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横浜地球物理学研究所

地震予知・地震予測の検証など

村井俊治氏の地震予測は、やっぱりまたハズレました

2015年04月09日 | 地震予知研究(村井俊治氏・JESEA)
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電子基準点のデータから、有料メルマガ「週刊MEGA地震予測」などで地震予測サービスを行っている、東京大学名誉教授の村井俊治氏(JESEA・地震科学探査機構)という方がいます。

これまで当サイトでは、村井俊治氏らのGPSデータの取り扱い方はデタラメであり、地震予測もほとんど当たっていないことを紹介しています。

今回も、またもや村井俊治氏の地震予測がハズレたことを紹介します。


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村井俊治氏は、今年はじめ、「日刊ゲンダイ」において、以下の地震予測を発表しています。

     (日刊ゲンダイ2015年1月5日号。下線は本サイトによる。)


…要するに、東北の日本海側が沈降しているので、2015年1月から3月までの間に大地震や火山噴火が起こる、という予測です。しかし、予測期間内に該当するような地震も噴火も起きず、この予測も、見事にハズレました

なお、この記事で村井氏は、「東成瀬、栗駒あたりはボコボコ動いています」などと言っています。ですが、すでに本サイトで指摘しているとおり、これら座標値の変動は単なるGPSデータに恒常的にみられるノイズであって、ボコボコ地面が動いているというのはデタラメです。付近にお住まいの皆様は、このような嘘を真に受けて過剰な心配をなされないよう注意してください。

またそもそも、「東北地方の太平洋側が隆起し日本海側が沈降している」というのは、プレート境界での大地震に伴う周知の余効変動であり、2011年3月の地震発生直後から、継続して観測されているものです。村井氏は、さも最近になって彼が発見したかのような言い方をしていますが、そういうワケではありません。


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また、村井俊治氏らJESEAは、今年2月の岩手沖と徳島の2つの地震について、「昨年12月17日のメルマガで要注意地域として挙げていた」などと得意げに宣伝(こちら)しています。

ですが、彼らが発行するメルマガの内容を実際にみると、全くマトモな地震予測になっていない代物であることがわかります。昨年12月17日発行の彼らのメルマガ「週刊MEGA地震予測」の内容を、実際にみてみましょう。





…ここに挙げられた「要注意地域」に該当するであろう地域を、日本地図に描いてみますと、以下のようになります。





…ハッキリ言って、国内の地震が多い領域のほぼ全部を網羅しています。

村井氏らのメルマガは、文字で予測領域を列挙しているので、特定の地域をピンポイントで名指ししているかのように錯覚するかも知れません。ですが、図に描けば一目瞭然、単なる下手な鉄砲なのです。これだけの下手な鉄砲を打って、上記2つの地震を的中させたと得意げに吹聴している、それが村井俊治氏らJESEAの実態です。

なお、震度5以上の地震が発生する可能性が高い「要注意地域」とやらの予測期間は長くても3ヶ月で、このメルマガ発行から3ヶ月以上が経過しています。ですが、この期間内に震度5弱以上を観測した地震は、岩手県沖と徳島県南部の、2つしかありません。つまり、この2件以外に6つある「要注意地域」との地震予測は、ことごとく全て外れているのです。

こうした異常に広い予測領域や、ハズレ予測の数を考慮すれば、村井俊治氏らJESEAによる地震予測は、ほぼタラタメと言って良い的中率しかないことが分かります。なお、最近のメルマガでは(公開されていないのでここで引用することはできませんが)、要注意地域などで挙げられる地域がさらに増えており、ほとんど日本全国を網羅してしまっています。


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村井俊治氏らJESEAのように、「予測を出したが地震が発生しなかったケース」を正直に開示しない地震予測は、その時点で信用できないと判断して良いと思います。それが嫌なら、彼らは過去の予測実績を全て公開するべきです。その意味では、数ある地震予測サービスのなかで、定量的に全予測実績を公開している地震解析ラボの態度は、評価されるべきでしょう(ただし予測精度は地震解析ラボも出鱈目と同レベルですが)。

なお、村井俊治氏らJESEAによる地震予測のデタラメさについては、すでに繰り返し指摘しています。ぜひ併せてご参照ください。

村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(3)
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(2)
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(1)

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村井俊治氏(JESEA)の言っていることは、支離滅裂で信用できません

