源氏物語歌集 280
巻十七 絵合 08 朱雀院
身こそかく しめのほかなれ そのかみの
心のうちを わすれしもせず
2008-0120-ysg280
Kad03-173
□御消息はただ言葉にて、院の殿上にさぶらふ左近の中将を御使にてあり。
かの大極殿の御輿寄せたる所の、かうがうしきに、
(朱雀院){身こ・・・せず」 とのみあり。□
巻十七 絵合 07 藤壺中宮
見るめこそ うりふらぬらめ 年へにし
伊勢をのあまの 名をや沈めむ
2008-0119-ysg279
Kad03-171
□(中宮)「兵衛の大君の心高さは、げに捨てがたけれど、在五中将の名をば、
えくたさじ」と宣はせて、宮、 (藤壺中宮)「見る・・・めむ」 かやうの女言にて、
乱りがはしく争ふに、死にかへりゆかしがれど、上のも宮のも片はしをだにえ見ず。□
巻十七 絵合 06 大弐の典侍
雲のうへに 思ひのぼれる 心には
千ひろの底も はるかにぞ見る
2008-0118-ysg278
Kad03-171
□・・・べき 世の常のあだごとのひきつくろひ飾れるにおされて、
業平が名をやくたすべき」とあらそひかねたり、右のすけ、
(大弐の典侍)「雲の・・・見る」 ・・・□
源氏物語歌集 277
巻十七 絵合 05 平典侍
伊勢の海の 深き心を たどらずて
ふりにしあとと 波や消つべき
2008-0117-ysg277
Kad03-171
□次に伊勢物語に、正三位を合はせて、また定めやあらず、
こおれも右はおもしろくにぎははしく、内わたりよりうちはじめ、
近き世のありさまを画きたるは、をかしう見所まさる。平内侍、 (平典侍)「伊勢・・・べき ・・・□
源氏物語歌集 276
巻十七 絵合 04 源氏
うき目見し そのをりよりも 今日はまた
過ぎにしかたに かへる涙か
2008-0116-ysg276
Kad03-168
□・・・ける おぼつかなさは、なぐさみなましものを」と、宣ふ。いとあはれと思して、
(源氏)「うき・・・涙か 中宮ばかりには、見せ奉るべきものなり。
かたはなるまじき一帖づつ」さすがに浦々のありさまさやかに見えたるを、えり給ふついでにも、・・・□
源氏物語歌集 275
巻十七 絵合 03 紫の上
ひとりゐて 嘆きしよりは あまの住む
かたをかくてぞ 見るべかりける
2008-0115-ysg275
Kad03-168
□まいて忘れがたく、その夜の夢を思しさます折なき御心どもには、
取りかへし悲しう思し出である。今まで見せ給はざりける恨みをぞ聞え給ひける。
(紫の上)「ひと・・・ける□
巻十七 絵合 02 藤壺中宮
別るとて はるかに言ひし ひとことも
かへりて物は 今ぞ悲しき
2008-0114-ysg274
Kad03-164
□・・・、そこはかとなくあはれと見奉り給ひし御おさな心も、
ただ今の事と覚ゆるに、故御息所の御事など、かきつらねあはれに思されて、
ただかく。 (藤壺中宮)「別る・・・しき」 とばかりやありけむ。□
源氏物語歌集 273
巻十七 絵合 01 朱雀院
別れ路に 添へしを櫛を かごとにて
遥けき中と 神やいさめし
2008-0113-ysg273
Kad03-163
□殿も渡り給へる程にて、「かくなむ」と女別当御覧ぜさす。
ただ御櫛の箱の片つかたを見給ふに、つきせずこまかになまめきてめづらしきさまなり。
さしぐしの心葉に、 (朱雀院)「別れ・・・めし」 おとどこれを御覧じつけて、・・・□