横浜地球物理学研究所

地震予知・地震予測の検証など

有料地震予測は山形県沖の地震を予測していたか

2019年06月20日 | 地震予知研究(その他)
 
2019年6月18日の22:22頃、山形県沖で大きな地震が発生しました。規模はM6.7で、新潟県村上市で震度6強を観測しています。

話題の有料地震予知サービスは、この地震を予測できていたのでしょうか。以下に見てみましょう。


 ■

電子基準点の動きなどから地震予測をする、村井俊治・東大名誉教授ら地震科学探査機構(JESEA)の『週刊MEGA地震予測』では、この地震の直前、以下のような予測を発表していました(山形県沖の震源位置を青で描き込みました)。

  

…相変わらずの予測の乱発ぶりで、日本中に10個もの予測円を発表していたのですが、その予測円の間を縫うように地震が起きてしまいました。見事な予測失敗です。

なお、この村井氏らの『週刊MEGA地震予測』は、以下に列挙しますとおり、これまでも大きな地震を全く予測できていません。もうそろそろ「地震を予測できる」とする看板を下ろすべきではないでしょうか。

2018年北海道胆振東部地震のとき
https://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/ef8ad67ad8577667a0dc388c1b39c03c

2018年の大阪府北部の地震のとき
https://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/a7bd3d581af7ae1395fba63c840a0263

2018年の島根県西部の地震のとき
https://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/9b1cf496b580fe25024167287d069361

2016年熊本地震のとき
https://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/a525982aff0851971b3774b45b7f2ce6


 ■

電波観測など複合的な手法で地震予測をしている、『地震解析ラボ』という有料地震予測はどうだったでしょうか。地震直前の予測は、以下のようなものでした(震源位置を赤×で描き込みました)。

  


…ご覧のように、カスリもしていません。言い訳不可能な予測失敗です。この『地震解析ラボ』も、これまでに大きな地震を予測的中させた試しが無いように思います。このような予測能力で有料サービスを継続するというのは、あまり褒められたものではない気がしますが、どうでしょうか。



 ■

「地震活動の静穏化が大地震の前兆だ」とする、長尾年恭・東海大教授らDuMAの『地下天気図』による地震予測を検証してみましょう。長尾教授らは、今回の山形県/新潟県の県境沖を震源とする地震の前に、以下のようなコメントをホームページで発表しています。


  
  (DuMAホームページより)


…このように、北信越に出していた警戒を取り下げたあとで、今回の地震が起きてしまっています。したがって、こちらも完全なる予測失敗と言えるでしょう。この『地下天気図』、大きな地震を事前に言い当てた実績がまったく見出さないのですが、こうして予測失敗を重ねながらも未だ「この方法では地震予測はできないのでは…」と気づかないというのは、率直に言って不思議でなりません。

 
 
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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2019-06-20 18:58:34
直前の法螺は九州レベルアップと書かないとwww
1週間前に全く山形を察知していないwww
九州www

2019年6月12日発行(Vol.19,No.24)
地震予測サマリ-
〇警戒レベルアップ地域
九州南部:要注意→要警戒
〇警戒レベルダウン地域
なし
 
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愚か (通りすがり)
2019-06-21 00:03:54
ここまでくると、諸々の「予知」にすがっている人たちは「愚か」というしかありません。とはいえ、「無知」な人たちがなにかにすがりたくてお金を失うのは勝手です。

問題は、巷にあふれる「予知」が、防災意識の高まりとか、減災対策の実践にあまり結びついているように見えないことです。過去のさまざまなデマ事件(古くは豊川信金のような)と似たようなことがなされ、ただ、人びとや社会の不安を煽っている気がします。

新興宗教の信者のようにお金を失っている人たちは、たんに自分のお金を失っているのみならず、他の人びとも「予知」に引きずりこんで、被害者をふやしているとともに、社会の擾乱を準備しているようにおもえます。
返信する
Unknown (防災係)
2019-06-21 07:25:59
時々、拝見させて頂いています。
今回の大地震も、全く予測不可能であったとは、改めて地震予測の困難さを思い、地区の防災担当者として、日頃の不断の準備の大切さを思い知らされたところです。

