小野寺眞夫の言いたい放題

所長、小野寺眞夫の思った事を綴っています。

言いたい放題-クレジット.デフォルト.スワップ

2008-10-04 17:55:08 | Weblog
日本時間10月4日未明、アメリカ下院で懸案の金融安定化法案が再可決された。この法案は、約75兆円の公的資金を投入して、金融機関が抱えている不良資産を買い取ろうという物だ。アメリカのブッシュ大統領、ボールソン財務長官などが国民の「何で俺たちの税金で金持ちを救わなければならないのか」の不満を無視してまで、ガムシャラにこの法案を通した理由や、リーマンブラザーズは、倒産させたけれどAIGグループは何故救ったのか?の疑問があったが、それが解ったような気がする。私も今回初めて知ったのだが、それは、クレジット.デフォルト.スワップ(通称CDS)の存在だ。
簡単に言うと、貸付債権の信用リスクを保証してもらうオプション取引のことを言う。(詳しくはインターネットで調べて欲しい)
保証する側は、デフォルトがない限り保証料が入ってくるので、濡れ手に粟の状態だが、一旦事があると当然保証しなければならない。これは、恐ろしい事に保証債務なので帳簿外で処理されているのが大部分で、決算書上表面に出てきにくく、例えば金融機関のBIS規制での自己資本比率維持の責任を負わない。
そして、欧米の法人及び個人が抱えている債務は、2008年6月現在で約5500兆円と言われている。
アメリカの国家予算が300兆円であることから見ても、如何に巨額か解る。
そこに飛び火したら、全世界が金融恐慌になってしまう危険性が大だ。従って、今回躍起となって、金融機関を救ったという事なのだろう。
従って、AIGは、簿外のCDSが数千億ドルあったが、リーマンブラザーズはほとんど無かった。この事が企業の生死を分けたと言うことだろう。
今までは、「大きすぎて潰せない」だったが、これからは「デリバティブを大量に保有すれば大丈夫」と言う事になるのだろうか?
そんなモラルハザードを引き起こさなければよいが.....

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