新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

夜景を求めて右往左往した最終日・・・レッチェ⑥

2016-10-10 | レッチェー南イタリア

 ドゥオモ広場の夜景があまりにも美しくて、すっかり長居してしまった。もう1つの夜景の目玉であるサンタクローチェ教会も見てみたい。急ごう!

 速足で街を歩いていくと、あちこちにライトアップされた教会が見つかる。これはサンタテレーザ教会。

 もう1つ、別の教会も見つけた。確かロザリオ教会だ。
 あれ。ここで気付いた。ロザリオ教会って、旧市街の一番外れじゃなかったっけ?その先を見ると確かに門が見える。サンタクローチェ教会は旧市街の中ほどだったはず。
 
 つまり、逆方向に来てしまったことになる。あわてて今来た道を引き返す。結構遠い。

 やっとサンタクローチェ教会に着いた。
もうすっかり夜になってしまい、ドゥオモの時にはまだ青色の残っていた夜空は、

 完全に真っ黒に変わってしまった。

 それでも何枚かパチリ。

 教会前の道路は閉鎖され、何かイベントでも行われる雰囲気。でも、すぐには始まる気配はなく、明日の準備なのかも。夜はどんどん更けてゆく。

 あきらめて帰ることにしよう。さすがにもう街頭にも人は少なくなった。

 サントロンツォ広場まで戻った。この広場のレストランで夕食。酸味の効いたワインがうまかった。

 ここからは、さっき間違ったサンタテレーザ教会経由の道を通ってホテルに向かう。

 やっと旧市街の外れ、ルーティエ門に戻った。てっぺんに聖ロレンツォ、両脇に聖イレーネ、聖ドメニコ像を配した夜の門は、昼見るより一層堂々として見える。

 門の外から見ると、奥には、さっき道の間違いに気付いた見たロザリオ教会が覗く。

 2日間歩き回ったバロックの街レッチェとも、これでお別れ。こんなイタリアの南端で、面白不思議の別世界に遭遇するとは、思ってもみなかった。
 南イタリア恐るべし! またいつか、訪れる日を夢見て・・・。
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半透明のブルーが支配する夜のドゥオモ広場・・・レッチェ⑤

2016-10-06 | レッチェー南イタリア

 夕方ドゥオモ広場に出かけた。午後8時ころ、でもまだまだ明るく、やっと照明が灯り始めたころ。ファザードの正面中央に聖母像が祭られている。

 鐘楼はまだ、夕日のオレンジに染まっている。

 壁面を飾る重厚な装飾。

 夜が忍び寄り、広場は半透明のブルーが支配する幻想的な光景を見せ始めた。

 明暗のコントラストに、夜の青が加わる。

 正面は輝くようだ。

 ファザードと横の建物のスクエアが奥行きを演出する。
 圧巻の美しさ!

 結婚式を終えたばかりの新婚カップルが、広場で愛を語り合う。

 広場に集う人たちが次々とやってくる。

 広場入り口の建物では聖人像がバルコニーに展開している。

 こちら、西の方角の空にはまだ明るさが残っていた。

 そんな広場の賑わいをよそに、ドゥオモ内ではミサの最中だった。

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邸宅の玄関に優雅な女性像を見つけた・・・レッチェ④

2016-10-04 | レッチェー南イタリア

 レッチェのバロックは単に建築だけではない。街中に散らばるパラッツォ(邸宅)の外壁や正面玄関が、競い合うようにバロック装飾で埋め尽くされている。18世紀末までに完成したパラッツォは120を超えるという。

 どの家の玄関にも怪獣、天使、老人、植物などあらゆるものが出現して、その多様性を競っている。

 まず目を引かれたのが、マレーゼ邸という邸宅の柱に装飾された女性像。

 優雅な仕草が印象的で、

 立ち止まって見惚れるほどの美しさを見せていた。

 また、パルミエール通りの持ち送りなどに加工された像たちは、奇想天外の変化を見せる。風を受けて飛んでいるような女性像。


 何か救いを求めているような悲し気な表情の人。

 王女のような出で立ち。
 教会の前に広場を持つ他のイタリアの都市と比べても、レッチェの教会前はほとんど広場がない。また、主な道路も狭い。従って、バロック建築を眺めるときは自然と間近な距離から見上げる形となる。すると、ちょうど持ち送りの下にいる怪獣たちが目の前に現れる仕掛けになる。
 つまり、街を歩いていると、それは道路ではなくて建物内の通路のように感じてくる。

 向かい合う髭の老人。

 キョトンとした表情を見せる怪獣?

 あなたは何か不満でもあるのかい?

 ここは馬のオンパレード。

 おじいさん、大丈夫?!

 この少年にはきっと楽しいことがあったんだろうなあ。

 こうした装飾は玄関付近に集中しており、脇に回ると目立った装飾はほとんど見られない。言ってみれば、「顔の化粧は丹念に施しても、服装は普段着」といったおおらかさが面白い。

 バロックの代表的な都市であるローマだと、教皇をトップとしたカトリックの権力者たちとベルニーニらビッグネームの芸術家たちが創り上げた‟官製”のものだが、レッチェバロックは地元の職人たちによる手作りバロックであるところに独自性とユニークさが潜んでいるようだ。
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サンタクローチェ教会の天衣無縫な群像たち・・・レッチェ③

2016-10-01 | レッチェー南イタリア

 サンタクローチェ教会は、レッチェバロックの代表といわれる。教会前に広場がないため、ファザードの全体をカメラに収めるのに苦労してしまう。

 でも、さすがにその豪華さは格別だ。

 中央の大きなバラ窓を中心に、寸分の隙間もなく埋め尽くされた彫刻、装飾の嵐は、まさに他とは比べることの出来ないような情熱の賜物のように思える。

 草花、果物、聖人、天使、ドラゴン、ペガサス・・・・

 このような緻密な装飾を可能にしたのは、一つにはこの地方特産の石灰岩だ。水分を多く含むために柔らかく加工が容易にできる。一方で空気に触れると固くなり保存がきく。
 だが、材料があるだけでは芸術は生まれない。その特色を十分に生かした、地域の職人たちの才能と技術が存分に腕を振るうことによって初めて、こんな唯一のファザードが誕生したといえそうだ。

 その像たちを個別に見てみよう。聖人の立ち姿。

 英雄のようなカッコいい青年

 逆に腹の出てきたメタボ状態のおじさん

 グラマーな女性二人

 かと思えば清純そうな女性の聖人?

 力持ちの牛かな

 植物だらけの装飾

 この天使はとても幸せそう

 ライオンが怒ったり笑ったり・・・。目まぐるしいほどの彫刻オンパレードだ。

 中もちょっと覗いてみよう。やっぱり豪華絢爛。

 主祭壇を飾るバロックはやりすぎって感じ。頭痛がしてきそうになったので、近くのカフェに駆け込んだ。
コメント (3)
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