情が明るく生き生きとしているかどうか。在庫がホコリをかぶっていないかどうか。これらも会社の業績を暗示する立派な材料ですが、中小企業は一目瞭然な目安があります。それは、いきなり訪ねたとき、社長や営業部長などの幹部が社内にいるかどうかです。社長が外にいて営業をしている会社は業績がいい。営業部長も同じです。反対に社長が昼日中から会社にいて、新聞を読んでいるような会社は、業績も振るいません。この法則は面白いほどよく的中します。営業をすれば、必ず新しい発見があります。出会いがあります。変化があります。変化がなければ、会社は腐っていくだけです。常に変化するのが世の中です。

<目次>
まえがき「穴熊社長」が会社を潰す!
「社長の営業」チェックリスト
「社長の営業」習熟度評価
第1章 社長よ、NO.1営業マンになれ!
  1 社長の営業で会社は必ず成長する
  2 営業は社長の仕事である
  3 まともな社員は情報を上げない
  4 文句を言わない社長になれ
  5 社長が社内に居ると会社は傾く
  6 なぜ社長と社員は真剣さが違うのか
  7 想像を絶する社長名刺の威力
第2章 新規開拓で社長の本領を発揮せよ
  8 営業嫌いは必ず克服できる!
  9 営業上手の近道は猿真似にあり
 10 目標は低く、低く
 11 ムダな営業、役立つ営業
 12 邪魔かどうかは相手が決める
 13 損する営業、得する営業
 14 無駄足こそ成功への一本道
 15 キーマンに近づく必殺テクニック
 16 6回以下の訪問は行ってないのと同じ
 17 挨拶も立派な営業だ!
 18 バカ話こそ営業の真骨頂
 19 お客様の疑問に即答するな
 20 提案書は60%がベスト
 21 お客様の開拓コストは赤字でいい!
 22 話し下手こそ営業の達人だ
第3章 社長がお客様を囲い込め!~継続取引のための営業~
 23 贈り物には枯れる花が最適
 24 営業上手は取引先の社員を叱る
 25 物知りは営業の邪魔になる
 26 社員には同じ話を繰り返せ
 27 部下を営業に連れていけ
 28 ダメ社長ほど人心掌握できる
 29 ほめて、ほめて、ほめまくれ
 30 お客様に舞台裏を見せろ
 31 お客様は区別する
 32 売上よりも大切な数字
 33 経営は「率」ではなく「額」で見る
 34 売るためのお金をケチらない
 35 ゴルフは有効な営業ツールか?
 36 お客様こそ最高のセールスパーソン
 37 勘違いしがちな満足度
 38 なぜ金は借りられるだけ借りるべきなのか
 39 無借金経営は罪悪だ
 40 取引先に優しくすべき、これだけのメリット
第4章 社長が営業に行く仕組み
 41 社長と営業に椅子は要らない
 42 管理部門の人数は一桁にせよ
 43 優秀な人材は営業に回せ
 44 小さいエリアに兵力を注げ
 45 業績が伸びる社長の共通点
 46 嫌な営業に行く秘訣
 47 営業の時間をつくるコツ
 48 穴熊社長のトンデモ発言
 49 社長を育てる説教とは
 50 社長が変わる最初の一歩
 51 モチベーションアップの奥の手とは
実例コラム
 1 株式会社マキノ祭典
 2 株式会社キンキゴム
 3 株式会社関通
 4 株式会社タナカ工業
 5 本村製本株式会社
 6 有限会社宮川商店
 7 日本枝乃パーム工業株式会社
 8 株式会社アポロン
あとがき


面白かった本まとめ(2014年上半期)

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