2015年03月04日 | 地震予知研究(村井俊治氏・JESEA)
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電子基準点のデータから、有料メルマガ「週刊MEGA地震予測」などで地震予測サービスを行っている、東京大学名誉教授の村井俊治氏(JESEA・地震科学探査機構)という方がいます。

本サイトでは以前より、村井氏は測量学が専門だと言ってもGPSは全くの専門外であり、データの取り扱いや発言は出鱈目であって、地震予測も実は全然当たっておらず、全く信用できないと指摘しています。ですが、週刊ポスト、週刊現代、週刊朝日、フジテレビ…といった各週刊誌やテレビ局が、なぜか彼を絶賛して祀り上げることを一向にやめないので、繰り返し批判を続けています。

今回は、村井俊治氏らの言っていることが、明らかに支離滅裂であり信用できないものであることを説明します。


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村井俊治氏らは、JESEAのサイトにおいて、彼らの地震予測を以下のように説明しています。


「国土地理院は1994年以降、地殻変動を観測する目的でGNSSを用いた
電子基準点を全国約1300か所に配備しました。
(中略)
JESEAはこの電子基準点データを利用して地震予測を行います。
(中略)
村井名誉教授等は2000年~2007年に起きたマグニチュード6以上の地震162個に対して、
地震の前に何らかの前兆現象が起きていたか否かをチェックしました。
結果、すべての地震に前兆現象が見られました。数日前から数ヶ月前くらいの
範囲で前兆現象が認められました。」

JESEAの地震予測について



それでは、2000年~2007年に起きたマグニチュード6以上の地震を、以下にプロットしてみましょう。
(下図では、規模の大きいほうから100件のみを表示しています)



(気象庁のサイトより作成。規模の大きい100件をプロット)


…ご覧のとおり、彼らがいう「2000年~2007年に起きたマグニチュード6以上の地震162件」には、日本から離れた数多くの地震、しかも非常に震源が深い地震が、幾つも含まれているのです。

これらの地震には、ロシアのウラジオストク付近の地下を震源とする幾つかの地震が含まれています。いずれも、地下500kmよりも深い位置で発生した、太平洋プレートのもぐり込み先の地震発生限界付近の地震です。ほかにも、オホーツク海を震源とする深さ496kmの地震や、ロシアの沿海地方の深さ487kmの地震などがあります。こんな遠くて深い地震の前にも、日本の地表に設置された電子基準点で異常があったと、彼らは言っているのです。あまりにも荒唐無稽です。

逆に、遠くて浅い震源での地震の前に、日本の地表にある電子基準点で異常が起こるというのも、到底信じられません。サハリンでの2つの地震は、それぞれ深さが0kmと1kmと、ほとんど地表付近での地震です。フィリピン付近の地震も浅い海底で起きています。このような地震の前に、日本の地表にある電子基準点で前兆異常が起こるというのは、さすがに無理があります。

これらの遠方の数々の地震の前にも全て、電子基準点に異常があったと村井氏(JESEA)は主張しているのです。これを信じろと言う方が、どうかしています。信じろというなら、全データを公開すべきでしょう(※村井氏らは、ただ「すべての地震に前兆現象が見られました」と主張するだけで、証拠となる具体的なデータを全く公開していません)。

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また、今週発売された『週刊朝日』で、村井俊治氏は以下のように発言しています。


「(電子基準点の異常があってから)地震発生までは、およそ5カ月くらいかかるので(後略)」
exciteニュース<週刊朝日>



ところが、上記したJESEAのサイトでは、ハッキリ以下のように書いてあるのです。


すべての地震に前兆現象が見られました。
数日前から数ヶ月前くらいの範囲で前兆現象が認められました。
(中略)
過去の解析例では、ほぼ1ヶ月以内ぐらいの範囲で地震が起きています。

JESEAの地震予測について



…162個もの地震を検証した結果として「ほぼ1ヶ月以内で、数日のこともある」と言ったにもかかわらず、今年の週刊誌の取材に対しては「5ヶ月くらいはかかる」と、主張がコロっと変わってしまっています。どちらかが大嘘なのか、過去の研究結果を忘れてしまっているのか、いずれにしても支離滅裂だと言わざるを得ません。

