源氏物語歌集 330
巻二十一 乙女 10 夕霧
日かげにも しるかりけめや をとめ子が
あまの羽袖に かけし心は
2008-0320-ysg330
Kad04-103
□年の程よりは、ざれてやありけむ、をかしと見けり。
縁の薄様の、このましきかさねなるに、手はまだいと若けれど、
生ひさき見えて、いとをかしげに、 (夕霧)「日か・・・心は」□
源氏物語歌集 329
巻二十一 乙女 09 五節
かけていへば 今日の事とぞ 思ほゆる
日陰の霜の 袖にとけしも
2008-0319-ysg329
Kad04-101
□年月のつもりをかぞへて、うち思しけるままのあはれを、
え忍び給はぬばかりのをかしう思ゆるも、はかなしや。
(五節)「かけ・・・しも」 青摺の紙よくとりあへて、・・・□
巻二十一 乙女 09 五節
かけていへば 今日の事とぞ 思ほゆる
日陰の霜の 袖にとけしも
2008-0319-ysg329
Kad04-101
□年月のつもりをかぞへて、うち思しけるままのあはれを、
え忍び給はぬばかりのをかしう思ゆるも、はかなしや。
(五節)「かけ・・・しも」 青摺の紙よくとりあへて、・・・□
源氏物語歌集 328
巻二十一 乙女 08 源氏
をとめ子も 神さびぬらし 天津袖
ふるき世の友 よはひ経ぬれば
2008-0318-ysg328
Kad04-101
□殿参り給ひて御覧ずるに、むかし御目とまり給ひしをとめの姿を思しいづ。
辰の日の暮つ方遣す。御文のうち思ひやるべし。
(源氏)をと・・・れば 年月のつもりをかぞへて、・・・□
巻二十一 乙女 08 源氏
をとめ子も 神さびぬらし 天津袖
ふるき世の友 よはひ経ぬれば
2008-0318-ysg328
Kad04-101
□殿参り給ひて御覧ずるに、むかし御目とまり給ひしをとめの姿を思しいづ。
辰の日の暮つ方遣す。御文のうち思ひやるべし。
(源氏)をと・・・れば 年月のつもりをかぞへて、・・・□
源氏物語歌集 327
巻二十一 乙女 07 夕霧
あめにます とよをかひめの 宮人も
わが心ざす しめを忘るな
2008-0317-ysg327
Kad04-100
□暗ければ、こまかには見えねど、程のいとよく思ひ出でらるるさまに、
心移るとはなけれど、ただにもあらで、きぬの裾を引きならひ給ふに、
何心もなく、あやし、と、思ふに、 (夕霧)「あめ・・・るな ・・・□
巻二十一 乙女 07 夕霧
あめにます とよをかひめの 宮人も
わが心ざす しめを忘るな
2008-0317-ysg327
Kad04-100
□暗ければ、こまかには見えねど、程のいとよく思ひ出でらるるさまに、
心移るとはなけれど、ただにもあらで、きぬの裾を引きならひ給ふに、
何心もなく、あやし、と、思ふに、 (夕霧)「あめ・・・るな ・・・□
源氏物語歌集 326
巻二十一 乙女 06 夕霧
霜氷 うたてむすべる 明けぐれの
空かきくらし 降るなみだかな
2008-0316-ysg326
Kad04-097
□道の程、人やりならず、心細く思ひ続くるに、
空の気色もいたう曇りて、暗かりけり。
(夕霧)「霜氷・・・かな」□
巻二十一 乙女 06 夕霧
霜氷 うたてむすべる 明けぐれの
空かきくらし 降るなみだかな
2008-0316-ysg326
Kad04-097
□道の程、人やりならず、心細く思ひ続くるに、
空の気色もいたう曇りて、暗かりけり。
(夕霧)「霜氷・・・かな」□
源氏物語歌集 325
巻二十一 乙女 05 雲居
