登戸通り魔事件は野田小4虐待死が児相の対応不足が一因と同じく、川崎市の対応不足が一因 包丁購入者に氏名・住所等記入の義務付けを

2019-06-03 11:50:09 | 政治


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 2019年7月28日任期満了実施参院選で

安倍自民党を大敗に追いつめれば

政権運営が行き詰まり 

2019年10月1日の消費税10%への増税を

断念させる可能性が生じる



 
 2019年1月24日、千葉県野田市立小4年生10歳の少女が自宅浴室で父親の度重なる虐待の末に殺害された事件は少女が学校の「いじめに関するアンケート」に父親から暴力を受けていると訴えたことから、児相が少女を一時保護の措置に出た。父親は一時保護直後から学校を訪れ、「人の子を誘拐するのか」「暴力はふるっていない」「訴訟を起こす」と抗議した威嚇的な態度。対して学校がアンケートの回答内容を伝えて暴力の事実を裏付けると、「アンケートの実物を見せろ」などと迫った同じく威嚇的な態度。約2ヶ月経た親族宅への一時保護解除後、父親が小学校を訪れ、「娘に暴力は振るっていない」とか「人の子どもを一時保護といって勝手に連れて行くのはおかしい」などとなおも執拗に抗議した偏執的な態度。

 あるいは一時保護から約半月後に少女と市教委と学校の三者の学校での話し合いの場で、やはり威圧的な言葉で「いじめに関するアンケート」の公開をしつこく迫った態度。学校が少女本人の同意がないと渡せないと断ると、両親が3日後に同意書を持って市教委を訪問、父親が同じような威圧的な言葉でアンケートのコピーを手渡すよう要求し、市教委を同意させてしまった態度等々から父親の威嚇的で自己絶対的な人物像、そのような性格からくる極度の支配性向を読み取ることができずに2017年12月27日の親族宅預かりの一時保護解除から約2ヶ月余で自宅に戻すことを許可、父親と一緒に生活させた児相の決定と、家庭復帰後、小学校で児相職員が少女本人と一度面会したものの、学校に虐待の兆候がないか、その様子を観察するよう学校に求めただけで、家庭訪問をして両親と面談し、何か問題はないか、その観察はしないままに放置した、これらの児相の対応が最終的な虐待死の一因になったはずである。

 2019年5月28日朝、川崎市の登戸駅付近の路上で小学校のスクールバスを待っていた児童や保護者らを男が包丁で相次いで刺し、小学校児童1名と付近にたまたま居合わせた男性1名を死亡させ、犯行直後に自殺した51歳の男による登戸通り魔事件。翌日の「NHKニュース7」が犯人の叔父や叔母から、犯行を犯す前の犯人本人についての相談を受けていた川崎市精神保健福祉センターの記者会見を流した。録画していなかったから、「NHKニュースウオッチ9」でも、同じ内容を流すだろうと思って、録画しておいた。

 川崎市精神保健福祉センター記者会見(「NHKニュースウオッチ9」/2019年5月29日)

 女性市担当者「長期間、就労していないとか、引きこもり傾向にあって、まあ、おうちの中に閉じこもっているような・・・・

 親族の方から、その、麻生区に住まわれている叔父、叔母(80代だという)、御本人の3人家族、そこの家庭についてのご相談が入っている。『介護サービスを導入したいんだけども、同居している御本人について、その、介護サービスを導入することで、どのような反応があるのかということが心配される』」

 NHK男性解説「その叔父や叔母がおととし11月から今年1月にかけて面談や電話で14回、川崎市精神保健福祉センターに相談が寄せられていた。その中で親族が説明した岩崎容疑者の様子は――」

 女性市担当者「本人が長期間就労していないですとか、それから、ま、引きこもり傾向にあって、まあ、おうちの中に閉じこもっているような生活環境で、この間、ずうっと、あの、来られた。

