昼前まで雨が残ったが、昼からはいい天気になった。街中で映画を観てから鴨川に出かけると、雨にも負けず桜がしっかりと花をつけていた。鴨川の河川敷に学生風の若者がシートを敷いて花見の準備をしていた。
今年は京都も花見の自粛ムードということらしいが、花見の準備をしている若者を見ているとそんな風には思えない。自粛しているのは変な常識をもっている大人たちだけかもしれない。
鴨川の桜で僕の一番のお気に入りスポットは二条橋から丸太町橋にかけての左岸の桜並木だ。前の職場に勤めていた頃、この時期は桜を眺めながら出勤していた。しばらくして花びらがハラハラと舞いだした頃は「雪花びら」という造語がピッタリの風情になる。
そこから少し足を延ばして平安神宮近くの疎水まで出かけた。ここの疎水の桜も名所になっている。国立美術館の前で、疎水に桜見物の遊覧船・十石船がでていた。今日はいい天気だし、乗っている人も桜を堪能してることだろう。桜もほぼ満開だった。
贅沢だが、至る所で桜を見ていると食傷気味になってきた。桜も大島桜のように緑色がまざり合っているとすんなりと目に入ってくるが、緑がなくひたすら「桜色」の山桜・ソメイヨシノは見飽きてしまう。
「もういいか」と帰りかけて白川まで来ると、何と白川沿いには桜が全くなく緑一色だ。こんな川沿いもめずらしい。このあたりはよくテレビの「京都○×殺人事件」などでのロケに使われる場所だが、僕の小学生の頃の「チビッコプール」があったところでもある。昔は学校にプールがなく、子供たちはこういう川を仕切った所で水遊びをしていた。懐かしい思い出だ。実家から15分ほどの場所にある。
桜見物の最後に鮮やかな緑を見て、かつ昔を思いださせてもらって心も満喫になって帰路についた。