いいね~おいしいね~

食べたり買って良かったもの等を実体験に基づき厳選紹介!ぜひご利用頂きより良い人生や日本経済等活性化につながれば幸いです♪

「なぜ「これ」は健康にいいのか?(小林弘幸)」という本はとてもオススメ!

2012年09月21日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「なぜ「これ」は健康にいいのか?(小林弘幸)」の購入はコチラ

 この「なぜ「これ」は健康にいいのか?(小林弘幸)」という本は、自律神経の働きが私たちの健康に大きな影響を及ぼし、特に「副交換神経系」の働きを良くすることが健康につながることについて書かれています。

 そして、その「副交換神経系」の働きを良くするコツについて具体的に分かりやすく説明したものです。

 特にこの本をまとめると以下の通りで、私もこれら習慣として取り入れたいと思います!

・交換神経系は加齢による変化は見られないが、副交換神経系については男性は30歳、女性は40歳をすぎると急降下する。
・ウォーキングがジョギングより良い
・背筋を伸ばしてゆっくり歩くとよい
・深くゆっくりした呼吸がよい
・交感神経と副交換神経の両方が高い状態にあるときがベスト
・免疫力という視点からも自律神経のバランスが必要
・血管系の面からも自律神経のバランスが必要
・血流が悪いことは身体に悪い
・便秘治療には整腸剤のビフィズス菌などが良い
・腸内環境が良くなると自律神経のバランスがよくなる
・時間に余裕を持つことは心の余裕につながり副交感神経が高まる
・朝は自律神経のバランスが良いので能力が高い
・良質の睡眠を充分に取り、前日の夜に翌朝すべきことを決めておくこと
・万が一朝寝坊してしまったときは歯磨きをゆっくりして自律神経を整える
・お酒の飲み過ぎは良くない
・深酒をしてしまった場合は朝起きたときにコップ1杯の水を飲むこと
・お酒を飲んだら風呂には入らないこと
・子供と高齢者はこまめな水分補給が必要
・便秘に悩む人は朝一番にコップ一杯の水を飲むこと
・食事の前にコップ1杯の水を飲むと良い
・朝・昼・晩と1日3回の食事をとること
・早寝早起きし、日中はアクティブに夕方以降はリラックスして過ごすこと
・ダイエットでオススメなのは昼の食事を中心として朝と夜の摂取カロリーを大幅に減らすこと
・朝の運動は勧めない。夕食後から寝る1時間前までに30分から1時間ほどゆっくり歩くことが理想
・「ゆっくり深い呼吸」をするにはゆっくり1数える長さで息を吸い、その倍の時間をかけて息を吐くこと
・作業をするとき等は息を止めないこと。呼吸のリズムに合わせること
・朝に頭を使う仕事をすること
・緊張したときは肩の力を抜くより手を開くこと
・意識的に広角を上げ、笑うこと
・怒れば怒るほど体内では血液がドロドロに汚れてよくない
・「お先にどうぞ」の精神を持つこと
・周りのチームも一緒に自律神経を整えること
・何事も充分準備し余裕をもつこと

 この本を読んで、対症療法ではなく自律神経という体の根本を整えなければ真の健康を得られないということがよく理解できましたし、とても納得しました。

 とてもオススメな本です!!

以下はこの本のポイント等です。

・自律神経は、「交感神経系」と「副交感神経系」の二種類に大別されます。自立神経は内蔵や血管の機能をコントロールする神経で、交感神経が体を支配すると体はアクティブな状態になり、副交感神経が支配すると体はリラックスした状態になります。私たち人間の体は、活発的な日中は交感神経が支配し、夜、リラックスするときには副交感神経が支配するというように、相反する働きを持った2つの自律神経が、交互に体を支配することで身体機能が保たれているのです。これまでは、自律神経の働きについて、このように説明されるのが一般的でした。これも間違いではないのですが、この言い方だと、私たちの体は交感神経と副交感神経がきれいにスイッチングすることで動かされているような印象を受けます。でも、実際はそうではありません。体がもっともよい状態で機能するのは、実は、交感神経も副交感神経も両方高いレベルで活動している状態のときだったのです。もちろん、両方高レベルといっても、アクティブな状態では「交感神経がやや優位」、リラックスした状態では「副交感神経がやや優位」、というような、バランスのシーソー状態が生じています。でも、それはあくまでも「やや優位」なのであって、どちらか一方に大きく偏っては絶対にいけないものだったのです。

・調査をすにあたり、私たちは一つの仮説を立てていました。それは、「自律神経は交感神経も副交感神経も、加齢とともに低下していくだろう」というものでした。ところが集まったデータは予想外のものでした。驚くべきことに、交感神経のレベルには加齢による変化も男女差もほとんど見られなかったのです。でも、それ以上に驚いたのは、副交感神経に関するデータでした。副交感神経のレベルは、予想通り加齢とともに緩やかに下降していたのですが、男女ともにガクッと急降下する時期があったのです。そして、その年代こそが、男性は30歳を過ぎたあたり、女性は40歳を過ぎたあたりだったのです。これは、男女それぞれの体力低下が見られる時期と一致します。つまり、私たちが実感していた「急激な体力低下」は、副交感神経が急降下したことによる「自律神経のバランスの乱れ」が原因だった可能性が強まったのです。「体力の低下=副交感神経の低下」だということに気づいたとき、私はこれが男女に寿命の差をもたらしているものなのではないか、と仮説を立てました。

・ふだんから副交感神経を上げることを意識的に行うことが、潜在能力を最大限に引き出す方法であるとともに、心身のバランスを整える「最高の健康法」になるということです。

・実際には、ウォーキングのほうがジョギングよりはるかに健康効果は高いのです。ジョギングは運動量が大きいため、どうしても呼吸が速く、浅くなり、副交感神経のレベルを下げてしまいます。とくに中高年は、そもそも副交感神経のレベルが低下しているので、それをさらに下げるような運動は、健康維持効果があるどころか、かえって体を老化へと追いやる可能性があるのです。

・タイガー・ウッズは背筋が伸びた状態で腰骨からゆっくりと前に出すような歩き方をしています。この「背筋を伸ばしてゆっくりと歩く」というのが、自律神経のバランスを安定させる最高の歩き方なのです。では、背筋を伸ばしてゆっくり歩くとなぜ自律神経が安定するのでしょう。まず、「背筋を伸ばす」のがいいんは、「気道」が開くからです。気道が開くと呼吸をしたときに肺に入ってくる酸素の量が増えます。

・タイガー・ウッズのこうした歩き方は、おそらくヨガから学んだものと思われます。彼がヨガをトレーニングに取り入れていることは有名ですが、ヨガの基本は「深い呼吸」だからです。

・どうすれば副交感神経を高くすることができるのでしょう。大きく分ければ、するべきことはたった2つです。一つは、副交感神経を下げてしまうことをやらないこと。もう一つは、副交感神経が上がることを積極的に行うことです。そして、この二つに共通するキーワードこそが、実は「ゆっくり」なのです。たとえば、ゆっくりとした呼吸は副交感神経を高める方法の一つなのですが、その反対の浅く速い呼吸は、副交感神経を低下させる働きを持っています。実際、どんな動作でも「ゆっくり」行うように心がけるだけで、副交感神経の低下を防ぎ、場合によっては副交感神経を高めることもできます。自律神経のバランスが整えば
、体の免疫力も自然と上がってきます。ゆっくり動くと健康になる。まずは、このことを胸に刻んでほしいと思います。

・交感神経と副交感神経のバランスには日内変動があり、朝から日中にかけては交感神経が優位に働き、夕方から夜にかけては副交感神経が優位に働くというリズムがあります。そのためこの二つの神経の働きは一方が高くなるともう片方は低くなる「シーソー」のような関係にあるといわれることが多いのですが、実は、これは正しい表現ではありません。なぜなら、自律神経を計画すると、実際には次の4つのパターンがあるからです。
 ①交感神経も副交感神経も高い
 ②交感神経が高く、副交感神経が極端に低い
 ③交感神経が低く、副交感神経が極端に高い
 ④交感神経も副交感神経も低い
そして、どのパターンのときにもっとも心身の状態がよく、ふだんの力が発揮できるかというと、①の交感神経も副交感神経も両方高いときなのです。反対にもっともパフォーマンスが出ないのが、両方とも低い④です。④は非常に疲れやすく体力もないのですが、バランスは悪くないので健康状態はそれほど悪くありません。心身に病的な状態が現れている人の自律神経を測ると、まず間違いなく②か③です。誤解のないようにいっておきますが、二つの自律神経の差は多少であれば心身にとってとてもいい状態といえます。たとえば、スポーツ選手ややり手のビジネスマンなど活動的でパフォーマンスの高い人の多くは、交感神経がかなり優位な状態です。また、周囲のみんながインフルエンザで倒れても、一人ぴんぴんしているような免疫力が高い人は、たいてい副交感神経が若干優位な人です。交感神経と副交感神経の理想のバランスは1対1です。では、どのぐらいの範囲が「若干」といえるのかというと、どんなに差がついても1対1.5までです。バランスにそれ以上の差がついてしまうと、体にさまざまな弊害が現れます。

