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「ハゲとビキニとサンバの国(井上章一)」という本はとてもオススメ!

2011年07月22日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 「ハゲとビキニとサンバの国(井上章一)」という本は、建築学者・風俗史家である井上章一さんが、ブラジルに合計4ヶ月ほど滞在した経験から、当地の意外な文化や風俗についてまとめたものです。

 本のタイトルの通りブラジルではハゲがモテるのか、女性のビキニへの考え方、サンバから派生したボサノヴァだけでなく、以下の内容もあり、ブラジルについて楽しく分かりやすく書かれていてとてもオススメです。

 ・日本の都市名の害虫駆除会社
 ・ブラジルのテレビ番組
 ・中流以上ではメイドをおく
 ・イパネマのリゾートなど
 ・女性の魅力はお尻
 ・忍術教室や柔術、剣術が人気
 ・日本のアニメや戦隊物が人気
 ・ブラジルの宗教
 ・国勢選挙の投票率がほぼ100%


以下はこの本のポイント等です。

・これで、事態は判明した。ハゲが、無条件で女にもてるという歌ではない。女は「困った時」だけ、ハゲにたよるというのである。ハゲのもてぶりは、相対化せざるを得ない。さらに、歌詞は、ハゲに恥ずかしがるなと、よびかけている。つまり、恥ずかしがるハゲが、一般的には多いのだ。ブラジルでも、ハゲはみっともないとされているのである。

・台所にゴキブリがあふれだした時、リオの人々は「キョート」へ連絡する。そして、ゴキブリ駆除の専門家に、きてもらう。シロアリなどにも、彼らはもちろん対応してくれる。リオでは、だからキョートという音が害虫に結びつく。京都と言えば、ゴキブリかシロアリという固定観念が、できあがっているのである。

・日本の都市名を名乗る害虫駆除会社が存在する。東京、大阪、京都、富山、長崎・・・・が、ブラジルではゴキブリをとりのぞいてくれる。日本の都市名が、殺虫力の強さを示す象徴的な役割を担っているのである。

・しばらく見続けて、妙なことに気がついた。テレビの画面に、日本人や日系人がほとんどでてこない。のみならず、東アジア系らしい人もぜんぜん登場しないことを、発見したのである。とりわけ、ワイドショーやバラエティ、そしてドラマなどでは、ほぼ絶無であった。原住民や混血の人々は、ドラマでもよく見かける。黒人も、そこそこ目にとまる。にもかかわらず、東アジア系とおぼしき顔は、まあ見ない。数少ない例外に、宗教番組がある。

・ブラジルの女性は、たとえ帝王切開をしても、フィオレ・デンタルに執着する。腹部を覆い隠すような水着は、やぼったくて着ていられないというのである。日本で妊娠をしたブラジル人女性は、その多くが出産前に帰国する。日本で帝王切開をすると、ひどい場合はへそまで切られる可能性がある。それが耐えられないから、ブラジルへ帰ってしまうのである。

・市中のオフィスで、夫婦がともに勤務する。そんな中流以上の家庭では、メイドをおくのが、どうやら普通になっているという。料理はほとんどしない。ぜんぶ、メイドにさせている。そう当たり前のように、答えられたこともある。当地の勤労女性は、しばしば、メイドの料理を自慢しあったりもする。うちのサラがこしらえるフェージョアーダは最高よ。なにいってんの、うちのマリアだって、それはそれはおいしいんだから、などと。

・かつてのイパネマは、上流階級のリゾートであった。財力にめぐまれた家の子女がつどい、たがいにけんを競い合う。派手な水着の娘たちが群がりあう。そして「詩よりもすばらしい腰つき」(「イパネマの娘」)を、披露していたのである。その点では、ヨーロッパの高級リゾートとも、あまりかわるまい。そこは貧しい人々の参入を、暗々裡に阻む区域だったのである。しかし、市内交通の発達がその様相をかえていく。市の北部や山地に住む下層民も、バスでイパネマへゆけるようになって、事情は一変した。週末の休日には、彼らもイパネマの海岸で、時をすごすようになっていく。

・実は、女性の側も、尻の形にはけっこう気をつけている。美容体操でも、ヒップアップをこころがける人は少なくない。のみならず、尻の美容整形を試みる人も、見かけることがある。シリコンをそそぎ込み、形を大きくして整える人がかなりいる。

・周知のように、リオでは柔術も、広く知られている。グレイシー柔術やブラジリアン・トップ・チームの道場もある。総合格闘技における彼らの活躍ぶりは、日本でも高く評価されている。日本の小武術が、ブラジルへ伝わり柔術として開花した。格闘技愛好家の多くは、そうみなすようになっている。しかし、彼の地へ伝播しあおは古武術=柔術だけに限らない。剣術も、リオではけっこう愛好されている。いや、忍術だって、届いているのである。

・日本人は、絶大な武器を手にしている。交渉相手の心に、戦隊物やウルトラシリーズの話題で、食い込むことができるのだ。先方のノスタルジー、童心をくすぐれるおである。もちろん、アニメやマンガでも。

・リオの州立大学でも、文学部は女子学生が多い。全体の約7、8割は女だと思う。男は、理系や法律・経済といった実務方面は向かうらしい。ただ、日本語学科は違っていた。ここには、けっこう男子学生が集まっている。半数以上は、男であった。理由はやはり、アニメとマンガであるらしい。日本のそういった映像文化にあこがれる男子が、集まってくるのだという。あるいは、戦隊物や怪獣物も、そこに含めるべきか。

・ナンパ術、ギャラントリーの技量に自信のない男が、日本の映像文化にいやされる。「もてない男」が、アニメとマンガですくわれたような気分になる。現実の女などと、つきあえなくっても構わない。アニメの美少女にときめいておれば、それでいいんだよ・・・・・。現代日本は、世界中の男たちに、そう呼びかけているのではないか。こうして、日本へは、世界各地から夢見る男子がやってくる。

・謙虚さが世間体を悪くする社会のあることも、痛感した。日本からやってくる駐在員などの家族も、このことでいい印象をもたれないという。自分の子供は、できが悪い。夫も、つまらない仕事にたずさわっている。そうおずおず語りたがる日本の妻たちが、しばしば煙たがられているらしい。あいつらは、嘘つきだ、と。自分の娘は、たいへん美しい。評判の美人だ。お前にも見せてやろうか。そう、さうブラジル人に言われ、彼のお嬢さんにあわせてもらったことがある。まあ、ぶさいくな人だなとは、思わなかった。しかし、それほど美しいとも感じない。それでも、ブラジルの父は、娘の器量自慢をするのかと、考えさせられた。「5割増し、6割増し」という言葉をかみしめたものである。

・事実、この国では、国政選挙の投票率が、ほぼ100%になっている。選挙へ行かない人は、ほとんどいないのだ。それだけ、国民の政治熱が熱いのだとは、しかい言いにくい。ブラジルでは、投票をしない人が罰せられる。日本円になおせば、2、3千円くらいの罰金を、当局へ納めなければならない。それが嫌で、たいていの人は投票所へ足を運ぶことになる。中には、投票日に用事があって、選挙へいけない人も、もちろんいる。だが、そんな場合でも、罰金は課せられる。このきまりからは、逃れられない。どうしても投票日の都合がつかない人は、だから事前に役所へ書類を出すこととなる。なぜ、その日に自分は選挙へ参加できないのか。その理由を書いて、棄権の許しを請わなければならない。

<目次>
まえがき
Ⅰ ノス・オス・カレッカス
 ハゲはブラジルでもてるのか/日本文化はハゲを不幸にする/ハゲと勃起の相関/「ノス・オス・カレッカス(われらハゲ仲間)」
Ⅱ 日本がブラジルから見えてくる
 京都とゴキブリ/まけるな、サブリナ/おもちけりのお姐さん
Ⅲ イパネマの娘はどこへゆく
 あなたのビキニを、もってきなさい/叶姉妹はボニータか/「イパネマの娘」ができたころ
Ⅳ うなじか、尻か
 -お尻、お尻ですよ/「八頭身」の裏側で/首のうしろに、なぜ?/おくゆかしい?気がちいさい?
Ⅴ マンマの国のジャポネース
 コパカバーナの甲賀者/ウルトラマンとジャスピオン/私から、健治をとらないで!
Ⅵ ボサノヴァに魅せられて
 その時、ジルベルトはかたまった/民謡酒場へつどう人/心の底からあこがれて
Ⅶ ブラジル宗教事情の一断面
 「生長の家」につどうクリスチャン/女人遍歴の、そのはてに/痴漢か、強姦か/ルース・ベネディクト再考/スピリチュアルなものへの好奇心
Ⅷ 日伯比較エトセトラ
 つつしみ深い人/ファベイラは、かがやいて/サッカーには、興味がない/子供の読み物/二都物語がうかびあがるまで/ブラジルの病院で/投票率は100%/ボボ・ブラジルのうしろには/魅惑のトラベスチ
あとがき

面白かった本まとめ(2011年上半期)


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