月水食堂のお弁当

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当たり前の幸せが遠い

2011-09-20 18:36:26 | 日記
恋愛は人の隠れた心と闇をむきだしにする。逃げながら二人は退路を断った。最初で最期の恋だったのだと思う。追い詰められることが生きた証であるかのような人生。

当たり前の幸せが遠い悲しい運命。

映画「悪人」を改めて観た。
何度観ても衝撃的な作品で、どっぷりと日常に浸かる厭世観。ひしひし伝わる閉塞感。

若いふたりに大きな楽しみはなく、打開できない日常そのものの中で、逃避行という非日常を求めていた。

幸せ、安心感、当たり前の幸せをつかむスキルもチャンスもなかったのだろう。

深津絵里の演技は鳥肌もの。
樹木希林、柄本明は、キャラそのものが演技なくとも表情だけで揺さぶりかける。

この三人がすごいから宮崎美子がかすむ。
主役の妻夫木君は悪くない。ただこの三人がすごいだけ。

妻夫木君は人相いいから物足りないと、悪人顔には山田孝之の方が不気味さを醸しだすのだろうけど、私的にはやはり妻夫木君がいいな。

隠れ家だった灯台の下で、朝陽を深津絵里にプレゼントした時のシャイなドヤ顔は、とてもキュートでよかったからね。

バッサバッサの睫毛もね。