・かつて私を悩ませていた原因不明の頭痛や不整脈も、交感神経が極端に優位になっていたことが原因だったのだと、いまではわかります。交感神経が過剰に優位になると血管も過剰に収縮するので、同時に血圧も必要以上に高くなり、血圧が異常に高くなったことで頭痛が起き、心拍数が多い状態が長く続いたために不整脈を誘発していたのです。」

・健康な人が病気になる原因は大きく分けて二つしかありません。一つは「免疫系」のトラブル、もう一つは「血管系」のトラブルです。そして、この二つのトラブルはどちらも自律神経の働きと深く関わっています。

・免疫の中心を担っているのは、血液中の「白血球」という成分です。白血球には、細菌など比較的大きめな異物を処理する「顆粒球」と、ウイルスなどそれよりも小さな異物を処理する「リンパ球」の2つがあるのですが、これらは、交感神経が優位になると顆粒球が増え、副交感神経が優位になるとリンパ球が増えるという特性があることがわかっています。つまり、自律神経のバランスがよいと白血球のバランスもよくなりますが、自律神経のバランスが崩れると白血球のバランスも崩れてしまうので、免疫力が下がってしまうのです。ここでも問題となるのは、交感神経が過剰に優位になった場合です。交感神経が優位になり顆粒球が増えると、基本的には感染症に対する抵抗力が高くなるので免疫力は上がるといえます。ところが、交感神経が過剰に優位な状態が続くと事情が変わってきます。顆粒球は異物を取り込み、みずからが持つ分解酵素と活性酸素によって処理します。顆粒球の数と体内に侵入してくる細菌のバランスがいいときは何も問題はないのですが、あまり細菌がないのに、交感神経が過剰に優位になることで顆粒球が増えすぎてしまうと、健康維持に必要な常在菌まで殺してしまい、かえって免疫力を下げることになってしまいます。また、使われない顆粒球が残ってしまうことも問題です。顆粒球の寿命は2~3日と短いうえ、顆粒球は死ぬときに、持っていた「活性酸素」をばらまいて細胞を傷つけてしまうからです。反対に、副交感神経が優位になると、リンパ球が増えるので、基本的に抗原に対する反応が早くなり、ウイルスに感染しにくくなるので、やはり免疫力は上がります。ところが、リンパ球も増えすぎはやはりよくありません。副交感神経が過剰に優位な状態が長く続きリンパ球が増えすぎると、抗原に敏感になりすぎて、ほんのわずかな抗原にも反応してしまう疾患「アレルギー」を起こしやすくなります。つまり、免疫力という視点から見ても、自律神経のバランスがいいときがもっとも免疫力が高い、体にとっていい状態といえるのです。

・交感神経が過剰に優位になると、血管の収縮が進みすぎて体に充分な量の血液がめぐらなくなってしまいます。たとえるなら、水の流れているホースを指でぎゅっと押さえた状態です。水圧が高くなるので水流は速くなりますが、ホースが細くなってしまうため流れる水の量は少なくなってしまいます。逆に副交感神経が過剰に優位になると、血管が弛緩しすぎて血液の流れが滞ってしまいます。つまり、自律神経のバランスが崩れた状態でいるということは、血栓ができやすい体の状態をつくりだしてしまうことになるのです。

・筋肉が硬くなったとき、私たちはその「凝り」をとるために、揉んだり、マッサージしたりしますが、実はあえは筋肉がほぐれるから凝りが解消するのではないのです。筋肉で揉むことでそこに走っている毛細血管の血流が促され、その結果として凝りが解消されているのです。問題は筋肉ではなく、血流にあるのです。足裏マッサージで全身の体調がよくなるのは、まさにこの典型といえます。足の裏には大きな筋肉があるわけではありません。それなのに足裏のマッサージをすると脚全体のむくみが解消され、さらには全身の調子までよくなります。これは、心臓から遠く、もっとも血流が悪くなりやすい足の裏をマッサージすることで毛細血管に生じた血流の停滞、「うっ血」が解消されるからです。そして、うっ血が解消されることによって、栄養の供給と老廃物の排泄がスムーズにいくようになるので、むくみがとれ、全身の体調もよくなるのです。血流は私たちの体を構成する細胞にとって、文字どおり「ライフライン」です。血流がスムーズに流れれば、体の機能はすべてがうまくいき、血流が悪くなれば体の機能はすべて低下します。