おそらく、昨年の長野での地震をはじめとして、何ヶ月間も予測どおりに地震が起きなかったことが相次いだため、自身の都合の良いように主張を変えたのだと思われます。ここまでくると、なりふり構わぬ迷走ぶりで、彼らの研究自体がグチャグチャになっていると言わざるを得ません。いずれにしても、村井氏の発言には一貫性が全くありません

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(※3/12追記)

さらに、村井俊治氏は2015年3月11日付のtwitterで、以下のように発言しています(赤下線は本サイトによる付記)。



…震災から4年も経って、これを「びっくりする発見」だと言うなんて、想像を絶する科学的知識の欠如です。少なくとも、地震や地球科学のことに興味を持ち少しでも勉強していれば、小学生でも既に知っているはずの知識を、村井氏は知らなかったというのです。

最近、累積歪みなどというデータを持ち出して、「東北地方の太平洋側が隆起していて、日本海側が沈降している」と、さも自分の発見のように騒いでいるようですが、これも大地震後の余効変動として地震直後から知られている観測結果にすぎません。というより、過去のプレート境界地震の経験から、このような余効変動は震災前に既に周知でした。このような人物を信奉しておられる方が大勢いるという現状は、信じられないというか、茫然とするほかありません。


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正直申し上げて、村井俊治氏の信頼性に欠く数々の言動、発言の支離滅裂さなどは、いささか異常なものを感じます。彼ひとりであれば「少し異常な人物ですね」で済むのですが、彼のまわりに数人居るらしいとりまき(JESEAのメンバーと思われます)も、同調ないし助長して異常な研究やサービスを止めないというのは、非常に大きな問題だと言えます。

とりわけ、村井俊治氏ご自身はGPSは全くの専門外で、素人以下の知識しかないのに、「測量学の権威」と称した「東大名誉教授」の肩書で、多くの皆様やメディアが彼らの研究のおかしさに気付けないでいるという現状に、非常に大きな問題点というか悪質さを感じます。

まずは、発言をコロコロ変えるような非科学的な態度をやめ、ご自身の研究を客観的にとらえる真摯な科学的姿勢を、彼らにはぜひ期待します。


なお、彼らの予測のデタラメさや、実際には予測がまったく当たっていない(のに村井氏自身や週刊誌が的中と主張している)点については、すでに繰り返し指摘しています。ぜひ併せてご参照ください。

村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(3)
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(2)
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(1)
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村井俊治氏の地震予測は、またまたハズレました

2015年02月21日 | 地震予知研究(村井俊治氏・JESEA)
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電子基準点のデータから、有料メルマガ「週刊MEGA地震予測」などで地震予測サービスを行っている、東京大学名誉教授の村井俊治氏(JESEA・地震科学探査機構)という方がいます。

当サイトでは繰り返し、村井俊治氏らの地震予測はデタラメであり、予測もほとんど当たっておらず、的中しているとの主張は著しい誇張であると指摘しています。

今回も、また村井俊治氏の地震予測がハズレたことを紹介します。


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村井俊治氏は今月、週刊ポスト2015年2月27日号において、以下のような地震予測を発表しました(「異常変動全国MAP'15 vol.2」)。日本の各領域に、地震発生の可能性が高い「警戒ゾーン」を予測したのです。その一部を、抜粋して引用します。



なお、西日本にもこれまで同様に「警戒ゾーン」を設定しており、ほとんど日本の半分以上を網羅しています。


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ところが、この予測を掲載した週刊ポスト誌の発売日である2月16日の、まさに翌日、おおよそ以下の震源域(赤い丸)でM6.9をはじめとする一連の地震が発生し、最大震度5強を観測したのです。津波注意報も発表されました。



…東日本だけでも、これだけ広大なエリアに警戒ゾーンを設定しながら、見事に震源域を外しています。多数ある異常変動点(もちろん異常というのは実は単なるGPSのノイズ)とは全く関係がない震源域であり、震源域に最も近い岩手県には異常変動点がひとつもありません。

これだけみても、村井俊治氏の地震予測はまったく使い物にならないことが、良くわかるかと思います。


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なお、彼らの予測のデタラメさや、実際には予測がまったく当たっていない(のに村井氏自身や週刊誌が的中と言い張っている)点については、すでに繰り返し指摘しています。ぜひ併せてご参照ください。

