安倍晋三の相変わらずデタラメ満載の内閣改造記者会見での女性の活躍 詭弁・ご都合主義に誤魔化されるな

2018-10-13 12:04:11 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。 

 2018年10月2日、「安倍晋三内閣改造記者会見」(首相官邸)

 安倍晋三「同じく内閣の最重要課題である地方創生の担当大臣は、片山さつきさんです。旧大蔵省出身で、政調会長代理も務めた政策通であるだけでなく、フットワークも軽く、超人的なガッツの持ち主でもあります。今回、女性の入閣は1人だけですが、2人分も3人分もある持ち前の存在感で、女性活躍の旗を高く掲げてもらいたいと思います」

 【質疑応答】

 シーグ(ロイター)記者「ロイターのシーグと申します。

 総理は、女性が活躍する社会、ウーマノミクスを非常に大事な政策として挙げていますが、今回おっしゃるとおり内閣改造で女性閣僚は1人しかいません。その理由を教えてください。今の時代を考えますと、ちょっと少ないと思われませんでしょうか」

安倍晋三「そういう意味においては、確かに各国と比べて内閣における閣僚の女性の比率は少ないということについては認めざるを得ないわけでありますが、まさに日本は女性活躍の社会がスタートしたばかりでありまして、これからどんどん入閣する人材が育ってくると、こう思います。

 党においては、松島みどりさんに党七役の広報本部長を務めていただくことになったわけでございますし、参議院の会長は橋本聖子さんが務めておられます。今回、片山さつきさんに入閣をしていただき、1人ということになったのですが、2人分、3人分、発信力を持って仕事をしていただけると期待しております」

 詭弁満載の発言・答弁となっている。

 「今回、女性の入閣は1人だけですが、2人分も3人分もある持ち前の存在感で、女性活躍の旗を高く掲げてもらいたいと思います」――

 有能な人材であるなら1人で「2人分も3人分もある持ち前の存在感で、女性活躍の旗を高く掲げ」ることはできるだろう。但し片山さつきに限って言うと、期待薄だが。

 それぞれの人材が持つ能力の多様な可能性は男性に限った所有物ではなく、女性も可能性開花の機会を提供することによって所有物とし得ることの証明がなされている以上、内閣のリーダーとして一人でも多くの女性に閣僚としての活躍の場を提供する立場にありながら、1人のみを閣僚に採用、存在感が「2人分も3人分もある」ことを以って2人、3人採用したのと変わりがないかのように装う。まさに詭弁を用いた誤魔化し以外の何ものでもない。

 ロイター記者の女性閣僚が1人ということは「今の時代を考えますと、ちょっと少ないと思われませんでしょうか」との質問に対する安倍晋三の答弁、「日本は女性活躍の社会がスタートしたばかり」といった弁解も、閣僚が1人である代わりに党七役の広報本部長に松島みどりを、参議院の会長に橋本聖子を採用したことを挙げたことも詭弁を用いた誤魔化しそのものとなっている。

 松島みどりや橋本聖子以外に自民党は筆頭副幹事長に稲田朋美を起用し、衆議院の予算委員長に野田聖子を、議院運営委員長に高市早苗を起用の方針だということだが、女性が持つ能力の多様な可能性を閣僚として試されることと、党役員や国会役員として試されることでは職の重要性という点で格段の差がある。にも関わらず、閣僚以外に女性を採用していることを以って女性閣僚が一人だけであることの埋め合わせに用いて正当性を得ようとする。

 狡猾巧妙な詭弁そのものであろう。

 安倍内閣は2013年6月14日の閣議決定で、「日本再興戦略 - JAPAN is BACK -」で「指導的地位に占める女性の割合を2020年までに少なくとも30%程度とする」目標を掲げた。安倍晋三は「日本は女性活躍の社会がスタートしたばかり」と言っているが、2013年6月には女性の活躍に関する目標を掲げている。5年以上も年月を費やしているのだから、自身の内閣では女性の活躍の機会を提供する責任を負っているはずだが、口先だけで実際の形となって現れていない。