・高血圧、高脂血症、糖尿病という3つの病はいずれも症状が全身に及ぶ怖い病気ですが、これらの病気が全身症状になるのは、これらがいずれも血管の内皮細胞を傷つける病気だからです。そして、これらの病気が自律神経のバランスと関係していることは、実際に患者さんの自律神経を測ってみれば一目瞭然です。私はこうした患者さんの自律神経を数多く計測してみましたが、全員において交感神経が過剰に優位な状態になっていました。高血圧も高脂血症も糖尿病も、現在その治療方法の主流は投薬と生活習慣の改善ですが、投薬は対症療法にすぎないうえ、血管の状態が回復しないかぎり、その効果も高いものは望めません。本当に大切なのは生活習慣の改善、それも副交感神経を上げる生活習慣を取り入れるかたちでの「改善」が重要なのです。

・なぜ副交感神経が上がると病状がよくなるのでしょうか。最大の理由は、血管が弛緩して広がり、血流が改善されることで、隅々の細胞mで血液が行き渡るからです。諸悪の根元は、血管の過剰な収縮による血流の悪化なのです。

・現在の医療は、心臓が悪いと心臓を治療する、肝臓が悪いと肝臓を治療する、腸が悪いと腸を治療するという局所的な対症療法が主流ですが、私はこうした治療では根本的な治療はできないと考えています。なぜなら、その臓器が悪くなった本当の原因が改善されていないからです。臓器が悪くなるのは、その臓器の持てる機能が十分に働けない環境にあるからです。では、なぜ臓器が充分に働けないのでしょう。最大の原因は血流不足です。質のいい血液が充分に供給されていれば、細胞はみずからの力で健康を保つことができます。私たちの体はそれだけの力を持っています。いくら投薬治療をしても手術をしても、自律神経のバランスを改善しないかぎり、病気はよくなりません。

・結論からいえば、自律神経のバランスを整えることなのですが、私は便秘治療に際し、その効果を上げてくれる秘密兵器を処方していまs。秘密兵器というと大げさですが、それは、決して珍しい薬ではありません。乳酸菌を主成分とする整腸剤です。腸をコントロールする基本は運動と食生活の改善なのですが、強度の便秘になってしまった人の場合、それだけではなかなか腸内環境までは改善してくれません。彼らが便秘にいいといわれていることをいろいろ試していながら芳しい効果が出ないのは、実はこの腸内環境の改善がうまくいっていないからなのです。ここで力を発揮してくれるのが整腸剤です。ヨーグルトを勧めることもよくありますが、ビフィズス菌など腸内の善玉菌を増やすのに役立つ乳酸菌を多くとると、便秘によって悪玉菌が増えてしまっていた腸内細菌の状態が善玉菌の多い「いい状態」に変化していきます。こうして腸内細菌のコントロールができると、運動や食事の効果が上がることはもちろん、自律神経のバランスを整える力もアップします。つまり、腸内細菌のバランスがいいと、自律神経のバランスも整いやすくなるということです。

・便秘治療でなぜ、糖尿病や高脂血症、腎臓疾患や肝臓の数値がよくなるのか、みんな不思議がっていましたが、腸内環境と自律神経のバランスがよくなって、きれいな血液が体の隅々まで行き渡るのですから、私にいわせれば病気がよくなっていくのはあたりまえの結果でした。

・時間に余裕を持つことが大切なのです。なぜなら人は、時間に余裕があると、心に余裕が生まれるかです。心に余裕があれば副交感神経が高まるので、たとえ予期しないアクシデントが起きたとしても、正しい判断にもとづく最善の対応策をとることができます。つまり、すべてのアクシデントに対する最善の対応策は、自律神経のバランスを整えておくことなのです。そのためにも、私自身、外出する場合、つねに30分の余裕を持った行動を心がけています。何事もなく30分早く目的地についたら、その時間を利用してお茶を飲んだり、仕事の資料を見直したりと、その時間を有効活用すればよいのです。その心の余裕が、自立神経を安定させ、集中力が高まるばかりか、健康にもよい影響を及ぼすということを覚えておいてください。

・なぜ朝は能力が高いのか、その理由を一言でいうと、自律神経のバランスがいいからです。とくに充分な睡眠を経て目覚めた朝の自律神経のバランスは最高です。さらに朝がとくにいいのは、交感神経が上がっていく時間帯なのでモチベーションが高い時間帯だからです。朝の能力の高さが自律神経のバランスに起因するものだということがわかれば、早起きをしてもうまくいかない理由も予想がつきます。早起きを活かせない場合、二つの要因が考えられます。一つは早起きをするために睡眠時間を削った場合です。睡眠不足は自律神経のバランスを著しく狂わせます。ふだんどんなに自律神経のバランスのいい人でも、徹夜してしまうと、翌朝は副交感神経がほとんど上がってきません。必要な睡眠時間には個人差がありまうが、やはり6~7時間程度の睡眠は必要でしょう。もう一つ考えられるのは、朝すべきことをあらかじめ決めていに場合です。実際、朝活に失敗している人の多くは、こちらのケースです。朝にするべきことが決まっていないのに、早起きしても何の意味もないと思いませんか。

