南太平洋のバヌアツで大きな地震が起きると、直後に日本でも大地震が起きるという、「バヌアツの法則」と名付けられた言説があります。
バヌアツでM7を超えるような地震が起きるたびに、ネットユーザが、「これまでのバヌアツの法則から言って次は日本で地震が起きる」などと、恐怖を感じたり、恐怖感を煽ったりするケースがよく見られます。
この「バヌアツの法則」は本当なのでしょうか。以下に検証してみましょう。
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バヌアツは非常に地震が多いところで、2000年以降だけでも、M7を超える大きな地震が以下のとおり起きています(データはUSGSより)。
それでは、これらの地震の後に、日本で大きな地震が発生していたのか、以下に並べてみます(日本での地震は被害の大きさを中心にリストアップしました)。
…いかがでしょうか。特に相関があるようには思えません。むしろここ数年は、日本で被害地震が起きた後に、バヌアツで大きな地震が起きているように見えます。たとえば、
・2003/9/26の十勝沖地震M8.0の後、2003/12/27にバヌアツでM7.2
・2007/7/16の中越沖地震M6.8の後、2007/8/1にバツアツでM7.2
・2011/3/11の東北地方太平洋沖地震M9.0の後、2011/8/20にバヌアツでM7.2
・2015/5/30の小笠原諸島西方沖のM8.1の後、2015/10/20にバヌアツでM7.1
・2016/4/16の熊本地震M7.3の直後、2016/4/28にバヌアツでM7.0
「バヌアツの法則」どころか、むしろバヌアツの人が「日本の法則」を怖がっているかもしれません(冗談です)。
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このように、「バヌアツの法則」なんてものは、存在しないと言って良いでしょう。バヌアツでの地震の有無に関係なく、日本では地震に対して日頃から備えておきましょう。