※ 2016/3/6 放送のフジテレビ『Mr.サンデー』において、村井俊治氏らの地震予測が紹介されるとのことですので、本記事(昨年12/25に公開したもの)を再掲します。
電子基準点のデータを使い、有料メルマガ『週刊MEGA地震予測』で地震予測サービスを行っている、東京大学名誉教授の村井俊治氏(JESEA・地震科学探査機構)という方がいます。特に今年は、彼の地震予測がテレビや週刊誌などで多く取り上げられ、最も注目された地震予測研究と言えるかも知れません。
この村井俊治氏らのメルマガ『週刊MEGA地震予測』は、実際にはどの程度の予測精度があるのでしょうか。最近のメルマガの内容を、以下に検証してみましょう。
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2015年9月9日発行の『週刊MEGA地震予測』が、あるサイトで公開されていましたので、こちらを検証してみることにします。この号では、以下の10ヶ所に地震予測を発しています。

このメルマガでは予測期間は最大でも3ヶ月で、当該号のメルマガ本文でも、ほとんどの領域について「1、2ヶ月のうちに地震」、長くても「3ヶ月後まで警戒を要する」等と記載されていますので、この号の発行から既に3ヶ月以上を経過した現在であれば、客観的な(甘目の)検証ができることになります。
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では、当該メルマガ発行から3ヶ月間に、以上の10ヶ所のうちで、予測どおり震度5弱以上の地震が発生した地域を以下に挙げてみます。

(9/12に、東京湾の深さ57kmを震源とするM5.2の地震が発生、調布で震度5弱)
…この1件だけです。ほかの9件は、全てハズレです。的中率で言いますと、わずかに10%です。この1件も、震度5弱を観測したのは調布市のわずか1点のみで、ギリギリ的中と言えるものに過ぎず、それほど大きな地震ではありませんでした。
以上に示したメルマガからの引用でも分かるように、10か所もある予測地域のそれぞれが、「東北・関東」や「南海、東南海」などと、非常に広範囲です。しかも今回、3ヶ月以上の猶予を持って、予測を検証しました。それでも、たったの10%しか的中していないのです。
以上のことから、客観的にみて、村井俊治氏らの『週刊MEGA地震予測』は、単に下手な鉄砲を数多く打つことによって、大きな地震があった後で、「この地震は予測していた」と主張できるようにしているだけであると思われます。つまり、村井俊治氏らの地震予測は、ほとんどデタラメを脱していないと結論できます。
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なお、村井俊治氏らJESEAの地震予測については、以下の記事においても検証していますので、ご参照ください。
村井俊治氏(JESEA)の地震予測を検証します(2015年1月~5月)
http://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/b51f1ea8bcc23fc4109748dd16474e1b
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(3)
http://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/51b8dd178cae1a58be6cb9a3bf70c304
また、村井俊治氏らの理論のそもそもの疑問点については、以下をご参照ください。
「週刊MEGA地震予測」の内容は、全く信頼できません
http://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/98691b7b417e3670144d0d61fe544e41
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(2)
http://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/47e78b9471e8cbc740b0c0efa0ef710a
http://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/98691b7b417e3670144d0d61fe544e41
村井俊治氏の地震予測を信じてはいけません(2)
http://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/47e78b9471e8cbc740b0c0efa0ef710a