ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

 2008年10月から「第2マキペディア」として続けることにしました。

NHK の広場、17、ドイツ語(16、副詞と述語形容詞、係りからの手紙)

2005年07月19日 | NHKの広場
 NHKラジオドイツ語講座の係御中

前略
 テキスト〔2003年〕02月号の60頁の冒頭で田辺秀樹さんは、

fremd:「よそ者の、なじみのない、不案内な」。ここでは
副詞。

と書いています。

これは完全な間違いです。これは「述語形容詞」です。

述語形容詞と副詞の違いについては関口存男さんの小冊子
「副詞」(三修社)の第一講にくわしく書いてあります。

 これまでにも何度か指摘しましたが、田辺さんはピアノは巧
いのかもしれませんが、ドイツ語学は余りにお粗末だと思いま
す。こういう人を講師に採用するのは間違いだと思います。2
度としないで下さい。

しかも質問や批判に答えないのは教養講座のあり方として間
違っていると思います。公共放送のあり方として不適当ではあ
りませんか。

こういう事が続くならば法的手続きをとることも考えざるを
えません。

尚、ラジオドイツ語講座は全体としてはとても好い放送で、
点を付けるならば99点だと思います。私の問題にしているのは
最後の1点です。しかしこの1点が致命傷にもなりかねない1
点なのです。

よろしく
                       草々
2003年01月21日
牧野 紀之


 田辺さんからの返事(2003年03月04日)の該当部分は次の通
りです。

・・「おやすみ」の fremd bin ich eingezogen, fremd zieh'
ich wieder aus:
 副詞か述語形容詞かという問題はグレー・ゾーンが残る問題
だと思います。

ここでの fremdが、たとえば Gestern bin ich eingezogen
の gesternなどとは異なることは、対訳の日本語「よそ者とし
て、やってきて、よそ者として、また出てゆく」のとおり、意
識していました。しかし、構文上、「副詞的」に用いられてい
るので、副詞と説明した次第です。言葉が足りなかったかもし
れません。・・


 批評

 「言葉が足りなかった」のではなく、田辺さんはドイツ語を
研究しておらず、この違いについて知らないのだと思います。

 その証拠に、田辺さんはこれがどちらかを判定する基準を示
しておらず、それを適用して考えていません。私が参照文献を
指摘しているのに。

 これは、構文上も何でも、副詞的になど用いられていません。

 ここには「グレー・ゾーン」などというものはありません。

 さて、田辺さん関係の質問と意見はこれが最後でした。最後
に「法的手続きを取る」と脅したので、係も田辺さんもようや
く返事を寄越しました。誠意のない人達です。

 田辺さんの返事の内容の各論はこれまでに、分けて、私の質
問と共に掲載しました。未掲載の部分(初めと終わりの挨拶)
を掲載します。

 最初の言葉は次の通りです。

・・ドイツ語講座の番組あてに何度かお手紙をいただきまして、
ありがとうございます。ご質問やご指摘についてお答えするの
がたいへん遅くなりまして、申し訳ありませんでした。

 ようやく3月最終月分の収録が終わり、一息つけるようにな
りましたので、おくればせながら、回答させていただきます。・・

 最後の挨拶は以下の通りです。

・・以上、貴重なご指摘とご教示に感謝いたします。
  2003年03月04日
           田辺 秀樹・・


 NHKの係の方からの手紙は長いものですが、全文掲載しま
す。

・・前略
 ドイツ語講座を御愛聴下さりありがとうございます。

 何度か講座の担当講師宛に御意見、御質問をいただきました
が、それらのお便りはそれぞれの先生にお渡しし、語学上の点
についての御質問についてのお答えを依頼しております(牧野
の注・依頼しても返事をくれない時や誠意のない返事の時には
どうしているのかが書いてありません)。

 金曜日の「歌で楽しむドイツ語」の田辺先生からの回答が私
どもに届きましたので、転送させていただきます。

 この講座をはじめ、ラジオドイツ語講座の入門、応用編全て
は1996年以来、担当ディレクターひとりが企画・立案し、制作
しております。

 講座を利用されている方々は小学生から90歳以上の幅広い層
の方々で、学習動機も、レベルも、期間もまちまちです。

 それだけに制作者として、常に、どのような講座を次は企画
しようかと苦慮している次第です。

 牧野様がいつ頃から当講座をお聴きになっているかは存じま
せんが、ここ数年で特に反響の大きかったものとして、ドイツ
語だけの講座「Deutsch auf Deutsch 」「原書で読むグリム」
そして今年度の「歌で楽しむドイツ語」が、応用編の中では挙
げられます(牧野の注・私にはほとんどみな面白かった)。

