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折れそうな心の鍛え方(日垣 隆)

2010年04月30日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 この本は、ウツにならない、なっても克つための「折れそうな心の鍛え方」を50項目にわたって、自身の体験を踏まえて具体的に紹介したものです。

周囲の力を借りながら「自分で治す」という意志のもと、多くの学術論文も読み、各方面の専門家に取材し、体を張って有効性を検証したとのことです。

 この著者は医者ではないのでこのような本を書いて恐縮しているようですが、心に打ち克つにはとてもよいヒントだらけな本だと思いました。とてもオススメです!

 特に、以下はなるほどと思いました。

 ・小さなガス抜きをすること
 ・不安な要素をすべて書き出し、そして対策を考えること
 ・思い切り笑ったり泣いたり怒ったりすること
 ・落ち込んだときはテレビを消すこと
 ・異常な体験をテーマにした元気がでる読書をすること
 ・よく歩きよく噛んで食べ腹式呼吸すること
 ・バカバカしいことをしてウツツを抜かすこと、

 また、本の最後に、泣ける映画ベスト30選があるのもいいですね。心が弱っている人も、疲れて帰ってきた人も、感動のために泣いてしまい、ストレスがどこかに飛んでいってしまった、というような体験が共有できればいいなと思って紹介しているとのことです。私も今後観てみたいと思います。

その一覧は以下の目次にありますので良かったら参考にしてください。


以下はこの本のポイントなどです。

・私の場合、幸か不幸か、自分がなぜ落ち込んでしまったのか、原因がわかっていました。ここ数年立て続けに、個人的になかなか痛ましい事態が続きました。まずは私の長期取材中に起きた、大人の静かな品格があり、生意気な私の乱暴な意見にいつも謙虚に耳を傾けてくれていた父の逝去、親しさを増していた同世代の難病による早すぎる死、そして仲がすこぶる良かった同業者二人のがんによるあまりに早い昇天、長男と次女の相次ぐ発病、長女の失業と倒産の連鎖-このあたりまでは、よくあることとして家族や友人やスタッフの絆を強めて耐えられました。けれども、一日前までまったく予想していなかった大親友の突然死、今から考えてみれば、地上で最も信頼していた親子(あくまで当時)が私の全財産と全信頼とを奪って居直るに及び呆れ果てつつ、さらに不況ゆえなのか過労ゆえなのか偶然なのか、20年来とてもお世話になってきた編集者たちが相次いで亡くなり、いくつもの終わりなき喪失感に耐えられず、私自身のコップの水が、ついにあふれ出てしまったのだと思います。

・自分がどの程度、落ち込んでいるのか?勝手に自己診断する手軽な方法が、「意欲の湧かなさ加減」を調べてみることです。落ち込みの初期症状は、イヤなことがもっとイヤになります。私の場合、「買い物意欲の低下」によって、症状の悪化を自覚しました。私は買い物好きでした。「買うべきものリスト」を作成して常に財布に忍ばせ、「何でも買って野郎日誌」や「通販な生活」という著書まであるほどです。ところが沈んだ気分がいよいよ深刻化してきたとき、私の中から「何か買いたい」という意欲が、徐々に消えていってしまいました。

・心を鍛えるには、どんなことで折れやすいか、自分のダメージ・パターンを知り、そこを補強するトレーニングをしていくのがいいでしょう。元気でハツラツとしているときは、なかなかダメージ・パターンは見えてきません。落ち込み、くじけてしまったときこそ、パターンを知るチャンスでもあります。「最悪のドツボだな」と思っているときこそ、自分の落ち込みを、自分なりに分析するよう試みましょう。そこでダメージ・パターンがぼんやりとでも見えてくれば、なんとなく気持ちが落ち着きます。胃のむかつきの原因が、風邪なのか、胃潰瘍なのか、単なる食べすぎなのか、自分なりに見当がつけば、少し安心できるようなものです。さらに一歩進めて、「今後はこのパターンのダメージに備えて心を鍛えればいい」というように、トレーニングの方向性も決まります。すべてのダメージ・パターンを知り、完璧に備えることは不可能ですが、「不意のダメージ」を受ける確率を減らすことは十分できるはずです。

・ストレスについては、とりあえず二つに分けて対処すべきです。一つ目は、1つ1つの悪いストレスを取り除いたり、軽減したりすること。二つ目は、個人が個体内にもつ「ストレス耐性コップ」の水があふれないよう努力すること。コップというのはあくまで比喩ですが、とても大切な比喩です。仮に小さなストレス20件が個人にかかっても、その人の中でコップの水があふれなければ-つまり過労で倒れたり、命にかかわるところまでいかないのであれば、それは「大したことではない」と判断できます。ただし、ちょっとした負荷でコップの水があふれてしまう状態というケースもあるので、自分のコップの大きさや、今どれくらい満ちているかの自覚は大切です。

