新イタリアの誘惑

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階段紀行・フランス パリ編⑦ プティ・パレの優雅な階段と、街角で展開される父と娘との再会の階段画

2021-08-10 | 階段紀行・フランス

 プティ・パレ(パリ市立美術館)は1900年の万国博会場として建設されたもの。主に19世紀から20世紀の絵画作品が収蔵されている。

 入って2階に上がる階段は、緩やかな螺旋階段。

 大きな輪を描いて上昇して行く様は優雅だ。

 奇をてらったものではなく、派手でもない。

 が、そっとクラシックの序章が奏でられようとする瞬間に似て、ソフトな緊張感が伝わってくる階段だ。

 この美術館には、20世紀初頭のベルエポックのパリを代表する舞台女優サラ・ベルナールの肖像(ジョルジュ・クレラン作)が収蔵されていて、そのあでやかさに見入ったことがあった。

 パリの街を歩いていて、突然ビルの横壁に描かれた巨大な絵に遭遇した。

 

大きな長い階段。重そうな荷物を持った紳士がひたすら階段を昇る。

その先、頂上には少女が手を振っている。

「早く、早くここまで来て」と、叫んでいるようにも見える。

階段下では、二人を応援するかのように演奏を続けるピアノとバイオリン。

あの二人は、多分親子。

長い間、何らかの事情に阻まれて会うことが叶わなかった。

それが やっと会える。

トランク一杯のお土産を抱えて、父は娘の元へと急ぐ。

 

そんなドラマを連想させる壁画に しばし見とれてしまった。

 


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2 コメント

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Unknown (がーこ)
2021-08-10 21:58:33
こんばんは!

螺旋の曲線も優雅ですが、手摺の装飾も素晴らしいですね♪
昇降するだけで、いい気分になれそうです!
キチンとした服装でないと足を踏み入れられない雰囲気すらありますね〜。
プティ・パレの階段 (gloriosa)
2021-08-11 17:46:12
がーこ様

プティ・パレはルーブルやオルセーなどと比べて知名度は低いので、全く混んでいることはありません。なので階段でもじっくりと撮影することが出来ました。

展示作品群も水準以上ですので、楽しめますよ。

オリンピックが終わってしまって、今は何か物足りないような気分です。ステイホーム中のかなりの時間、テレビ観戦で楽しんでいましたから・・・。

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