いろいろに 身のうきほどの 知らるるは
いかに染めける 中の衣ぞ
2008-0315-ysg325
Kad04-097
□・・・ はづかし」と宣へば、 (雲居)「いろ・・・衣ぞ」
と宣ひもはてぬに、殿入り給へば、わりなくて渡り給ひぬ。
男君は、立ちとまりたる心地も、いと人わろく胸塞がりて、わが御方に臥し給ひぬ。□
源氏物語歌集 324
巻二十一 乙女 04 夕霧
くれなゐの 涙に深き 袖の色を
あさみどりとや いひしほるべき
2008-0314-ysg324
Kad04-097
□男君、我をば位なしとて、はしたなむるなりけり、と思すに、
世の中うらめしければ、あはれもすこおしさむる心地して、めざまし。
(夕霧)「かれ聞き給へ、 くれ・・・べき ・・・□
巻二十一 乙女 04 夕霧
くれなゐの 涙に深き 袖の色を
あさみどりとや いひしほるべき
2008-0314-ysg324
Kad04-097
□男君、我をば位なしとて、はしたなむるなりけり、と思すに、
世の中うらめしければ、あはれもすこおしさむる心地して、めざまし。
(夕霧)「かれ聞き給へ、 くれ・・・べき ・・・□
源氏物語歌集 323
巻二十一 乙女 03 夕霧
さ夜中に 友呼びわたる かりがねに
うたて吹きそふ 荻のうは風
2008-0313-ysg323
Kad04-091
□めのと達など近く臥して、うちみじろくも苦しければ、かたみに音もせず。
(夕霧)「さ夜・・・は風 身にもしみけるかな」と思ひ続けて、
宮の御前にかへりて嘆きがちなるも、御目さめてや聞かせ給ふらむ、・・・□
巻二十一 乙女 03 夕霧
さ夜中に 友呼びわたる かりがねに
うたて吹きそふ 荻のうは風
2008-0313-ysg323
Kad04-091
□めのと達など近く臥して、うちみじろくも苦しければ、かたみに音もせず。
(夕霧)「さ夜・・・は風 身にもしみけるかな」と思ひ続けて、
宮の御前にかへりて嘆きがちなるも、御目さめてや聞かせ給ふらむ、・・・□
源氏物語歌集 322
巻二十一 乙女 02 朝顔
ふぢ衣 着しは昨日と 思ふまに
今日はみそぎの 瀬にかはる世を
2008-0312-ysg322
Kad04-069
□紫の紙、立文すくよかにて、藤の花につけ給へり。
折のあはれなれば、御返あり。 (朝顔)「ふぢ・・・世を
はかなく」とばかりあるを、例の御目とどめ給ひて見おはす。□
巻二十一 乙女 02 朝顔
ふぢ衣 着しは昨日と 思ふまに
今日はみそぎの 瀬にかはる世を
2008-0312-ysg322
Kad04-069
□紫の紙、立文すくよかにて、藤の花につけ給へり。
折のあはれなれば、御返あり。 (朝顔)「ふぢ・・・世を
はかなく」とばかりあるを、例の御目とどめ給ひて見おはす。□
源氏物語歌集 321
巻二十一 乙女 01 源氏
かけきやは 川瀬の波も たちかへり
君がみそぎの 藤のやつれを
2008-0311-ysg321
Kad04-069
□・・・、(源氏)「みそぎの日は、いかにのどやかに思さるらむ」と、
とぶらひ聞えさせ給へり。
(源氏)「今日は、 (源氏)かけ・・・れを」 紫の紙、・・・□
巻二十一 乙女 01 源氏
かけきやは 川瀬の波も たちかへり
君がみそぎの 藤のやつれを
2008-0311-ysg321
Kad04-069
□・・・、(源氏)「みそぎの日は、いかにのどやかに思さるらむ」と、
とぶらひ聞えさせ給へり。
(源氏)「今日は、 (源氏)かけ・・・れを」 紫の紙、・・・□