無料で拝見させていただき、感謝のみです。今後も、厳密な精査をよろしくお願い致します。
返信する
Unknown (REW)
2019-06-21 20:25:37
こちらによると、村井教授は2018年の北海道地震は胆振という地名まで的中させた、ことになっているですね~
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180914/soc1809140022-n1.html

 1ヶ月も経ったら「山形地震を的中」って宣伝しているかもしれません。
返信する
本人も信者も疫病でしかない (ここのファン)
2019-06-22 13:16:58
以前信者の一人が「登録して予測を見るだけでも防災意識が高まるから良い」とか言ってましたが「そんなことをしなきゃ意識できないとは自主性皆無」としか言えません。「私は無能な人間です」と宣言するようなもの。
巷の金をとらない個人の予知などは放っておくにしても(それでも防災グッズへの広告誘導が悪辣ですが)有料でこのざまとは情報弱者からの搾取にしか見えません。逆にこれだけ外れているのに、予想の仕組みも素人以下なのに信じるっておかしいです。上の方が仰る様にカルトにはまって周りが見えなくなっています。
逆に言えば予想円以外の場所は地震に要警戒という事なのでしょう(笑)
相場の逆張りじゃあるまいに。
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大丈夫すぐにすり替えた当たったと言い出す (下総太郎)
2019-06-22 23:56:56
村井先生にせよ、他の地震予測商法も、のど元過ぎれば、「データには地震の兆候が出ました」とか、しれっと「予測成功」にすり替えているだろうね。
後から当たっていたとすり替えるなら、熊本地震の時、テレビで嘘涙を流してみせた姿は何だったんだろうね。
そんなものに縋らなきゃ、地震に退化する心構え一つで出来ない人たちは、本当の地震が来た時どうなるんだろうね。

しかしまぁ、いまだオレオレ詐欺や、マルチ商法が無くならないように、この手の予測商法は、無くならないし、それに縋る人間もなくならんのだろう。

人間の不安心理につけこんだ実に狡猾な商売していると、地震予測商法している輩には称賛の声を贈りたいね。
あ、もちろん、上の台詞はもちろん皮肉と嘲笑だよ。
時折、国語力の乏しい信者どもが出現するから、一応断っておくよ。
返信する
Unknown (Unknown)
2019-06-24 09:40:09
2019年5月29日発行(Vol.19,No.22)



村井www

村井
村井www
地震予測サマリ-
〇警戒レベルアップ地域
なし
〇警戒レベルダウン地域
南関東周辺:要警戒→要注意

6/24関東震度4 M5.5www
返信する
Unknown (Unknown)
2019-06-24 09:49:46
こいつ元上司が言ってた様に頭おかしいわwww
村井俊治


@sh1939murai
4 時間4 時間前
その他
本日発売の週刊ポストに「次はどこが危ないか」の警戒ゾーンの記事が掲載されます。6月18日に起きた山形県沖地震(震度6強)のあと、地震専門家が根拠を示さず「さらに大きな地震の可能性がある」との発言に対して、週刊ポストでは科学的データの根拠を述べて次の地震の可能性を私が応えたものです。
返信する
Unknown (Unknown)
2019-06-26 17:08:36
またアップだとwww
2019年6月26日発行(Vol.19,No.26)


地震予測サマリ-
〇警戒レベルアップ地域
南関東周辺:要注意→関東地方周辺:要警戒
〇警戒レベルダウン地域
なし
返信する
村井氏は山形沖地震の予知に成功! (伊牟田勝美)
2019-06-26 17:47:37
6月18日の山形県沖の地震(M6.7)では、村井氏のJESEAの地震予測は、予知に成功しています。
村井氏は、震度5弱以上を観測する地点を予測します。一つの地震で複数の地点が震度5弱を観測した場合、その一つでも予測範囲内にあれば『予知成功』となります。
従って、今回の山形県沖の地震では『予知成功』になります。

2015年5月13日に宮城県沖(太平洋)で発生した地震(M6.8)では、JESEAは「奥羽山脈周辺及び日本海側」と指定していましたが、滝沢市などで震度5弱以上を観測したので、JESEAは『予知成功』としています。

ですので、ブログ主様が掲載されました地図の隙間で地震が起きても、ほぼ確実に『予知成功』となります。
実に素晴らしい地震予知です・・・??


もちろん、JESEAの地震予測は、役に立たない代物であることは確かです。

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