・万が一、朝寝坊してしまったときは、どうやって自律神経を整えればいいのでしょうか。それは、「歯磨きをゆっくりする」ことです。もちろん、寝坊してしまったこと、そのために何らかの迷惑を相手にかけてしまうことに対しては、しっかりと反省することが必要です。そのうえで、すでに起こったことについていつまでもくよくよと後悔してもしかたがないので、冷静さを取り戻した状態で「次に何をすべきか」というベストの選択肢を考える。歯磨き程度であれば、急いでやったとしても、ゆっくりやったとして、たいした時間の違いはありません。せいぜい2分程度のものでしょう。このわずかな時間、出かけるタイミングを遅らせてでも、一度ゆっくりとした行動を意識するのです。それだけで呼吸が安定し、自律神経が安定し、冷静な物事の判断ができるようになります。

・睡眠不足は副交感神経のレベルを低下させ、自律神経のバランスを悪くさせます。自律神経のバランスが崩れると、血流が悪くなるので身体機能が低下します。ですから鍼治療に限らず、どんな医学的治療を受けるときでも、睡眠不足だとその効果は半減してしまう、ということです。

・本人にとっては深酒もストレス発散の一つなのかもしれませんが、自律神経のバランスという点から見ると、お酒の飲み過ぎは最悪の生活習慣の一つです。なぜなら、深酒は睡眠不足と同じぐらい自律神経のバランスを崩すからです。

・深酒をしてしまった翌朝はどうすればいいのでしょうか。私が実践しているのは、朝起きたときにコップ一杯の水を飲むことです。朝食はそのあとにとります。この「寝起きの水」を食事の前に飲むことによって、下がりきって反応しにくくなっている副交感神経が上がってきてくれます。

・「お酒を飲んだらお風呂に入ってはいけない」と聞いたことのある人は多いと思いますが、これは心筋梗塞を起こすリスクが格段に高くなるからです。もしどうしてもお風呂に入りたいときは、最低でもコップ2杯、分量にして500cc程度の水を飲んでから40度ほどのぬるま湯に10~15分の短い時間入るようにしてください。脱水を防ぐことができれば、お風呂での心筋梗塞を防ぐことができます。

・子供と高齢者は脱水状態になりやすく、本人がのどの渇きなど脱水の自覚症状を感じてから水分補給をしたのでは間に合わない危険性があります。ぜひ、普段からこまめな水分補給を心がけるようにしてください。

・朝一番の水は、寝ているあいだに失った水分を補給するという意味もあるのですが、それ以上に大切なのが「胃結腸反射」を誘導するということです。胃結腸反射というのは、ごくかんたんにいうと、胃腸のぜんどう運動を促す反応です。胃腸は副交感神経の支配下にある臓器なので、それらを動かすことによって副交感神経を刺激することができます。つまり、胃腸を動かすと副交感神経を高めることができる、ということです。

・また、朝一番の水で胃腸が動くと、自然な便意が誘発されます。年をとると便秘になる人が多いのですが、これは、副交感神経の低下が原因です。便秘で苦しむのは女性ばかりだと思っている人が多いのですが、実際にもっとも便秘に苦しんでいる人が多いのは男性の高齢者です。自律神経は年とともにその働きが弱くなるうえ、男性のほうが女性より10年早く副交感神経が低下しはじめるので、便秘は男性の高齢者に多いのです。

・食前に水を飲むのも、目的はやはり胃結腸反射です。食事のまえにコップ一杯程度の水を飲むと胃結腸反射が起きるので、胃腸が動き出します。胃腸が動いている状態というのは、別の言い方をすれば食べ物を受け入れる準備が整った状態ということなので、何の準備もできていない状態の胃腸に食べ物が入ったときと比べると、消化吸収のクオリティーが格段によくなります。消化吸収がよくなれば腸内環境もよくなります。そして、腸内環境がよくなると腸の動きがよりスムーズになるので、副交感神経も上がりやすくなります。こうして副交感神経のレベルが上がると血流がよくなり、きれいな血液が全身をスムーズに循環することになります。つまり、腸内環境が悪いと体はすべてが悪くなる負のスパイラルに陥り、反対に腸内環境がよくなると全身の調子がよくなる正のスパイラルが回りはじめるということです。