 特に「歌で楽しむドイツ語」は、ドイツ語に触れる方の中で
音楽、歌を通して~という方が多いため、私が数年来企画を暖
めて、講座にふさわしい、ドイツ語と音楽双方に高い教養を備
えた講師をやっと探し当てたのが田辺秀樹先生でした(牧野の
注・田辺さんはドイツ語については「高い教養を備えている」
とはいえないと思います)。

 舞台裏をお見せするようですが、放送で紹介する曲は合わせ
てテキスト並びにCDで同時出版しますので、50曲以上を独自に
収録し、又聴取者の強い御希望もあり、楽譜を掲載する手続き
をとり、著作権問題をクリアーする等、先生と共に作業を続け
て参りました。

 その甲斐あってでしょうか、みなさまから大変多くの反響を
いただき、好評を博しております。少し横道にそれましたが、
講座への反響はお便りという形であらわれ、制作者の私もなる
べく誠実にお答えすべく努力はしておりますが、毎日届くたく
さんのお便りに細かく、ひとつひとつお答えする余裕は正直な
ところありません(牧野の注・答える必要のあるものとないも
のとがあると思います)。

 もちろん講座制作過程で何重にもわたるチェックにもかかわ
らず犯してしまったミスなどについては、受講者の方から指摘
されることもあり、そうした場合は速やかに対応するようにし
ております(牧野の注・私の指摘している点は、多分、私しか
気づかない問題点です)。

 その点から、牧野様から御指摘のあった Tannenbaum での説
明ミスは、直ちに御返事を差し上げ、手直し、訂正すべきこと
であったと反省しております。

 私や編集助手、そしてテキスト出版担当の者も、ある程度は
ドイツ語の力がありますが、講師の先生の講義内容について、
明らかにミスと分かるものは別として見落としてしまうことも
あるのも事実です(牧野の注・私の問題にしているのは、たい
てい、ミスではなく、ドイツ語研究に関わる問題です。講師の
学力の問題です)。

 聴取者の方の御指摘でハッとすることがあり、恥ずかしいと
感じると同時に有り難いと思う次第です(牧野の注・人間には
知らない事も間違いも沢山あります。謙虚さが問題なのです)。

 この放送は再来年度以降、みなさまのご要望におこたえし、
一部新作し、再放送も考えておりますが、その際には当然のこ
とながら、より良きものに手直しをいたします(牧野の注・本
質的な改善は見られませんでした。田辺さんの力では無理なの
です)。

 又、春の特集として4月初めには、アンコールリクエスト特
集を放送しますので、「樅の木」についても触れる予定です
(牧野の注・聞きましたが、触れなかったと思います)。

 牧野様には本講座に高い評価をしていただき、深く感謝いた
します。私はドイツ語の専門家ではありませんが、番組制作の
プロとして、ドイツ語に親しむ人々の数が減少傾向の中、より
多くの方々にドイツ語とドイツ語につながる世界の素晴らしさ
を味わっていただけるよう、質の向上に一層努力いたします
(牧野の注・現状では「ドイツ語につながる世界の素晴らしさ」
は味わえると思いますが、「ドイツ語の特徴と面白さ」は味わ
えないと思います。私の問題にしているのはこの点なのです)。

 みなさまに支えられての講座です。 GTVの花形番組などとは
違う地味な講座ではありますが、全国津々の聴取者の方々に語
学講座の中で一番と思っていただける番組づくりを今後も心掛
けます。

 これからもよろしく御支援下さい。

 大変遅くなりましたが、田辺先生の「返事」をお送りするの
に合わせて、制作担当者から連絡させていただきました。

 ありがとうございました。
          ドイツ語講座担当ディレクター

2003年03月05日 松井 健児


 批評

 行動を伴わない言葉だけでは評価できません。
 これでは受信料支払い拒否を考えざるをえません。

(2005年07月19日)

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