野党再編 岡田代表は民主党の「長い歴史」を言うが、民主党関係者と有権者の見る歴史は全く違う

2015-11-18 08:34:08 | 政治


 民主党代表の岡田克也が2015年11月16日、都内で党所属地方議員らとの会合を開いたという。勿論、議論の対象は野党再編――前原誠司や細野豪が主張する民主党解党か、岡田執行部主張の統一会派づくりか否かの問題である。

 岡田克也「色々な議論があっていいと思うが、公の党を解散することが簡単に語られていいことだとは全く思っていない。民主党は長い歴史があり、地方組織や地方議員、党員やサポーターもいる中で、そうしたことを軽々に言うことは党への信頼を失わせるものだ。

 混乱があったことに心からおわびを申し上げる。公の存在である政党を、どういうふうにしていくかは、きちんとした議論が必要だし、国民の期待を裏切らないようにしなければならない」(NHK NEWS WEB

 党所属地方議員らとの会合で、「民主党は長い歴史があり、地方組織や地方議員、党員やサポーターもいる中で」と言っている以上、岡田克也が意味させている民主党の「長い歴史」とは、小政党が合流した1998年の結党から始まって、合流前の歴史も含めているのかもしれないが、合流後の民主党と言う看板の名の下の地方組織の設立と支持者集め、地方議会への進出と勢力拡大、そして国政での地盤の確保等々、これまでの地歩を築いてきた簡単ではなかった道のり・諸々の積み重ね指しているはずだ。

 民主党所属の国会議員や地方議員、そして熱心な党員たちにとってはそのような「長い歴史」への愛着、あるいは思いというものは深いものがあるに違いない。

 だが、一般的な有権者は岡田克也が言っている類いの民主党の「歴史」に、それが長かろうが短かろうが関心を持っているとでも考えているのだろうか。

 多くの有権者が持っている民主党に対する直近の「歴史」は政権交代前は大いに期待させたが、政権運営で期待を急速に萎ませ、失望や怒りへと変じさせた経緯そのものであるはずだ。

 その記憶が多くの有権者の頭に未だ色濃く焼きついていて、思い出したくもないが思い出してしまうその嫌悪100%の記憶を岡田代表を筆頭にその執行部が消し去り、期待に変えるリーダーシップ・政治力を発揮できていないからこその現在の民主党政党支持率の10%前後の低迷であり、自民党政党支持率40%近くとの格差であろう。

 党の在り様を軽々に口にするのは「党への信頼を失わせる」と言っているが、政党支持率を頭に置いて"党の信頼"を口にすべきだろう。つまり既に多くの信頼を失っていて、現在大層な信頼を得ているわけでもないのに得ているかのように発言しているに過ぎない。

 岡田は自身と有権者の関心の違いを認識もできずに有権者が関心を持ってもいない地方をも含めた党組織の歩みを指す「長い歴史」を守るべき価値・壊すべきではない価値とした。

 この岡田克也と有権者の関心の対象の180度の違いは如何ともし難いが、単に違いだけで片付けることはできない。岡田のこの関心の持ちようは自身の現在の生き方を自身の価値観に添って決めていくのではなく、家柄を重視して、家として長い歴史の中で育んできた価値観に相応しい生き方を選択するのに似ている。

 解党から新党結成へ進むことが正しい道なのか、先ずは統一会派づくりが正しい道なのか、結果を見ないことには分からないが、岡田克也の選択はその発言から類推するに思い切った改革はできない、現状維持を専らとするタイプの人間であることを教えている。

 但しその分失敗は小さいかもしれない。

 翌11月17日党本部開催の全国幹事長会議では共産党との協力に関して出席者から「それぞれの地域事情もあるので一概に決めないで欲しい」とか、「1人区でも民主党を中心に戦えるよう努力して欲しい」といった注文が出たと「時事ドットコム」記事が伝えていたが、協力である以上、全体で見た場合、一方の政党のみがメリットがあるとすることはできない。

 多少の差はあっても、デメリットも引受けて、メリットと半々ぐらいを覚悟しなければならない。当然、個々の選挙区で見た場合、立候補を断念させなければならない選挙区も複数出てくることになる。

 それを「1人区でも民主党を中心に戦えるよう努力して欲しい」とメリットのみを求めるようでは、協力が意味するギブ&テイクの関係を成り立たなくさせる。共産党は1人区すべてに候補者を立てて、共産党のみの躍進を考えた方がいい。


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