・腸内環境が悪くなると消化吸収が悪くなります。消化吸収が悪いのになぜ太るのでしょう。それは、腸が汚れているとそこから肝臓へ運ばれる血液も汚れたものになってしまうからです。汚れた血液というのは毒素や腐敗物などを多く含むもので、これはドロドロ血液をイメージしていただくとわかりやすいと思います。問題は汚れた血液の行き先です。汚れた血液はどこへ行くのかというと、肝臓から心臓へ運ばれて全身へ行き渡り、脂質代謝を悪化させることで内蔵脂肪としてたまっていきます。つまり、摂取カロリーが同じでも、腸内環境が悪いとそれだけ太りやすくなるということです。消化吸収が悪いと脂肪が蓄えられるのに、全身の細胞は充分な栄養が行き渡らない低栄養状態になってしまうので、疲れやすくなったり、新陳代謝が悪くなったりします。さらに、腸内環境が悪いと自律神経のバランスが崩れやすくなるので精神的にもイライラして怒りっぽくなります。こんな状態では、肉体的にも精神的にもパフォーマンスを出すことはできません。腸内環境が悪くなってよいことなど一つもないのです。

・排便は毎日規則正しくあるのが理想とされていますが、実際には個人差が大きいので、必ずしも毎日である必要はありません。3日に1度のリズムであっても、充分きれいに出しきる人もいます。腸内環境をよい状態に保つことができればいいので、必ずしも毎日排便がないからといって心配する必要はありません。

・私が朝・昼・晩と1日3回の食事をとることをお勧めするのは、「食事=腸への刺激」という意味です。腸というのはとてもおもしろい臓器で、刺激が加わると動くという性質を持っています。実際、手術のときに腸をポンと叩くとグーッと動き出します。つまり、1日に1回しか食事をしないということは、1日に1回しか腸に刺激を与えないということなので、腸の動きが悪くなってしまう。だから腸に刺激を与えるという意味で1日3回の食事をお勧めしているのです。

・自律神経全体の活性が落ちてしまっている場合、最初にすべきことは、自律神経の日内変動に合わせた規則正しい生活をすることです。つまり、早寝早起きをするとともに、日中はアクティブに、夕方以降はリラックスして過ごすということです。

・自律神経の活性を落とさずに、でも、できるだけ早くダイエットの結果を出したいという人に私が勧めているのが、昼の食事を中心にし、朝と夜の摂取カロリーを大幅にカットするダイエット法です。これは、極端な言い方をすれば、朝と夜は水分やヨーグルトだけで、昼食をしっかり食べるという方法です。朝と夜は摂取カロリーを控えるために食事はとらない。でも、腸を刺激して副交感神経は高めておくことが必要なので、胃結腸反射を誘発させるために充分な水分をとり、また、ヨーグルトで腸内環境を整えるということです。この方法であれば、昼食は満足するまで食べても太る心配はありません。

・私が朝の運動をお勧めしないのは、生理学的な理由があるからです。一つはケガをしやすいこと、もう一つは疲れてしまうこと、そしてあとに仕事を控えているなどのストレスから、運動の効果が下がってしまうことです。朝というのは交感神経がとても高い時間帯なのえ、血管が収縮し、うっ血しています。血管が収縮すると筋肉が硬くなるので、体は硬くなります。体が硬いときの運動は、ケガにつながります。とくに高齢者はこのリスクがとても大きくなるので、朝の運動は絶対に避けるべきでしょう。医療の現場にいる者にとって、朝のリスクの大きさはつねに実感させられています。心筋梗塞が起きやすいのも朝です。それだけ朝というのは体調が不安定な時間帯なのです。

・では、運動はいつするのがいいでしょう。私がお勧めしているのは「夜」。夕食後から寝る1時間まえまでに、30分から1時間ほどゆっくり歩くことが理想です。

・一瞬でパフォーマンスを上げる「ゆっくり深い呼吸」の方法をお教えしましょう。私はこれを「1対2の呼吸」と呼んでいます。やり方はとても簡単です。「一で吸って、二で吐く」、これでオーケーです。つまり、ゆっくり一数える長さで息を吸い、その倍の時間をかけて息を吐くということです。

・持てる力をすべて出しきりたいなら息を止めては絶対にいけません。息を止めたら、その瞬間に抹消の血流が引いてしまうからです。一流の外科医は決して呼吸を止めません。彼らは呼吸を止めるのではなく、呼吸のリズムに併せて指先を動かします。