 そこに外部の人(介護ヘルパー)が入るっていうことが、あの、大丈夫だろうかっていう心配ですね。そもそもご家族の中でなかなかコミュニケーションが取れない」

 NHK男性解説「そこで川崎市は手紙で遣り取りする方法を提案。実際に叔父や叔母が岩崎容疑者の部屋の前に起きましたが――」

 女性市担当者「『自分のことはちゃんとやっている。食事、洗濯を自分でやってるのに引きこもりとは何だ』。御本人の方から(叔母に)声掛けがあったと」

 NHK男性解説「引きこもりとされることに抗議の意志を示した岩崎容疑者。一方で――」

 男性市担当者「食事を、まあ、冷蔵庫に入れて食べなさいって置いておいたり、お小遣いを、そういうこともあるというふうに聞いております。(引きこもりが)長い期間だろうなあということは想像しますが、お話からしてですね、昨日や今日に始まったことではない。多分、10年単位でしょうね、長期って」

 NHK男性解説「その後、親族から『本人なりの考えがるので、暫く様子を見たい』という連絡があったのが最後。一連の相談では叔父や叔母が容疑者を余り刺激したくないという意向を示し、川崎市も容疑者本人と接触することはなかったということです」

 確かに犯人は悪者ではあるが、川崎市精神保健福祉センター職員は引きこもりが犯行の素因であるかのような言葉を弄している。女性職員の「長期間、就労していないとか、引きこもり傾向にあって、まあ、おうちの中に閉じこもっているような・・・・」といった発言にしても、「そもそもご家族の中でなかなかコミュニケーションが取れない」にしても、男性職員の引きこもりは「昨日や今日に始まったことではない。多分、10年単位でしょうね、長期って」の発言にしても、引きこもりそのものを問題視していて、犯行の直接の原因であるかのような発言の体裁を取ることになっている。

 だが、引きこもりが10年単位であったとしても、20年以上であったとしても、その間、何ら問題行動も、凶悪な事件も起こさずに推移した。当然、引きこもりそのものが犯行の素因そのものではなく、その引きこもりに何らかのキッカケが働いたことが犯行の動機と見なければならない。そのキッカケが自分が作り出したのか、第三者が与えたものなのかを解明しなければならない。

 引きこもりに何らかのキッカケが働いた犯行であることを証明してくれる記事がある。「J-CASTテレビウォッチ」(2019/5/30 11:46)

 川崎〈市健康福祉局の坂元昇さんによると、伯父夫婦は岩崎の状態について、「暴力をふるったり暴れたりすることはないが、コミュニケーションがまったくない」と話したという。岩崎は伯父夫婦と顔を合わせないように、台所を使う時間やお風呂に入る時間を分けるルールを作っていた。〉

 要するに引きこもりという状況に自身を調和させていただけではなく、自身の引きこもりと伯父伯母との関係を一応は調和させていた。その調和を破る何らかの力が働いた。

 坂元昇なる人物が所属する川崎市健康福祉局と先に上げた川崎市精神保健福祉センターとは名称そのものが違うから、部署も違うはずだ。坂元昇なる人物が記者会見の男性職員と同じ人物なら、引きこもりが犯行の素因であるかのような言葉は口にはしないだろう。

 川崎市精神保健福祉センターへの相談から犯行までの経緯を他の記事を参考にして時系列で挙げてみる。

 2017年11月~2019年1月 川崎市精神保健福祉センターは叔父や叔母とその親族から面談と電話による相談を14回受けた。
 2018年6月~ 川崎市は家族の状況を確認した上で訪問の介護サービスを開始。
 2019年1月 叔父と叔母は川崎市精神保健福祉センターから手紙の遣り取りでのコミュニケーションを勧められて、岩崎の部屋の前に手紙を置く。 
        数日後、岩崎はドア越しに叔母に対して「自分のことはちゃんとやっている。食事、洗濯を自分でやってるのに引きこもりとは何だ」と、多
        分、きつい言葉で反発した。
 2019年2月 4本所持していた包丁のうち犯行に使った2本の刃渡り30センチの柳刃包丁2本は東京都町田市内の大型量販店で購入していた可能性が捜査
       によって明らかにされる。
 2019年5月28日 通り魔殺人を凶行。