 「指導的地位」とは議会議員や法人・団体などで課長相当職以上の者、専門的・技術的な職業のうち特に専門性が高い職業に従事する者などとされていると言う。

 例えば2012年の日本の国会議員に占める女性の割合は7.9%で160位。欧米各国の割合に遥か追いついていない。他も似たり寄ったりとなっている。

 そして2015年12月25日閣議決定の「第4次男女共同参画基本計画」、「上場企業役員に占める女性の割合を5%(早期)、更に10%を目指す((2020年)」目標を掲げた。

 「就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合(国際比較)」(内閣府男女共同参画局)から見てみると、日本就業者に占める女性43.2%に対して管理的職業従事者12.5%、米国同47.0%に対して同43.4%。日本は就業者に対する管理的職業従事者との格差も大きいし、数も少ない。

 「日本は女性活躍の社会がスタートしたばかり」であるなら、少々過激なアイデアを創造・駆使しなければ、欧米にいつまで経っても追いつかない。安倍晋三自身こそが過激なアイデアを創造・駆使して範を垂れなければならない立場にありながら、事勿れに済ましている。

 2013年6月14日の閣議決定より前の2013年4月19日、安倍晋三は日本記者クラブで「成長戦略に向けて」(首相官邸)と題して講演をしている。
   
 安倍晋三「女性の活躍は、しばしば、社会政策の文脈で語られがちです。しかし、私は、違います。『成長戦略』の中核をなすものであると考えています。

 女性の中に眠る高い能力を、十二分に開花させていただくことが、閉塞感の漂う日本を、再び成長軌道に乗せる原動力だ、と確信しています。

 具体策については、後ほど詳しくお話しさせていただきます。

    ・・・・・・・・・・・

《6.女性が輝く日本》

 さて、ようやく、私の成長戦略の中核である『女性の活躍』について、お話させていただきます。

 『社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする』という大きな目標があります。

 先ほど、経済三団体に、『全上場企業において、積極的に役員・管理職に女性を登用していただきたい。まずは、役員に、一人は女性を登用していただきたい』と要請しました。

 まず隗より始めよ、ということで、自由民主党は、四役のうち2人が女性です。こんなことはかつてはなかったことであります。2人とも女性の役員では、日本で最も注目される女性役員として活躍いただいています。そのおかげかどうかはわかりませんが、経済三団体からはさっそく前向きな回答をいただけました。

 ただ、足元の現実は、まだまだ厳しいものがあります。

 30代から40代にかけての女性の就業率がガクンと下がる、いわゆる「M字カーブ」の問題については、少しずつ改善の傾向にありますが、ヨーロッパの国々などと比べると、日本はまだまだ目立っています。

 いまだに、多くの女性が、育児をとるか仕事をとるかという二者択一を迫られている現実があります」――

 「女性の中に眠る高い能力を、十二分に開花させていただくことが、閉塞感の漂う日本を、再び成長軌道に乗せる原動力」と意味づけて掲げた「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする」目標をアベノミクス成長戦略の中核に据え、「経済三団体に、『全上場企業において、積極的に役員・管理職に女性を登用していただきたい」とまでお願いし、「隗より始めよ」と言いながら、安倍内閣では女性閣僚を2人から4人まで起用しておきながら、最後の安倍内閣で1人と尻すぼみの起用となっている。

 どこが「隗より始めよ」なのか。

 「ニューヨーク証券取引所スピーチ」(首相官邸/2013年9月25日)では、「日本の中に眠っている、もう一つの大きなポテンシャル。それは、女性の力です。『人口の半分の男だけに頼ったせいで』閉塞感に直面している日本を、私は、大きく転換してまいります」と、女性への期待を熱く語っている。

 範を垂れ、「隗より始め」なければならない女性閣僚の起用でありながら、実行を伴わせることができないことを有言不実行という。言っていること自体を詭弁・ご都合主義で成り立たせているから、実行力となって現れない。内閣の骨格を支える重要閣僚はそれなりに実力者を揃えたが、最後の最後の内閣ということで順送りと派閥均等を重視したために女性の出る幕が1人きりになってしまったといったところなのだろう。

 所詮、「女性の中に眠る高い能力を、十二分に開花させていただくことが、閉塞感の漂う日本を、再び成長軌道に乗せる原動力だ」、あるいは「『人口の半分の男だけに頼ったせいで』閉塞感に直面している日本」といった物言いは単に少子高齢化を受けた人口減少によって生じている人手不足からの景気減速を避ける意味で用いている女性の活躍の方便――綺麗事にしか見えない。

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