創建当初から唯一残る建築物が東塔だ。三重塔だが、各層に本来の屋根よりも少し小さめの裳階がついているために六重塔にもみえる。この竜宮造りと呼ばれる形が絶妙のアクセントとなって、ダイナミックな躍動感が生み出された。
アメリカの美術史家フェノロサは、この律動の姿を「凍れる音楽」と表現した。平成になって初めての全面解体修理が行われて、一段とすっきりした姿になっている。
塔の最上部を飾る相輪に、空中を舞う「飛天」の透かし彫りがある。東西南北に4枚あり、1面ごとに3人の飛天が配されている。これは雷や火災から塔を守る祈りを込めた装飾物だ。
一方、西塔は創建当時のものを再現した新しい塔だ。一見して鮮やかな朱色の目を奪われを『たん
中段の連子窓に配された緑色が鮮烈だ。これを青(あお)と呼ぶ。それを取り囲む朱色。扉や柱に施された朱の色を「丹(に)」と呼ぶ。奈良の枕詞「あおによし」がここに表現された建築だともいわれている。
以前、塔の姿を遠景で撮ろうとしたことがあった。境内の西側、大池越しの場所でシャッターを切った1枚。
こちらは別の日に逆側で見た夕日の風景。
そして、大池側から眺めたライトアップの薬師寺。夕闇の中から西塔と東塔が並んで浮かび上がった。ちょっと感動的な瞬間だった。
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