・喪失を埋め合わせる第一の方法は、よく知られているように、時間の経過です。第二は、自分が陥った状況を客観的に見る努力をすること。「勝手に自己診断」です。他人にやられると、さらに気落ちしますが、自分でやれば早期の立ち直りに確実に奏効します。第三は、周囲の力を借りること。第四は、できるだけたくさん泣くこと。また、笑うことに罪悪感を抱かないことです。第五は、多少でも代償を求めること。第六は、解決すること。例えば自分の会社が倒産しかけてウツになったのなら、その大事を解決すればウツは急速に改善されてゆきます。

・仕事のみならず、自分の心がちょっとおかしい、問題が生じているというときも、段階を踏んだ「ホウレンソウ」などというやり方で、打ち明けようとするのはやめましょう。一刻も早く相談してしまい、素早くガスを抜くに限ります。相談相手は、頼りになるプロである必要もありません。

・なんとなく不安だったら、その要素をすべて書き出してみましょう。との1つ1つについて対策を考えれば、不安は消えないとしても、ずいぶん小さくなります。ライターになりたてのころ、私は自分の漠然とした不安を、できるだけ具体的なものとして書き出してみました。そうしたところ、私にとって一番不安だったのは、働けなくなって無収入になることでした。そこで、一定の収入を保証する「インカム保険」というものに加入していたことがあります。無収入になることの不安はそれで解消されました。

・落ち込みやウツを解決するには、究極的には毒を笑い飛ばすことです。あなたがどんなにつらくても、もし一瞬でも笑えるのなら、笑う自分に罪悪感を抱かないことです。笑えないのであれば、泣いても怒ってもいいのです。思いきり泣いたり、我慢しないで怒ったり、たくさん笑ったり、そういうことができたらシメたものですよね。「怒る」とは「キレる」(言葉で説明できず暴力的になること)ではなく、怒りを拙くても言葉にする努力を放棄しないことです。必要な怒りの放棄は、相手への単なる無関心であり、関係を良好に維持するためにはむしろ無責任というものです。泣くことと、引き出すことは、大人にとっても重要なテーマであることが、脳科学や医学の最新研究によって実証されてきています。ここで「泣く」とは喪失や感動の涙のことであり、「引き出す」は記憶と思考のネットワークのことです。

・不思議なもので、悲しみや苦しみにもキャパシティがあります。人は、自分にふさわしい悩みや落ち込みしか抱えないのです。ふさわしいという言葉が適当でないのなら、「自分の力以上のものは抱えない」と言い換えてもいいでしょう。例えばお金の失敗といっても、3億円なくすことができる人は限られています。部下をなくす人はたくさんいますが、「3000人の部隊が全滅した」という状況に陥る人は少数です。「よく考えてみたら、自分のキャパを超えない範囲の不幸しか、自分には訪れない」こう思えたら、もうあなたの勝ち。自分にとっての「どん底」まで沈んでしまえば、プールのそこをぽんと蹴って浮上するがごとく、あとは立ち直っていくだけです。株と同じで底値までいけば、あがるのが自然な姿だと考えることにしましょう。

・私が大量に読んだウツの本にはたいてい、快癒まで3年が目安と書かれていました。しかし、介護をする人の話が念頭にあった私は、フォローする側の耐えうる期間という意味で「三ヶ月間、支えてほしい」と家族に頼みました。いきなり「3年間、支えてくれ」と言われたらいくら家族であっても戸惑うでしょう。3年たてば子供の人生のステージも変わります。生活の面でも金銭の面でも「そんなに長い間、具合が悪くて大丈夫なのか?」と不安が生じる長さです。しかし3ヶ月であれば、ぎりぎり見通しがつく期限でしょう。仮に3ヶ月で終わらなくても、目印にはなります。

・ここでは応急処置として、それらとはまったく別のアプローチの読書をおすすめします。それは「異常な体験」をテーマにした読書。例えば、元日本陸軍兵士だった横井庄一さんの本は元気が出ます。ご存知のとおり横井さんは、太平洋戦争の終結を知らずに、なんと28年間もグアムでサバイバル生活を続け、地元の漁師に発見されたという人物です。

