横浜地球物理学研究所

地震予知・地震予測の検証など

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

長尾年恭・東海大教授らの地震予測「地下天気図」を検証します(2017年)

2018年02月02日 | 地震予知研究(長尾年恭・東海大教授)
 
地震予知の研究で有名な研究者に、長尾年恭・東海大教授という方がおられます。長尾年恭教授らは、地下気象研究所(DuMA)という大学発ベンチャー企業を立ち上げ、有料の地震予知サービスを行っています。

彼らの主な予知手法は「地下天気図」というもので、「地震活動が普段より静穏化している領域は、静穏化が終わった直後に大きな地震が起きる」という仮説に基づいたものです。長尾年恭氏らDuMAは、この「地下天気図」による地震予測を有料メルマガで配信しています(http://www.mag2.com/m/0001672594.html)。

では、この長尾教授による「地下天気図」、どのくらいの精度で地震を予知できているのでしょうか。今回は、2017年の地震予測を検証してみます。


 ■

長尾教授は、『FLASH』という雑誌の2017年1月10日号において、2016年12月時点での「地下天気図」を紹介しています。

  
   『FLASH』2017年1月10日号より


彼らの地震予測の予測期間は半年から1年ですから、この「地下天気図」は事実上、2017年に発生する地震を予測したものだと言って良いでしょう。では、この「地下天気図」に、2017年に実際に発生した最大震度5弱以上の地震の震源(赤丸)を重ねてみましょう。

  

・・・いかがでしょうか。「大地震の可能性が高い」と予測した場所には、強い地震が全く発生しなかったことがわかります。逆に、「大地震の可能性が高い」と予測した場所の合間を縫うように、強い地震が発生しています。これ以上ないというくらいの、見事な予測大ハズレです。


 ■

以上のとおり、長尾年恭教授の「地下天気図」は、地震を予測できる理論であるようには、残念ながら全く見えません。2017年の予測に限らず、これまでの「地下天気図」も、大きな地震を全く予測できていないことも、以下に検証しております。よろしければご参照下さい。

長尾年恭・東海大教授ら地下気象研究所(DuMA)の地震予知について
http://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/5c6efb04c9686fd918750a7bd55cf5f6
 
コメント (7)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長尾年恭・東海大教授ら地下気象研究所(DuMA)の地震予知について

2016年06月07日 | 地震予知研究(長尾年恭・東海大教授)
 
地震予知の研究で有名な研究者に、長尾年恭・東海大教授という方がおられます。長尾年恭教授らは、地下気象研究所(DuMA)という大学発ベンチャー企業を立ち上げ、有料の地震予知サービスを行っています。

彼らの主な予知手法は「地下天気図」というもので、「地震活動が普段より静穏化している領域は、静穏化が終わった直後に大きな地震が起きる」という仮説に基づいたものです。長尾年恭氏らDuMAは、この「地下天気図」を有料メルマガで配信しています(http://www.mag2.com/m/0001672594.html)。

では、この長尾教授による「地下天気図」、どのくらいの精度で地震を予知できているのでしょうか。以下に、彼らが「地下天気図」を配信し始めてからの地震予知を、検証してみます。


 ■

まずは、今年2016/4/14の熊本地震(本震は4/16のM7.3)の直前である、4/10の「地下天気図」です。青い領域が地震活動が静穏化している領域であり、大きな地震が起きる危険があると言います。

  

…ご覧のとおり、熊本を含む九州は全く異常がありません。これより前に発表された地下天気図でも、熊本に静穏化領域は全くなく、長尾教授らは熊本の「く」の字も言い当てることはできませんでした。つまり、熊本地震は全く予測できなかったということです。また、5/16には茨城県南部を震源とする最大震度5弱の地震が発生しましたが、茨城県もこの図では真っ白であり、予測できていないことが分かります。

(※7/22後記)
長尾教授はテレビなどのメディアに頻繁に登場し、「熊本地震を予知していた」と主張して、以下の「地下天気図」(2015年9月16日のもの)を紹介しています。



…しかし、これはあくまで、九州大学が福岡での地震の危険についてのコメントを出したことを受けて出したものであり、長尾教授が「日本のうち九州で特に危険があることを見つけた」という趣旨で出したものではありません。それに、佐賀と鹿児島には確かに異常が認められるものの、肝心の熊本や大分は明らかに真っ白です。

さらに、このときに長尾教授が出したコメント(2016年3月24日のニュースレター)には、次のようにハッキリ書いてあり、大きな被害を出した熊本地震M7.3を予測できていたとは、到底言えません。

「予想されるマグニチュードは7ではなく、6クラスの地震で、きちんとした建物であれば、倒壊する可能性はほぼありません



 ■

次に、今年2016/1/14に発生した浦河沖の地震(M6.7、6箇所で最大震度5弱)の直前に発行された「地下天気図」はどうでしょうか。

  

…北海道の空知から日高にかけての内陸部に青い領域がみられますが、浦河沖の海域は全く異常が出ていません。これも予測失敗です。


 ■

さらに、2014/11/22に発生した長野県北部の地震(神城断層地震M6.7、最大震度6弱)の直前に発表された、2014/11/10の「地下天気図」を見てみましょう。

  


…長野県は全くノーマーク。神城断層地震も完全に予知失敗です。


 ■

以上のように、長尾年恭教授らDuMAによる「地下天気図」による地震予知は、これまでのところ、大きな地震を言い当てた的中実績が、全くありません。特に、熊本地震や神城断層地震など被害が大きかった大地震を、欠片も予知できていないのですから、この地震予知を信頼すべき理由はないと言えます。ほぼデタラメと言って良いでしょう。

精度もさることながら、彼らの最も大きな問題だと思うのは、こうして大きな地震を予測し損なった直後に発行されたレターで、それを反省・釈明する様子が全くみられないことです。定期的に「地下天気図」を公表し、地震予知を発表しておきながら、予知の失敗に何も触れず、精度の低さを隠蔽しています。このような態度は、たとえば早川正士・電通大名誉教授の「地震解析ラボ」や、村井俊治・東大名誉教授の「地震科学探査機構JESEA」と、全く同じです。本当に残念です。

ぜひ長尾年恭教授らには、自らの予知実績を客観的に検証する、真摯な(研究者としては当たり前であるはずの)態度に改めて頂きますよう、強く希望します。

コメント (13)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする