小野寺眞夫の言いたい放題

所長、小野寺眞夫の思った事を綴っています。

言いたい放題-円高加速

2008-10-25 19:19:05 | Weblog
24日のロンドン外国為替市場では円相場が急騰し午前10時(日本時間午後6時)過ぎに、1ドル=90円87銭を付け、1995年8月以来約13年3ヶ月ぶりの円高ドル安水準となった。
これについては、世界的な株価急落を受け、日本の投資家などが外貨資産の換金売りを急いだ事が原因としてあげられている。
そして日本では、円高を受け、円高による企業業績悪化懸念から日経平均株価は、8000円を割り込み2003年4月に付けたバブル崩壊後の安値に迫った。
と、ここまでは新聞報道通りなのだが、ちょっと待ってください、円高って悪いことだけだろうか?
今週、先進国及び途上国を問わずあらゆる国の通貨が下落した。
その中、依然世界中のドルが不足していて、ドルを買うため自国通貨が今まで以上必要となった国が多い中、ただ円だけが上がり悠々とドルを買っている。それだけ「円」に対する評価が高まったということだ。
つまり、日本の金融機関の財務内容が良いし、製造業も健在と言うことを意味している。
円高メリットとしては、輸入品が安く買えるし、世界中の金持ちが円に投資をすることにもなるだろう。
円がドル以上に信頼が高まっているとしたら、別な面ですばらしいことでもある。
最早、円高=悪のイメージを払拭すべきと思うが。

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言いたい放題ーやはりドル

2008-10-18 20:09:06 | Weblog
世界各国が、金融機関に公的資金を投入すると表明したことで、金融危機の嵐がしずみつつある。この中で何が一番問題だったのかというと、先週も書いた通り、銀行間の取引が事実上止まったことだ。疑心暗鬼で、中央銀行以外誰も金を出さなかった。
特に、極端にドルが不足した。
アメリカ発の金融不安なのだが、最後の土壇場での決済は、やはりドルが一番信用があったと言うことなのだろう。ユーロなんかいくら持っていても、役に立たなかったと言うことだ。
アメリカの軍事、経済の一極支配が崩れつつあると言われながら、中東のオイルマネーを始めとして、世界中のお金はニユーヨークの金融市場に集まるしかないのが現実だ。今後もアメリカを中心として世界は回ることになる。
だから、アメリカの早めの経済復興が望まれるのだが。....
ところで、ヨーロッパの金融機関は今回の騒動で、震源地のアメリカ以上に痛んでいて、イギリスの主要銀行は軒並み倒産に瀕したり、アイスランドでは、数多くの
銀行が、倒産し国有化された。当然、アメリカの不良金融資産を沢山買い込んでいたのが原因なのだが、それ以外に「サイバー取引」があげられる。
あの銀行が危ないと思ったら、インターネットで、一瞬の内に大量の資金を別の銀行に移動し、資金移動された銀行は、あっという間に資金が枯渇すると言う図式になっている。これでは、まともな経営が出来なくなる。
今後は、「サイバー取引」に規制を掛ける必要があると思うが....
ところで、今回の金融不安では、日本の金融機関は、ほとんど無傷に近かった。
今後、有り余った世界の資金の投資先は、安全な市場として技術大国日本に向かう
可能性が高くなったと思うのだが果たして.....

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言いたい放題-ウルフパック

2008-10-11 17:07:00 | Weblog
全世界の株価が下げ止まらない。
日本だけで、この1週間で66兆円の資産価値が吹き飛んだ。昨日、大前研一氏の講演があり、その講演中で、現在の状況をウルフパック(狼の群れ)状態だと言っていた。つまり、狼とは食べ物が無く飢えてくると、自分の群れの中で一番弱いものを探し出し、それから食べてしまうのだそうだ。だから、そうならないよう、疑心暗鬼になる。
現在の金融界がそうで、どの金融機関が危ないか、疑心暗鬼になっていて、誰もお金を出さない状態だ。
例えば、銀行間の短期資金市場。事実上止まったも同然で、日本銀行は、ほとんど毎日、短期資金市場に、資金を出していて、全部で29兆円。その他に300億ドルのドル資金も出している。
このドルの貸し借りの利率は、公定歩合ではなく、入札で高い金利をつけたところから貸すそうで、最高で11.76%まで行ったそうだ。世界中でドルが足りなくなっており、今や金利なんかの問題で無くなってきた。とにかくドルが欲しい。
そんな状況なのに、危機の本家本元、アメリカのポールソン財務長官始め首脳陣は対処方法がわかっていないのだそうだ。
見るに見かねて、まず、資金の流動性確保からした方がよいと大前氏はアメリカの新聞に書いたそうだが。.....
対処法が解らないとは、冗談ではない。バブル崩壊の先輩である日本に、処理方法を聞くなり、早く対処して欲しい。
「聞くは一時の恥、聞かずば末代の恥」ですぞ。

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言いたい放題-クレジット.デフォルト.スワップ

2008-10-04 17:55:08 | Weblog
日本時間10月4日未明、アメリカ下院で懸案の金融安定化法案が再可決された。この法案は、約75兆円の公的資金を投入して、金融機関が抱えている不良資産を買い取ろうという物だ。アメリカのブッシュ大統領、ボールソン財務長官などが国民の「何で俺たちの税金で金持ちを救わなければならないのか」の不満を無視してまで、ガムシャラにこの法案を通した理由や、リーマンブラザーズは、倒産させたけれどAIGグループは何故救ったのか?の疑問があったが、それが解ったような気がする。私も今回初めて知ったのだが、それは、クレジット.デフォルト.スワップ(通称CDS)の存在だ。
簡単に言うと、貸付債権の信用リスクを保証してもらうオプション取引のことを言う。(詳しくはインターネットで調べて欲しい)
保証する側は、デフォルトがない限り保証料が入ってくるので、濡れ手に粟の状態だが、一旦事があると当然保証しなければならない。これは、恐ろしい事に保証債務なので帳簿外で処理されているのが大部分で、決算書上表面に出てきにくく、例えば金融機関のBIS規制での自己資本比率維持の責任を負わない。
そして、欧米の法人及び個人が抱えている債務は、2008年6月現在で約5500兆円と言われている。
アメリカの国家予算が300兆円であることから見ても、如何に巨額か解る。
そこに飛び火したら、全世界が金融恐慌になってしまう危険性が大だ。従って、今回躍起となって、金融機関を救ったという事なのだろう。
従って、AIGは、簿外のCDSが数千億ドルあったが、リーマンブラザーズはほとんど無かった。この事が企業の生死を分けたと言うことだろう。
今までは、「大きすぎて潰せない」だったが、これからは「デリバティブを大量に保有すれば大丈夫」と言う事になるのだろうか?
そんなモラルハザードを引き起こさなければよいが.....

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