・いつのまにか、自分を侵食してくるものは暮らしの中にたくさんありますが、ウツウツとしているときは、注意深くそれらを排除する必要があります。テレビは、その際たるものでしょう。落ち込んでいるときには、テレビは消す、これをルールとしたほうがいいと私は思います。きちんと筋を追わなくてもわかるドラマ、眺めているだけで時間がすぎていくバラエティ番組など、テレビがBGMという家もあるでしょう。しかし、テレビはただつけているだけで無意識にエネルギーを奪っていきます。意味もなく癖のように、テレビをつける-これもまた、元気な人だけが耐えうる「ジャンクフード的娯楽」なのかもしれません。ウツウツとしているときの「添加物」は、体にも心にも刺激が強すぎるということです。

・人の脳内には、セロトニンという神経の情報伝達物質があるのですが、これが欠乏すると、ウツ状態になることがわかっています。セロトニンはもともと体に備わっているものであるため、その仕組みを理解していれば、クスリを飲まなくても活性化させることは可能だというのです。私が教わった方法は、よく歩くこと。よく噛んで物を食べること。腹式呼吸をすること。例えば、足の裏を意識しながらリズミカルに早足で歩く。セロトニンのもととなるトリプトファンが含まれている、バナナや豆腐、チーズなどをよく噛んで食べる。じっと座って呼吸をし、息を吐くことだけに意識を集中させる。

・誰もが陥るウツ状態から抜けだすには、「うつつを抜かす」体験が必要なのではないか。すなわち、我を忘れるくらい何かに夢中になることが、ウツな気分の応急処置となるのではないでしょうか。できれば、普段はやらないバカバカしいようなことがいいでしょう。好きか嫌いかもイメージできないほど自分から遠いことを、片っぱしから試してみます。日常生活から遠いものといっても、努力を要するものではハードルが高くなるのでNG。私が試したバカげたことその1はパラセイリング。バカげたことその2はジェットスキー。これは、「ぶっとばすこと」と「ぶつからないこと」しか、その最中は考えられません。

・ウツになれば、職場の人たちの多くは「ゆっくり休んでいろよ」と思いやりで言ってくれるでしょう。しかし、もしかするとこの言葉も「おまえがいなくても、会社は大丈夫」というメッセージになり、求められていない状態を助長している気がします。そうであれば自らの手で、「求められる状況」をつくりだすことも必要ではないでしょうか。恋人や家族が求めてくれるのが理想だとしても、ペットだって大いなる味方となります。この場合のペットは何と言っても犬です。

・広義のストレス(それをやるのが本当はイヤな状態)でも、狭義のストレス(不本意に引き受けてしまったこと)でも、その対処法は以下の3つです。
 1.あとで放り出すようなものは最初から引き受けない
 2.引き受けてしまった以上は、楽しむ(そのストレスを育てない)
 3.ストレスのままだったとしても、その仕事に対する評価を確保する

・もしあなたが今、喪失感や落ち込みの真っ只中にいたら、それは「最悪」を経験するという貴重なときであり、人生のなかでまとめて与えられた「考えるための時間」かもしれません。そこから何を生み出すか、生み出さないかは「最悪の時期」の過ごし方で決まるような気もします。

・いかにあなたの言い訳に分がある場合であっても、日常的な出来事でいちいち、失敗という事実と相手の怒りの両方を引き受けていたら、ムダに疲れてしまうのではないでしょうか。「すみません」と頭を下げて、「どうすればいいですか?」と尋ねる。これは心地よく日常生活を送るための、魔法の言葉だとすら私は思います。

・落ち込んだら落ち込みの出口を意識することが、回復への道であり、ウツを悪化させないように心を鍛える方法でもあります。失恋で息もできないくらい、悶々としているとしても、最終的に落ち込みの出口にたどり着いたら、「なんだ、たかがあんな女のことでウジウジしていたのか」と悟るのです。仕事がうまくいかなくて、途方に暮れていても、最終的に落ち込みの出口にたどり着いたら、「悲劇の主人公みたいに悩みまくっていたけれど、私の悩みなんてごくありふれた、普通のことなんだな」と悟るのです。つまり、悩みの「たかがさ加減」を知るのが、落ち込みの出口ということ。

<目次>
プロローグ 「医療関係者のみなさん、しばらく黙っていてください」

第1章 「勝手に自己診断」編
 1 「喪失の落ち込み」をウツ病にするのはもうやめよう
 2 「バカボンのパパ」は変人だから愛される
 3 会社に行けずディズニーランドは楽しくても、自分を責めない
 4 「好きだったことがイヤになった」は落ち込みのバロメーター
 5 しんどくても、日常生活が破綻していないなら大丈夫
 6 「イヤ」の理由を分析すると、解決策が見えてくる
 7 自分がどの手のトラブルに弱いのか知っておこう
 8 共感力が高い人はウツがうつりやすいので要注意
 9 「ほかの人は平気でも自分には耐えられない」ことはあって当然