・緊張したときやあせったとき、パニックを起こしそうなときは「ゆっくり息を吐く呼吸」をし、やる気が出ないときは「速く短く息を吐く呼吸」をすることで、自律神経のバランスを整えることができる、ということです。

・朝一番にメールチェックする人がいますが、実はこれはとてももったいないことなのです。んぜなら、朝は副交感神経優位から交感神経優位に切り替わる時間帯だからです。この時間帯は、交感神経が優位になるとはいえ、夜の余波で副交感神経も比較的高いレベルにあるので、脳がもっとも活性化する時間帯なのです。こうした時間帯にもっとも適しているのは、物事を深く考えたり、発想力を必要とする仕事をすることです。この貴重な時間を、脳をほとんど使わないメールチェックに使ってしむのは、あまりにももったいないことです。朝が頭を使う仕事に適しているのとは逆に、夕方三時以降は、頭を使う仕事をしてもいい結果は出ません。

・ですから朝の通勤電車では、本や新聞を読んでいる人が多いのですが、そうしたインプット作業より、より頭を使うこと、たとえば英語の勉強をしたり、企画を通すための作戦を考えたり、できるだけ頭を使うこおを集中して行ったほうがいいのです。とくに、語学の勉強には朝はとても適しています。なぜなら朝は自律神経のバランスがいいので、耳の調子もよく、英語のヒアリング能力が格段にアップするからです。

・緊張したとき、よく「肩の力を抜いて」といいますが、実は肩の力を抜くより効果的なことがあります。それは「手を開くこと」です。緊張したとき、私たちはついつい何かをつかんだり、手をぎゅっと握ったりしてしまいます。でも、緊張をときほぐしたいなら、意識的にやめることをお勧めします。なぜなら、手を強く握ると緊張がさらに強くなってしまうからです。なぜ手を握ると緊張が高まってしまうのかというと、副交感神経が低下してしまうからです。これはまだ私の仮説なのですが、おそらく、ぎゅっと手を握ることで親指の血流が低下し、それが副交感神経を低下させるのではないかと考えられます。というのも、親指をなかに入れて握ったときのほうが副交感神経の下がり方が大きいからです。

・みなさんもぜひ、「あっ、口角が下がっている」と思ったら、意識的に口角を上げるようにしてみてください。口角を上げれば緊張が解け、副交感神経が上がります。副交感神経が上がれば、全身がリラックスし、心にも余裕が生まれます。健康を維持するためにも、パフォーマンスを出すためにも、そして人生を楽しむためにも「人生、笑うが勝ち」ということです。

・笑顔が副交感神経を上げ、自律神経のバランスを整える体にいい習慣だとすると、反対に交感神経を過剰に高め、自律神経のバランスを崩してしまう最悪の習慣は「怒り」です。

・日記を書くなんて面倒くさいと思うかもしれませんが、私の書き方はとてもかんたんなので誰でも続けることができると思います。書くことは次の3つだけだからです。
 ①その日いちばん失敗したこと
 ②その日いちばん感動したこと
 ③明日の目標

・日本人であるみなさんにとくに提案したいのが、心に余裕をもたらす魔法の言葉を、できるだけ多く日常生活のなかで使っていただくことです。その魔法の言葉とは、イギリスでの生活のなかで、もっとも強く私の印象に残った言葉、「アフターユー(After You)です。これは日本語にすると「お先にどうぞ」という意味の言葉です。日本にはない習慣なので最初は戸惑いましたが、「アフターユー」と笑顔でいわれたとき、とても幸せな気持ちになりました。なぜ幸せな気持ちになったのか、当時はわかりませんでしたが、いまの私にはわかります。「アフターユー」という言葉にともなう行動と笑顔に接することで、私自身の副交感神経が上がったからだったのです。

・自律神経のバランスはとても不思議な力を持っています。バランスがいい人は、その人本人にとっていいだけでなく、実は周囲にいる人たちにもいい影響を与えます。そして逆に、自律神経のバランスの悪い人は、その人にとって悪いだけでなく、周囲の人たちにも悪影響を及ぼしてしまいます。つまり、自律神経のバランスは伝染する、ということです。

・私たちはいい音楽や美しい風景に接すると心が穏やかになります。これは、副交感神経が上がり、自律神経のバランスが整うからです。私は、口調にもこうしたいい音楽と同じ力があると思っています。どのような言葉を使うか、言葉選びも大切ですが、それ以上にその言葉をどのような口調で伝えるかが重要だということです。