村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(3)
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(2)
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(1)
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村井俊治氏の地震予測は、またハズレました

2015年02月09日 | 地震予知研究(村井俊治氏・JESEA)
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電子基準点のデータから、有料メルマガなどで地震予測サービスを行っている、東京大学名誉教授の村井俊治氏(JESEA・地震科学探査機構)という方がいます。

当サイトでは繰り返し、彼の地震予測は信用できない旨を指摘しています。今回は、またひとつ、村井俊治氏の地震予測がハズレたことを紹介します。


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村井俊治氏は昨年、週刊ポスト誌(2014年9月19・26日号)上において、以下のような予測を発表しました。
http://www.news-postseven.com/archives/20140912_275595.html


「(2014年の)7月6日以降、日本全国で異常変動が起きている。何週にもわたってこれだけ広範囲かつ大規模な動きが見られるのは、3年前の東日本大震災以来初めてといっていい。
(中略)
過去の例を見ると大地震の場合、異常変動は発生の半年前から確認されます。
(中略)
来年1月までに大きな地震が起こる可能性は極めて高いと考えます」



…この記事を素直に読むと、「2015年1月までに、東日本大震災以来の大地震が起きる」と予測しているようにしか読めません。そして、この予想はハズレたワケです。


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2月6日の徳島県南部を震源とする地震についても、彼はtwitterや日刊ゲンダイの記事上などで、電子基準点の異常を事前に捉えていたと主張しているようです。ですが、詳しくみてみると、予測できていたと言えるような代物では全くないことがわかります。

村井氏が言っているのは、徳島県の木屋平(こやだいら)で、昨年2014年の7月13日に記録した異常値です(この日に楕円体高が4.4cmほど突出して高く出たため、この週の最高値と最低値の差が7cmを超えた)。一方、JESEAのサイト内では、

「過去の解析例では、(電子基準点の異常が現れてから)ほぼ1ヶ月以内ぐらいの範囲で地震が起きています」

とハッキリ書いてあるのです。木屋平での異常値から徳島南部の地震までは、1ヶ月以内はおろか、7ヶ月近くが経過しています。なのに、「やっぱり前兆変動があった、だから予測できた」と言うのですから、言っていることが支離滅裂であり、あまりにも自らに甘すぎる検証で、言っていて恥ずかしくないのか心配してしまうほどです。

要するに、客観的にみれば、この地震についても、村井俊治氏は明らかに予測失敗しています。

なお、木屋平よりも今回の徳島県南部の地震の震源に近い観測点が幾つもあるのですが、それらでは異常値は観測されていません。そして、木屋平の他にも、九州や東北などの数々の電子基準点で異常値を観測しながら、そちらでは地震が起きていないことについては、村井氏らは沈黙しています。


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このような、予測の実情にフタをして隠蔽するような態度が、もし意図的なものであれば(信じたくはありませんが)、悪質だと罵られても文句は言えないと思います。

なお、彼らの予測のデタラメさや、実際には予測がまったく当たっていない(のに村井氏自身や週刊誌が的中と言い張っている)点については、すでに繰り返し指摘しています。ぜひ併せてご参照ください。

村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(3)
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(2)
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(1)

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村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(3)

2015年01月09日 | 地震予知研究(村井俊治氏・JESEA)

本サイトでは、週刊誌を中心に多く話題となっている、東大名誉教授の村井俊治氏(JESEA・地震科学探査機構)による地震予測を、デタラメだと批判しています。

これまでの2回の記事では、彼らが電子基準点データのノイズ変動を全く理解しておらず、実際に地殻変動が起きていると勘違いしているだけだという指摘をしました。

 村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(2)
 村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(1)

今回は、彼の地震予測が実際どれだけ外れているのか、実績をご紹介しましょう。

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9月8日発売の週刊ポスト「異常変動全国マップ」に記載された、彼らが観測したという異常変動の地域と、本日1月9日まで(発売日から4ヶ月間)に発生した主な地震の震央を重ねあわせてみます。

彼らは、ほとんどの場合で1ヶ月前、巨大地震でも6ヶ月前には前兆変動が出ると主張していますので、この4ヶ月間の実績をみれば妥当な評価ができるでしょう。

JESEAのサイトによれば、村井俊治氏は「震度5以上」(おそらく震度5弱以上)の地震を予測するサービスを行っているのだと言います。また、その根拠として、「マグニチュード6以上」の地震162個について全て(!)に前兆となる変動を見出したので、地震予測ができるのだと言っています。