第2章 とりあえず「ガス抜き」編
10 「ストレス耐性コップ」の水を溢れさせない
11 「時間の経過」だけに任せず、小さなガス抜きを繰り返す
12 話を聞いてくれる人の力を借りて、毒を吐き出す
13 原因を人のせいにする愚痴は、ストレスを育てるだけ
14 じっくり相手を選ぶより、「誰でもいいから即相談」
15 「何だか不安」は「何が不安か」がわかっていないから
16 「自分のつらさは特別」という思い込みをぶち壊す
17 無理しても笑う。泣く。我慢しないで言葉にする。
18 人は自分で越えられる悩みや落ち込みしか抱えない

第3章 「まずは応急処置」編
19 「忘れる」「取り戻す」「埋め合わせる」で喪失を乗り越える
20 一発逆転を狙わず、やれることは全部やる総力戦で
21 「三ヶ月で立ち直る」と期限を切ろう
22 人に「がんばれ」と言わせず、自分ではがんばる
23 「始めるためのハードルを下げる」工夫に力を注ごう
24 ジャージで一日ゴロゴロしていいのは、元気な人だけ
25 ぼんやり見ているテレビはエネルギーを奪うのでご用心
26 28年間サバイバル生活をした横井庄一さんの本を読む
27 よく歩きよく噛みよく呼吸して、自前のセロトニンをつくる
28 パラセイリングとジェットスキーでスカッとする
29 占いのためだけに台湾旅行をしてみる
30 パートナー以外の異性を交えた三人旅をする
31 「給料以外に稼ぐこと」がストレスを減らす鍵になる
32 打ち明け話をするなら中年サラリーマンより女子高校生に
33 7割の人に褒められ、3割に批判されるのがちょうどいい
34 犬を飼って「自分が必要な存在である実感」を取り戻す

第4章 「日々、鍛えてみよう」編
35 ちょっと難しい課題を引き受けて「自分の器」を大きくする
36 才能ある人とは、自分なりの「鍛える努力」を続けられる人
37 諦めずに抵抗すれば、老眼だってずっと先延ばしにできる
38 努力しない長生きタイプは努力する短命タイプに勝てない
39 自分への期待値が高すぎる人は挫けやすい
40 「やればできるけど苦手なこと」は無理してやらない
41 「人に任せられること」は自分で思っているより多い
42 失業もウツも「最悪の事態」を経験できる貴重な機会
43 映画に誘える異性、自分と発想が異なる同性の友人をもつ
44 退屈にも多忙にも翻弄されない自分のペースをもって生きる
45 「いずれ関係が破綻しそうな人」は早めに見限っておく
46 迷ったら縦軸・横軸の4分割で考えるとうまくいく
47 「どうすればいいですか?」は失敗をカバーする魔法の言葉
48 嫉妬は「自分への他者評価」を上げるバネになる
49 99%無理でも最後の1%に賭ける潔さをもつ
50 落ち込んだら、まず出口をイメージするのが回復の第一歩

第5章 大人たちよ、映画を観てもっと泣こう -泣ける映画ベスト30選
 なぜ「泣ける映画ベスト30選」か
 「シンデレラマン」
 「遠い空のむこうに」(と「フラガール」)
 「セント・オブ・ウーマン」
 「男たちの大和 YAMATO」
 「サトラレ」と「天国までの百マイル」
 「学校Ⅱ」
 「明日の記憶」
 「ライフ・イズ・ビューティフル」
 「ショーシャンクの空に」
 「レインマン」
 「アメリカンプレジデント」
 「スタンドアップ」
 「山の郵便配達」
 「僕の彼女を紹介します」
 「ラブストーリー」
 「猟奇的な彼女」「コールドマウンテン」「ひまわり」
 「ターミナル」
 「JSA」
 「ギャラクシー★クエスト」
 「あの子を探して」
 「グッバイ、レーニン!」と「やさしい嘘」
 「BUENA VISTA SOCIAL CLUB」
 「RUDY/涙のウイニング・ラン」
 「ラスト・プレゼント」
 「ある愛の詩」より断然「ホリデイ」
 「オールド・ルーキー」
 「變臉 この櫂に手をそえて」
 「ALWAYS 3丁目の夕日」
 「象の背中」
 「ベンジャミン・バトン」「エレジー」「歩いても 歩いても」
 「SEX AND THE CITY」
 「グラン・トリノ」

面白かった本まとめ(2009年下半期)


<今日の独り言>
以前紹介した「シネマ経済学入門 ローマの休日とユーロの謎」という本の著者である宿輪純一さんが主宰している宿輪ゼミhttp://shukuwa.jp/に参加しましたが、楽しく勉強になります。またその後、飲み会もあって色んな業種の方と楽しく話ができるのも良いと思いました^_^)

コメント
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