 こう見てくると、自身と、さらに伯父伯母と調和させていた引きこもりの、その調和を破ったのは川崎市精神保健福祉センターから手紙の遣り取りでのコミュニケーションを勧められて、岩崎の部屋の前に置いた手紙に対する岩崎本人の反発以外に考えられないことになる。

 勿論、市は良かれと思って勧めたことなのだろう。だが、「自分のことはちゃんとやっている。食事、洗濯を自分でやってるのに引きこもりとは何だ」という岩崎本人からの反発の情報を把握していながら、叔父や叔母の容疑者を余り刺激したくないという意向を優先させて、容疑者本人と何ら接触しなかった。

 市は「暴力をふるったり暴れたりすることはない」という岩崎本人の引きこもり時の大人しい態度に安心していたのかもしれない。だが、川崎市精神保健福祉センターは職務の一つとして、「社会的ひきこもりに関する相談」を受け付けている。

 そこには次のように記載されている。

 〈川崎市精神保健福祉センターでは、「社会的ひきこもり(あきらかな精神障害によるものではない、ひきこもり)」でお悩みの、市内在住18歳以上のご本人やそのご家族の方からの相談を受け付けております。

 ご本人様へ-

 ひきこもる状態自体は、決して悪いことではないと思います。

 -でも、もしもその状況を「何とかしたいな」と思いましたら、ひとの力を借りることを試してみるのも、ひとつの方法かもしれません。

  どんなことができるかを一緒に考えていきたいと思っております。

  まずはご連絡ください。

 電話:044-200-3246

 平日 午前8時30分~午後12時00分、午後1時00分~午後5時00分(年末年始を除く)

 ご相談は無料です。

 ご相談内容等の秘密は厳守いたします。〉――

 引きこもり相談を職務としていながら、叔父や叔母の容疑者を余り刺激したくないという意向にただ、ただ従って、いわば「ハイ、そうですか」でいとも簡単に引き下がっただけではなく、80代に達している叔父や叔母が50代になっても引きこもりを続けている従兄弟とのこの先の生活を市として何らかの心配をして、容疑者本人と接触を試みるのではなく、頭から放置した。

 川崎市精神保健福祉センターが本人と一度も接触を試みなかった理由を2019年5月29日付「NHK NEWS WEB」が紹介している。

 川崎市精神保健福祉センター「人に会いたくないという人に無理に介入することはいいことではない。親族側が言いたがらないことを言わせることも信頼関係の構築につながらない」

 他人と会いたくない、あるいは家族とも会いたくないことを以って引きこもりと言う。「無理に介入することはいいことではない」なら、無理な介入とならない何らかの方法を考えて、何らかの接触を試みなければ、引きこもりの相談を受け付けたことにならないばかりか、引きこもりを放置したことになる。

 「親族側が言いたがらないことを言わせる」ことが「信頼関係の構築につながらない」なら、「言いたがらないことを言わせ」ずに信頼関係の構築に繋がる何らかの方法を考えて、何らかの接触を試みるのが役所の仕事でもあるはずである。

 だが、そういった積極的な責任行為を心がけずに腫れ物に触るような態度に終始している。要するに職務怠慢、あるいは責任不履行の言い訳に過ぎない。

 川崎市精神保健福祉センターの女性市担当者は「介護サービスを導入したいんだけども、同居している御本人について、その、介護サービスを導入することで、どのような反応があるのかということが心配される」という相談を伯父と叔母から受けたと明らかにしたが、2018年6月から川崎市は叔父と叔母に対する訪問介護サービスを開始していて、約1年も経過しているのだから、この件については岩崎容疑者との間で解决している問題であり(一つ家の中で別々の生活を送っていたのだから、我関知せずの態度で最初から何も問題にしなかったのかも知れない)、引きこもりから離して取り扱うべき事柄でありながら、叔父や叔母の介護サービス導入と引きこもりを関連付けて、容疑者の人となり、いわばその犯罪性を取り上げている物言いとなっている。

 このような物言いとしなければならないのも、容疑者の引きこもり問題に積極的に関与しなかったことの裏返し、言い訳なのだろう。

 また、本人を刺激しない方法として川崎市精神保健福祉センターの助言で手紙を岩崎の部屋の前に置いたものの、「自分のことはちゃんとやっている。食事、洗濯を自分でやってるのに引きこもりとは何だ」と却って刺激してしまった。それが2019年1月。1カ月後なのか、日付は分からないが、2019年2月に犯行のために4本用意した包丁のうち犯行に使った2本の刃渡り30センチの柳刃包丁2本は東京都町田市内の大型量販店で購入していた確かな可能性が浮上した。
 
 そして3カ月後の2019年5月28日朝、凶行に及び、自殺した。

 この経緯から、2019年1月から用意周到に準備に入り、一気呵成に凶行に進んだ様子が見えてくる。一気呵成は犯行時の態度からも見て取れる。犯行時間数十秒という短い時間に19人を次々と刺していった。川崎市精神保健福祉センターの対応を検証する必要が出てくる。

 政府はこの事件を受けて、通学路の安全確保のため登下校時に子どもが集まる場所などを改めて点検すること、警察官による重点的な警戒・パトロールを行うこと、警察や学校が把握した不審者の情報を共有する仕組みを強化し、迅速に対応することなどについて、早急に対策を講じるよう指示したという。

 だが、登下校時に子どもが朝夕集まる時間帯の全ての場所に警戒・パトロールの警察官を常時張り付かせることを、それが可能なこととして対策に入れているのだろうし、警察や学校が全ての不審者情報を共有する仕組みの強化を挙げているが、完璧に把握できないのは今回の犯行が証明している。把握していない不審者が警戒の一瞬の隙きを突いて凶行に及ぶという危険性も捨てきれない。

 但し万全ではないにしても、手は打たなければならない。一方、通り魔殺人事件に限らず、殺人事件や傷害事件で凶器として簡単に利用される事例が多い包丁に関しては手を打とうとしている様子は窺うことができない。2001年6月8日に大阪府池田市の大阪教育大学附属池田小学校で発生した附属池田小無差別殺傷事件でも、犯人は出刃包丁を凶器にし、小学生8人を無残にも死亡させている。

 勿論、包丁は一般家庭で使用することから銃刀法で扱うことはできないが、せめて購入の際、住所・氏名・職業を記入させるだけではなく、金物店の店主・店員に記入の際の購入者の表情を読み取らせることを義務付ける条例ぐらいは設けるべきだろうか。

 表情を簡単に読み取ることができる場合もあるし、簡単には読み取れない場合もある。読み取るための講習を定期的に心理カウンセラー等から受ける義務付けも加えなければならない。購入者が精神異常者なら、それなりの表情をしているだろうし、一般市民でありながら、殺人目的の凶器として包丁を購入するなら、それなりの緊張の表情を顔に浮かべているはずで、普段の何でもない表情では店に立つことはできない。

 店側が客の表情を読み取る講習を受けていて、目的外の購入者の表情が読み取られる危険性の情報が広まるだけで、抑止効果は出てくる。店は異常な表情を察知したら、警察に連絡、警察は安全だと確認するまで、その人物を監視する。

 勿論、包丁を手に入れる際に普段の表情を保つことができなければ怪しまれることになるからと用心して、凶器を包丁から鉄板を削ったりした手作りの包丁に変えたら、お手上げとなるが、一つ一つ目を潰していかなければならない。万全ではないにしても、人命は地球よりも重い、あるいは子どもは国の宝だと言う以上、包丁が何らかの凶器に簡単に利用されな いよう、手を打つべきだろう。


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