そこで、この基準(震度5弱以上、M6以上)を満たす、この4ヶ月間に発生した地震を列挙してみます。新しい順に、以下の3件です。

2014年11月22日 22時08分ごろ 長野県北部 M6.8 最大震度6弱
2014年10月11日 11時35分ごろ 青森県東方沖 M6.1 最大震度4
2014年9月16日 12時28分ごろ 茨城県南部 M5.6 最大震度5弱


それぞれの震央を、「異常変動全国マップ」に赤丸で重ねてみます。



…いかがでしょうか?

いかにも大きな地震が起きそうな地域に、広大な4つの警戒ゾーンを設定しながら、そのうち1つでしか該当する地震が起きていません。

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これだけだと少し少ないですので、おまけとして震度4以上を含めて差し上げましょう。該当する地震は、以下のとおりとなります(上記3件とその余震、マップ外の震央で発生した地震を除く)。

2015年1月1日 22時57分ごろ 苫小牧沖 M4.4 4
2014年12月26日 22時30分ごろ 滋賀県北部 M4.2 4
2014年12月20日 18時29分ごろ 福島県沖 M5.8 4
2014年12月18日 3時45分ごろ 宮城県沖 M4.5 4
2014年12月11日 15時07分ごろ 山梨県東部 M4.3 4
2014年11月20日 10時51分ごろ 福島県沖 M5.3 4
2014年11月12日 9時53分ごろ 茨城県南部 M4.7 4
2014年11月3日 11時28分ごろ 胆振地方中東部 M4.6 4
2014年10月15日 12時51分ごろ 宮城県沖 M4.5 4
2014年10月3日 9時57分ごろ 岩手県沖 M5.5 4
2014年9月24日 22時30分ごろ 福島県沖 M5.2 4
2014年9月10日 10時09分ごろ 岩手県沖 M5.0 4


それぞれの震央を、今度は青丸で重ねてみます。



…悲しくなるくらい、全く相関がみられません。

以上の地震のうち、警戒ゾーン内で起きた地震はたったの2個だけです。それ以外の13個の地震は全て、村井氏が指摘した警戒ゾーン外で起きています。4つのゾーン以外にも、大きめの異常変動を観測したとする基準点が15個所ほどマップに挙げられています(マップの黒丸)が、長野県白馬村の1点を除いて、異常変動点と震央の分布にほとんど相関がないと言って良いことがお分かりになるかと思います。

つまり、村井俊治氏の地震予測は、ほとんど当たっていないのです。電子基準点に異常があったら必ず地震が起こるとする村井俊治氏の主張も、明らかな大嘘であることがわかります。

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なお村井俊治氏は、1月に発売された最新の週刊ポスト誌において、4つのゾーンのうち、「首都圏・東海警戒ゾーン」、「南海・東南海警戒ゾーン」、「九州・南西諸島警戒ゾーン」の3つを、継続して警戒エリアだとして発表しています。つまり、4ヶ月の猶予期間をもっても予測が的中しなかったゾーンについて、さらに数ヶ月も期間を延長しているのです。半年以上も期間があるのですから、これだけ広大なゾーンのどこかに地震が起きても全く驚くべきことではなく、しかも1カ所でも当たれば週刊誌が「ズバリ的中!」と言ってくれるのですから、全く楽な商売です。

しかも、この最新の週刊ポスト誌では、さらに東北地方と北海道に、新たに2つの警戒ゾーンを発表しています(!)。つまり村井俊治氏らは、合計5つのゾーン、日本の国土のほぼ半分以上の広範囲に対し、半年くらいの猶予をもって地震予測を発しているわけです。こんな予測にいったい何の価値があるのか、週刊ポストの編集者に問い詰めたい気分です。

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このように、異常変動を観測したのに地震がなかった例や、地震があったのに異常変動を観測していなかった例が、極めて多数あるのです。にもかかわらず、各週刊誌や村井俊治氏ご本人は、こうした事実に全く触れないでいるのです。

以上のように、電子基準点のデータも見方がデタラメである上に、地震予測も実際に全く当たっていない村井俊治氏らのサービスを、信じるべき理由は皆無であると断言できます。