・お互いにお互いの自律神経のバランスを整え合えるチーム、これが「パワーバランスチーム」です。でも、このチームの一員になるためには、ふだんから自分の自律神経を整え、みずからの力で周囲の人を幸せにしてあげられるようになることが必要です。自分の力だけで自律神経を整えられるなら、なにもチームを組む必要んどないのではないか、そう思う人もいるかもしれません。でも、より高みを目指すならパワーバランスチームを持つことは絶対に必要です。なぜなら、「奇跡」は絶対に一人では起こせないからです。スポーツの世界では、観客を味方につけることが勝つための必須条件だといわれています。実際、野球もサッカーもホームチームのほうが、勝率は高くなります。

・一流の外科医は、一つの手術のまえに行う準備がふつうのドクターとは格段に違います。わかりやすい例を挙げれば、ごくふつうの外科医が教科書を一冊読んでから手術に入るとしたら、一流の外科医は10冊の本を読んでから手術に臨んでいます。これはすぐにまねすることができました。たしかに、この方法には素晴らしい効果がありました。勉強量の差が手術のときに「余裕」の差となって現れたのです。10冊の本を読んでから臨むと、多くの症例を勉強しているので、自分はどんなことが起きても対処法がわかっているという「心の余裕」が生まれます。この「余裕」が「安心感」につながるので、緊張はあっても「あせり」が消えるのです。


<目次>
はじめに
第1章 すべては「これ」で説明できる
 女性が男性より長生きするのはなぜだろう?
 郷ひろみの若さは副交換神経で説明できる
 自律神経の働きが低下すると人生の質は10年で15%低下する
 副交感神経の働きを高めることが「最高の健康法」
 季節の変わり目に風邪をひく人が増えるのはなぜ?
 ジョギングよりウォーキングのほうが健康効果は断然高い
 石川遼はなぜタイガー・ウッズの歩き方に着目したのか?
 なぜ、「ヨガは健康にいい」といえるのか
 キム・ヨナの金メダルの理由は副交感神経の働きにある
 ゆっくり動くと健康になる
第2章 健康は自律神経のバランスで決まる
 「自律神経は脳と同じくらい大切」と言い切れる理由
 交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキの役目
 更年期障害は自律神経のバランスの乱れに原因がある
 自律神経のバランスが崩れると、免疫力も低下する
 足裏を揉むだけで全身の体調がよくなるのはなぜだろう?
 交感神経が過剰に優位な人は糖尿病になりやすい
 副交換神経の働きを高めれば、高血圧は改善される
 血流が悪くなると「血液の質」そのものが低下する
 「予約が3年待ち」の便秘外来で処方する秘密兵器とは?
 「負のスパイラル」から「正のスパイラル」に脱却する方法
第3章 副交換神経の働きを高める生活習慣
 30分の「余裕」がその日一日の自律神経を安定させる
 早起きの効果が出るかどうかは、前日の夜に決まる
 睡眠不足は自律神経の大敵である
 お酒を飲むときは同量の水をいっしょに飲むとよい
 子供と高齢者は充分な水分接取を心がけよう
 便秘に悩む人は朝一番にコップ一杯の水を飲みなさい
 腸内環境が悪化すると太りやすくなる
 一日三回の食事がベストなのは「栄養が理由」ではない
 「食後に眠くならない食べ方」を知っているか?
 食事を抜いてもダイエットに成功しない理由
 運動するなら、朝と夜、どっちがいいのか?
 夕食後の「最低30分の散歩」が理想的な運動
 運動まえの間違ったストレッチこそがケガを誘発する
 準備運動はたった4つでオーケー
 呼吸には体の状態を一瞬にして変える力がある
 一流の外科医は決して呼吸を止めない
第4章 人生の質は「これ」で決まる
 ラブレターは夜書くとうまくいかない
 親指には力を入れるな!
 「笑顔でがんが治る」はあんがち嘘ではない
 医者が笑顔だと患者の治りも早くなる
 怒れば怒るほど血液はドロドロになる
 愚痴をいわず、弱音を吐かず、笑顔で努力する
 あせったときほど、ゆっくり早く、動きなさい
 怒りの80%はただの自己満足にすぎない
 自律神経のバランスを整える日記の活用法
 心に余裕をもたらす魔法の言葉「アフタユー」
 自律神経のバランスはなぜかまわりに伝染する
 奇跡は「精一杯の努力」をしたときに起きる
 自律神経をコントロールできれば、人生もコントロールできる
おわりに

面白かった本まとめ(2012年上半期)

<今日の独り言> 
Twitterをご覧ください!フォローをよろしくお願いします。 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする